見出し画像

アサーティブな生き方〜アサーション・トレーニング〜

みなさんは、急なトラブルに対して自分の意見を伝えつつも穏やかな解決ができていますか?

アサーティブとは、自分も相手も大切にした自己表現です。アサーティブな人は自分の人権のためには自ら立ち上がろうとしますが、同時に相手の人権と自由を尊重しようとします。

アサーティブな発言では、自分の気持ち、考え、信念などが正直に、率直に、その場にふさわしい方法で表現されます。

そして、アサーションとは「自他尊重の自己表現」という意味があるそうです。自分も相手も大切にするコミュニケーションなので、「話す」「聴く」の相互交流・相互作用が含まれています。

体外に素直な気持ちや考えを伝え合い、聴きあうという意味があります。


ここまで、読まれていて「そんなキレイゴトのようなコミュニケーションが本当にできるのか」と思われた方は大勢いらっしゃると思います。

たしかに、日常的に常にこの姿勢でいられたら「仏様」か「神様」か。この世のものではないのではないほど寛容な心を持っている人でしょう。

しかし、常に意識することでイライラをそのまま相手にぶつけてしまったり、自分の意見を過剰に引っ込めて表現する場を失ってしまうことを減らすことが出来ます。

私も実際に「相手に嫌な思いをさせずにどう伝えたらいいのか」という思考を巡らせる癖が最近ついてきました。

これはきっと仕事的に医療や福祉で働いているからかもしれません。

医療従事者や福祉で働く方は”精神労働”と呼ばれるほど、自身の感情をコントロールして接する仕事のため精神的な疲労を負いやすい職種でもあります。しかし、アサーションのスキルを身につけることができれば精神労働の負担も多少は軽くなり、仕事がしやすくなります。

日々、ストレス過多で心が傷んでいる人はアサーティブな考え方を取り入れてみて下さい。


言葉にしにくいとき、「非言語的アサーション」というものもあります。

非言語的アサーションは、大きく分けて①視覚的なもの②聴覚的なものとがあります。

視覚的なものは視線、表情、動作、姿勢、人と人との距離感、身体的接触の仕方、服装などがあります。聴覚的なものは、声の大きさ、話し方の流暢さ、速度、調子、明確さ、余分な音の有無、反応のタイミングなどがあげられます。

視覚的なアサーション要素

視線は、とても重要な役割をしています。非主張的な人(主張を抑えてしまう人)や受身的な人は視線を合わせることを躊躇します。下を向いたり、視線を外す事が多く、そういう人に対してじーっと目を見つめることは攻撃的な行為とも捉われかねません。相手が視線を合わせにくい人であれば、口元に視線を落としながらも相手の目を確認しながら会話をするとアサーティブな関係を取りやすくなります。

また、表情でも自分の気持と相手の気持ちを含めて表現豊かに主張してみるとアサーティブな表出ができるかもしれません。

聴覚的なアサーション要素

自分の声を聞いたことがありますか?どんな調子で、どれくらいの声の大きさで、スピードで話していますか?

一度自分の話している動画を見てみると「自分ってこんな声で話しているのか」と客観的に見ることが出来ます。

甲高い声や早く話されると気持ちが沈んでいるときにはかなりしんどくなりますよね。また、反対にウキウキしていたり高揚してるときにまったりと低い声で話されると気分は下がります。

相手やその場にあった声の出し方を捉えて使い分けてみるとよりその場に馴染めるようになるかもしれません。


現代ではIT社会になり、ネットの中だけでコミュニケーションをする人も増えてきているかもしれません。

しかし、社会生活をしようと思うと人間関係や直接のコミュニケーションなしで生きていくことは出来ません。

人間の生活にとって会話という行為はつきものです。また、それがない人生とはなんと小さく狭いものでしょうか。

その中が安心と思う方もいるかも知れませんが、一歩外に出てみると楽しいことも嬉しいことも溢れています。それをどうあなたがキャッチしていくかです。


ぜひ、みなさんもアサーティブな生き方を学び、自分も相手も尊重できる人になりませんか。

<参考書>『改訂版  アサーション・トレーニング―さわやかな<自己表現>のために―』著:平木典子氏