24時45分
なんとなく時計を見た。
日時で言えば、今日は昨日になったあと。
そういえば何も食べていないなと気付いた途端、お腹が鳴った。
誰が聞いているわけでもないと、頭ではわかっていても気恥ずかしさがするすると詰め寄ってくる。
少しばかりの元気を糧に、何かないかと冷蔵庫を漁る。
最近、定番と化しているローソンの冷凍チャーハンをレンジにかけている間、500Wで4分半。
この前、実家に帰った時に元自室から引き払ってきたイラスト集をパラパラとめくる。
彼の撮る作品に心を奪われ、最新作の発表があった日には試写会の応募先を探し当てて、おそらく誰よりも早く、彼と彼の作品を形作る2人の男女の作品への想いに耳を傾けたものだ。
それだというのに、この1冊を手にしたのは、おおよそ5年ぶりというのが実際なのである。
かつてあれほど熱を上げたものでさえこれだ。
おはようからおやすみまでの間に移りゆくよしなしごとに、どれほどの価値を見出すことができるのだろう。
久しぶりの再会に、少しばかり夢中になって読み進めたこのひと時でさえ、プツンと終わりを告げる。
幾度となく鳴っていたであろう、できあがりの音が、もはや鳴らなくなっていることを知ったその頃には、熱々で眼前に湯気をくゆらせるはずだった中華風味の米粒たちが、見る影もないしおらしい一皿に成り下がっていた。
この世には、あまたの娯楽にまつわる品々があるというのに、それらは決まって私たちがそこかしこにふわふわと漂わせている焦りと空虚ばかりをため込んで至極丁寧に置いて帰る。
言うなればログインボーナス、ならぬ、ログインナーバスである。
一緒くたに詰め込まれたその暗雲たちは、外に放り出したところで誰も持って行ってはくれない。
だから、こうしてなんでもないところに押し込んでおくほかなくなるのだ。
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🍀気づきと、希望と、キッカケと。🍀
2年間、教師ののちテストを作る編集部
学童、パソコン教室を経て、
ゲーム関係のカスタマーサポート。
「生まれたての感情を孵してゆく」
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