折原伊桜・NightOwl EP”ヨルニトケル”リリースツアーを振りかえる。
記念すべきツアーを振りかえる
2022年8月23日、NightOwlデビュー3周年当日から始まり、10月10日の代官山UNITにて大盛況のファイナルを迎えた、EP”ヨルニトケル”リリースツアー。EPはNightOwl初の全国流通盤であり、各地でストアリリースイベントも開催された。また、このグループにとって初めて、全メンバーが欠けることなく、途中で休止することもなく、最後まで走り抜くことができた記念すべきツアーでもある。この事実だけでもNightOwlのオタクとしては感動的なのだが、自分が参戦できた公演を振りかえり、NightOwlの次の大いなる一歩に思いを馳せたい。
(毎度おなじみ長文です。お時間のあるときにお読みください)
(note上の文字数カウントをみたら7,000字超えてます…)
EP ”ヨルニトケル”発表!
発表は前ツアーファイナル
前EPの”不完全な夜でも”のリリースツアーファイナル、大阪MUSEの終了後に次のEPの発表が行われた。
前ツアーファイナルは、それはそれは素晴らしい内容だったので、その感動も覚めやらぬ中の発表にオタクは湧いた。
(前ツアーについては以下の記事を)
収録曲について
発表段階では曲についての情報は一切なく、6月の第1弾配信を待つしかなかった。今回はこうして順次情報を解禁していく方式なのか…?期待して待つ。いざ配信が開始されると、作家と楽曲のバリエーションの豊かさが際立っていた。
3曲とも違う表情を持っていて、「グッドナイト」は淡々とループするリズムのなかで繰り広げられるメンバーの絡み合いが軽妙な、何周も聴いてしまうスルメ曲。制作にElements Gardenが関わる「Beyond the Night」はNightOwlにとっての次世代アンセムになり得るナンバー。紅蓮華ほかLiSAの多くの名曲や、アニソンからジャニーズまで楽曲制作を多数手がけ、最近卓球関係の仕事も多い(?)、草野華余子が作詞作曲した「melt blue」は、これまでNightOwl楽曲に少なかった恋愛に悩む姿と湿度のある情感を描き、新たな魅力を引き出した。
リリースイベント
今回のEPは初の全国流通盤!ということでタワレコ、HMVによるインストアのリリイベが開催された。(全部レポすると長くなるので紹介まで…)
ツアー日程
そして発表されたツアー日程は3周年記念日から始まる全5公演、ファイナルは代官山UNITとなっていた。
代官山UNITは、自分が初めて地下アイドル(ライブアイドル)現場へ足を踏み入れた想い出深いライブハウス。3周年の我儘ラキアがツアーファイナルを行った場所で、NightOwlも3周年のツアーファイナルを行うという縁が個人的にエモみを増した。
前特典会
さて、各会場は前特典会があるという…
ずんだ!?戦国!?
発表された各会場の前特典会囲みチェキの衣装にオタクは困惑…
(浴衣の福岡へ唯一行けなかったのが悔やまれる…)
そして、最初の告知では隠されていたファイナルの追加情報が解禁されると、ライブ映像が初Blu-ray化されることと、ツアーの想い出をまとめた写真集まで発売されることに歓喜した。NightOwlのライブ映像は、現在見られるのは5人体制時のO-WESTワンマンの一部内容のみなので、現体制の最新のツアーファイナル全編を見られるのはとても嬉しい。
EP ”ヨルニトケル” リリースツアー 開幕
8月23日 梅田CLUB QUATTRO 3周年にしてツアー初日
2022年8月23日、NightOwlは3周年を迎えた。振りかえっても楽な道のりではなく、つまずいては立ち上がることを繰り返して、たどり着いた満3年の記念日。
前特典会は私服。NightOwlの囲みは初体験だったので、ちょっと緊張(笑)
ライブは、EPの曲を中心にMCを挟みながら進む。
昨年の2周年ライブは大変なことになったので(冒頭の記事を参照)、その時みたいな事は起こらないとは思いつつもなにか気がかりで、変な汗をダラダラとかきながらステージを見つめていて、ちょっと集中できてなかったかもしれない。
最後のMCでは、いおぴから、これまであまり口にしていなかった「目標」、ファイナル代官山UNITのソールドアウトについての話がでた。
ツアー前に東京、大阪で開催されたプレイベントでも同様のことを話していたのが印象的だったが、改めて話されることで相当の覚悟が感じられた。
3周年を迎えたところで、このように目標や想いをしっかり口に出してフロアのファンに向けて話してくれたことが純粋に嬉しく、これまで「我儘ラキアの妹グループ」というイメージや、姉さんグループの強烈な個性のせいか、なんとなく伸び伸びと育って飄々とした印象を持っていて、MCもあまり芯の想いを伝えるようなことは少なかったように思う。また、対バンのステージの度に「次は○○にライブがあります!少しでも良いなと思ったら見に来てください!」とか「次のライブは大事なライブで動員が必要です!」的な事を言ったのも聴いたことがない。
「んな事をいちいち言わなくても、良いステージをしていれば、お客さんはついてくるだろう」という至極まっとうな潔いポリシーやプライドがあったのではないか。
でも、今回は違った、いおぴが3年間のことを振りかえり、人生を削ってアイドルをしている、もっと先へ行くために、と話したあと、緊張した声で「ファイナルの代官山UNITをソールドさせたいです」と言ったのだ。それまで変な汗をダラダラとかいていたのがスッと引いた。
※ちなみにこのMCの後、そんなシリアスに目標を掲げた後に、いおぴが豹変。
…という微笑ましいやりとりもあった。とはいえ個人的には"ソールドするといいな…"という気分で半信半疑だったような気がする。
終演後には、大きな声で「ここ(大阪)から、ツアー行ってきまーす!」と笑顔で伝えてくれたのが、なんだかとても誇らしく印象的だった。
この日のいおぴのチェキツイが見あたらず…。無事3周年が終わったということでホッとして投稿し忘れてしまったのか。
9月3日 仙台darwin ルールはルール
2会場目は仙台。
前特典会は”ずんだ衣装”とだけ書かれていた…その実態は、ホントにずんだだったw 黒いマスクをしていて髪も中に入れちゃってるので、もうチェキ上では誰が誰かわからない(笑)
そんな楽しく始まった仙台公演だったが、開幕SEから、客席から歓声が上がる。いおぴが「しーっ」てジェスチャーをするものの、その後も歌終わりや「ありがとう」と言う度に「ヒューっ」などの歓声が治まらない。
7曲目、incubateの最中に、いおぴが各メンバーになにかを話しかけている様子が見えた。曲終わり、あきらかに予定外のMCに入ったところで、ピリついた表情のいおぴが「ちょっと…ホンマに、声出しはあかんて」と悔しさとも苦笑いとも付かない表情で伝えた。
すかさず、りのんが「ちょっと怖いてw」「この人こんなん言って、気にしいなんで、またあとでクヨクヨするねん(笑)」とフォローする。
苦笑いでうつむく伊桜。憧ちゃんも「みんな、今日は声出しNGだからルールは守ってね」と笑顔で伝える。
場が落ち着いたところで次の曲へ。
聴いてください。「16進数の海辺」
…!鳥肌が立った。もしこのMCによる中断がなかったら、incubate〜16進数〜そしてmelt blueという素晴らしい流れが完成していたのだ。2022年9月3日の仙台におけるこのセトリは、この瞬間でしか表現できないものだ。それを崩さなければならなかった、いおぴの、メンバーの気持ちを想うとやるせない。
本当のファンならば、こんな状況を作って良いはずがない。
モヤモヤしたものが残ったものの、終演後特典会では、笑顔で話してくれたいおぴ。すこし悔しそうな表情を見せたものの、アンコールのふざけたMCのことや翌日のリリイベのことも楽しく話してくれた。
9月25日 名古屋ell.FITS ALL 戦国!?名古屋初のソールド
自分が行けなかった福岡公演を経て、リリイベやホムパを挟んで4公演目。
前特典会の衣装は「戦国」…。まさかいおぴは白塗りのバカ殿で来るのでは…?などの憶測がオタクの間に流れる。
また名古屋と言えば、NightOwlオタクにとっては有名な長篠設楽原PAにおける"夜梟の変"もあり…
甲冑姿では?憧ちゃんは弓を持っているかも?という噂も…
さて特典会に現れたのは、白塗りではなかったものの"殿"姿のいおぴと、忍者の憧ちゃん、剣士のかなちゃん、農民の(腰蓑をしてるから漁民では?という声も)りのん。
殿(伊桜)のオタクはもちろんその足下にひれ伏したのであった。
ell.FITSは小さめの箱で、ステージの距離が近くてとても見やすい。メンバーもフロアのリアクションが良く見えるのか楽しそう。
MCでいおぴはワンマンとしては名古屋を初めてソールドできたことへの感謝を伝え、3年前にデビューした頃を振り返った。
名古屋はNightOwlの本拠地大阪に近いけど、独特のライブシーンがあって、大阪で受けても名古屋で受けないということもあり、バンドでもアイドルでも関西エリアでは名古屋で認められるかが鍵になると言われているそう。
(たしかに名古屋本拠地のアイドルはユニークなグループが多い気がする)
ここまで、各公演ごとに感情が揺さぶられる場面があり、それらはいおぴのMCに起因していた。先に述べたように、これまで飄々としたMCも多かったNightOwlから、"目標"や"想い"といった言葉が溢れているのを見て、聴いて、今回のツアーは毎回胸を熱くした。
NightOwlが目覚め始めている。
代官山UNITソールド大作戦
名古屋公演も終わり、残すは10月10日ファイナル代官山のみ!ツアー初日に宣言した目標「ソールドアウト」に向け、NightOwlは10月3日からファイナルまでインスタライブなどで発信を続けることにした。
初回のインスタライブは、途中から"本当にソールドさせるにはどうすべきか?"という話になり、視聴してるファンの意見に目を通しながらメンバーが色々考えるという、「プロモーション戦略全体会議」の様相を呈した(汗)
ファイナル前日にはタワレコ新宿でリリイベが開催された。自分も他界隈のフォロワーさんにおすすめしまくるツイートやプレゼンをしまくっていたけど、会場で会ったオタクたちとも本当にソールドできるか?について会話していた。
いよいよ明日!と気分も盛り上がり、フォロワーさんと飲んだ帰り道でインスタライブ配信の通知。Twitterでは「あと10枚!」という投稿が…!
23:59の販売終了までのインスタライブ中、「ソールドしなかった時のコメントを準備する」と、いおぴの気弱な発言がでるほど、リリイベからの帰り道の車内の映像は少し重めの空気が漂った。
後席のかなちゃんから「あと4枚」という声が。いおぴもりのんも自分のカードを貸すから買って欲しいとか、憧ちゃんはデビットの番号を言いそうになる。
残りの4枚がなかなか売り切れないなか、オタクたちが一斉に購入リンクをリツイートする。残り32分、後席のスタッフから完売したらしいと聴いたかなちゃんがいおぴに「行ったって…確定…?」とささやく。「終わった?」いおぴがスタッフに確認する。
…(スタッフから"確定"という声が聞こえた)
「み"ん"な"ぁ"ぁ"ぁ"-!」いおぴが叫んだ。「ソールドアウトしましたぁーーー!」
(実際は入金流れ等があるかもしれないものの、表示上は完売)
放心状態で目を押さえるりのん。笑い泣きの憧ちゃん。「もうダメだ、映れない!」と横を向く伊桜。「コンタクト無くなったー😭」とりのん。静かにTwitterをチェックしながら涙ぐむかなちゃん。「もうエモ車や😭」りのん。泣き崩れて伊桜にもたれかかり"伊桜の女"になる憧ちゃん。ひたすら"ありがとう"を繰り返す伊桜。
最後30分の大逆転。
メンバーにとっても、オタクにとっても忘れられない瞬間。
10月10日 代官山UNIT ツアーファイナル
ついにやってきたファイナル。
セトリは以下の通りで、初お披露目の新曲"夜行迷路"はダンサブルで一気にフロアの熱を上げる、Be the one系のアゲ曲!中盤、観覧に来ていたかつてのメンバー、さくらに向けて「アンタのために届けるよ」と伊桜が言うと背景のライトが一斉に黄色く染まり、さくら卒業後から封印されていた"夜明け前"が解禁された。
ソールドアウトしたこともあり、メンバーもいおぴも心の底から思い切りパフォーマンスできたステージだったと感じる。
"ヨルニトケル"EPリリースツアー ファイナル@代官山UNIT 2022年10月10日 セトリ
SE3(曲名未発表)
1.ロンリー・ナイトパレード
2.Be the one
3.グッドナイト
4.夜想歌
MC
5.夜行迷路 (新曲)
6.La La Lullaby
7.暁闇
8.Daybreak
MC
9.夜明け前
10.Living my day
11.16進数の海辺
12.melt blue
13.Answer
MC
14.Beyond the Night
15.Feel Alive
16.All Night Long
en.
1.Dear, Night
これから届くライブ映像のBluーrayでたくさん想い出が補完されると思うので、ここでは簡潔にまとめる。
これまでのNightOwl3年間の集大成であり、「夜明け前」の解禁もあり、未来へ、この先へ、大きな一歩を踏み出した頼もしい姿を見ることができた素晴らしいライブでした。NightOwlを、いおぴを更に推して、応援していこうと気持ちを新たにした夜。
下記は、このnoteをほぼ書き終えたところで公開されたインタビュー記事。ツアーを通して感じて、今回書いてた事の答えあわせができて、とても納得の行く内容でした!
次の目標について彼女達がはっきり言えた時、きっと更に自信をつけた姿を見せてくれるに違いない。
ボーナストラック:10月15日〜16日 ギュウ農フェス2022 秋のSP
屋外!声出しOK!
ここからはツアー後のエピソード。だけど、とても印象に残ったステージのお話。ボーナストラック的なものです。
ツアーも終わり、一息ついたその週末に開催された秋のギュウ農フェスは、お台場、東京テレポート駅そばの空き地を利用した屋外フェス形式で、なんと「声出しOK」のアナウンスが…!
NightOwlは2019年8月のデビュー後、コロナ禍の2020年3月頃から活動自粛になり、ライブ活動再開後もこれまで声出しライブは一切行っていない。それが遂にギュウ農フェスで解禁される。
1日目はメインのイエローステージ。NightOwlの曲でMIX・コールしたことないよー!?でも、そんな些細なことは関係ない、いつものSE3で登場すると、Feel Aliveのイントロが流れだした。
伊桜が言う「今日は2年ぶりの声だし解禁。声聴かせてください!」
フロアが爆発する。
デビュー時のFeelの記憶をもとにオタクたちのMIXが唸る。
その後、Lullaby、夜想歌と来て、先日のファイナルでお披露目したばかりの新曲"夜行迷路"をブチこんできて、さらにフロアへ燃料を投下する。
伊桜のMC
「NightOwl…今日が約2年ぶりの声だし解禁です。一人一人の力で、乗り越えて取り戻して、迎えられた今日を、あなたと一緒に噛み締めて、あなたと一緒に喜び合える、そんな日にしたくて。あなたの声があって完成する、そんな曲を持ってきました。声、聴かせてくれますか?」
当たり前だろう!?と言わんばかりに大きな歓声が上がる。
「聴いてください…。Beyond the Night!」
再びフロアが爆発する。コロナ禍の2年間、幾つもの辛い夜を越えてきたNightOwlだから表現できる楽曲が、ステージで輝いている。
All Night Longで少し落ち着かせたあと、最後はロンリー・ナイト・パレード!メンバーもフロアも最高の笑顔と声援で応えたし、自分が体験した中でも史上最高なロンパレだったと思う。
いおぴはもう歓声にピリつく必要はないよ。だって、こんな最高な空間を一緒に作ることができたファンと一緒なら、どこまでも超えて行けるはずだから!
"真っ暗になって 何も見えなくなって
明けない夜に この存在が溶ける前に
輝かなくたって 君に届くように
ここで歌うよ 本当の僕になれるように
Live true to oneself.
響け響け響け 夜を超えて行け"
〜 Beyond the Night
NightOwlの楽曲は、様々な"夜"をテーマに描かれているので割と内省的な歌詞が多い。でも、この曲はそんな夜を超えて先へ行こう、という外向きの歌詞と勢いのあるアレンジ、今のNightOwlが向かおうとしているその先への想いが重なって、ステージを重ねる度に存在感を増していっている、俺たちのアンセム!