話をしたくなる人と話したくない人の違い
カウンセリングの技法にはいくつか種類があり、心理学者によって異なります。
その中には”来談者中心療法”というものがあります。1940年代に米国の臨床心理学者カール・ロジャースが創立した心理療法です。当初は「非指示的療法」、近年では「パーソンセンタード・アプローチ」とも呼ばれます。
とても基礎的なカウンセリングの技法で、医療に携わるもので知らないものはいないのではないかと思います。
その来談者中心療法を改めて学んでみたら、そこに「話したくなる人」と「話したくない人」の違いとなるような要素がありました。
来談者中心療法とは
実際にカウンセラーが実践している応答技術
「話したくなる人」の特徴
来談者中心療法とは
「相手に成長が生じるような非指示的な治療」と言われています。ロジャースはそれまで行われていたカウンセリング方法では、一時的なもので時間が経つと再び同じ行動を取るといいうことが度々あり、疑問に感じておられたそうです。そこで、自信の成長を目標として得られれば、行動変容が起こり、再度同じ悩みで苦しまなくても住むと考えました。
人は誰しも自分がどうありたいか(自己概念)と現実世界で経験することの食い違い(不一致)で悩んでると話されています。自分自身を問うて行くことで内在しているものを外在化し、不一致をできるだけ差がないようにしていく方法を見つけました。
来談者中心療法には6つの条件があるのですが、またそれは調べていただければと思います。
ここで重要とされるのは「共感的に理解する」「無条件の肯定的配慮」「積極的な傾聴」です。あくまでもクライアントの話を傾聴することで、現実の自分と自己概念の差を引き出していくのです。
実際にカウンセラーが実践している応答技術
傾聴といっても、単純に話を聞いているだけなら心理士やカウンセラーでなくてもできますよね。
「そうですよね」「〇〇なんですね(オウム返し)」「それは辛かったですね」という言葉を繰り返し使うことで一定、共感的な姿勢も見られますし、傾聴しているとも言えます。
しかし、それではその人の何かを変えることも気づきを得ることもないでしょう。
では、実際にどんなことを意識しているのかというと次の2点です。
クライアントの話しを聞く→理解する→(セラピストの解釈であっているか)確認する
クライアントの洞察、問題の分析、状況の俯瞰につながる応答をする
これら2点をすることで、しっかりとクライアントの話しを理解し、セラピストとクライアントの信頼関係も深まりやすくなります。そして、問題の分析や状況を俯瞰的に見ることにつなげていくことでクライアントが自信で気づいていく過程を作ります。
これらは、技術や経験が必要になるところかもしれません。
「話したくなる人」の特徴
あなたの周りにも「つい話を聞いて欲しくなる」「気づいたらずっと自分が話をしている」という人はいませんか?
その人はきっと自然に上記のような技術が使えているのかもしれません。
相槌を打ち、しっかりと話しを聞いてくれている様子がわかったり、時折「これはどういうこと?」と質問して理解しようとしてくれる。そういう姿勢がつい「話したい」という欲をかきたてられるのではないかと感じました。
反対に、「話したくないな」と感じる人というのは、話半分で聞いていたり、あまり関心を持っていない様子が伺えたり、質問もなく「そうなんだ」と返答する人というイメージが浮かびました。
そんな人に自分のとっておきの話はしたくないですよね。
自分が「頼られたい」「相談されたい」「慕われたい」と感じている人は、今の自分の話しの聞き方を見直してみてはいかがでしょうか。上記のポイントを抑えて話を聞いてみるときっと何かが変わってくるはずです。