「学校の成績が競争によって伸びる」というまことしやかな言説をのりこえるために
3月はフリースクールの生徒も、進学や就職で社会に出てゆきます。
ここ数年、大学進学が増えて昨年は3人、今年も3人です。「フリースクールの子どもたちは競争できないのになぜ進学できるのですか」「メンタルが弱い子どもに学ぶ力なんかあるのですか?」と真顔で聞かれます。
「定期テストで、偏差値を上げてゆくことが、学習する力がある」と考える人が多い。学校の成績は学習の目的設定するよりも、テストを何度も繰り返したほうが成績が伸びると思っているからでしょう。
フリースクールで行っていることは、社会の中に横たわる変化や、構造を理解する。当たり前や常識に疑問を持つことです。やがて自分だけが理解していても、変化がおこせない事に気がつくとさらに深く知りたくなります。その結果、大学に進学してゆきます。
目的志向で学ぶのか、手段としての学習習熟度だけを見るのか?最近の学び方が、手段を重視する傾向にある事が、学校での学びに興味を失うこどもを増やしていると私は考えています。
日常の中にある事象から、本質を知ろうとする力(チカラ)が問われているのです。大きな視点や、小さな視点サイズを変えて物事を理解することも含めて、日常の中から課題を探る「目」を持つことが、子どもたちを社会につなげる一歩だと私は思っています。
しっかりとした、探究心があれば、受験勉強を続けることはさほど難しくはありません。探究心を育てずに、方法論としての受験のテクニックだけを磨いても本末転倒にしかならないのだと思います。
競争させることよりも支え合うこと。お互いに関心を持つことのほうが、はるかに教育には大事なことだと私は考えています。