号外:X11導入がカンタンすぎて腰抜かすの巻
今回もマニアックな話です。
X11(えっくすいれぶん、えっくすじゅういち)をご存知でしょうか?
まだWindowsがこの世になかったころから存在しているめっちゃ古いGUIパッケージで、X Window System というものです。
これ自体がずいぶんと面白いシステムなので、これも語り出すとキリがないのですが、今回は省略。
今回は、お仕事用サーバのリストア(バックアップを元に戻す作業のことね)の検証で、手元に仮想マシンを作成してその上でX11を動かす必要に迫られたため、渋々X11の導入をしたというお話。
X11は面倒臭い
これ、知ってる人はトシヨリだけでしょうが、1990年代あたりではX11というのは恐ろしく複雑でCPUを食うシステムの一つでした。
で、この複雑なシステムを自分のコンピュータで動かすのはかなりの大ごとでした。
特にX11をソースからビルド(全てのプログラムをコンパイルすること)するのは本当に大変な作業でした。
私がいじっていた時代はかなり恵まれていた(かなりカスタマイズが易しくなっていた)のですが、それでもいくつかのファイルを手修正して、コンパイルしてはエラーが出てその原因を捜しては修正を行い、というのを延々繰り返す必要がありました。
そもそも、ビルド作業には数時間(いや、一晩放置してた気がするから10時間以上か)かかりましたから、何時間か経ってからコンパイルエラーが出ると泣きたくなりました。
最近は、こういった自分の環境に合わせるためのカスタマイズ作業はほぼ不要になりましたから、若い方には意味がわからないと思います。
これは Configure というコマンドのおかげなんですが、ほとんどの方はよく知らないでしょう。
興味のある方はConfgure コマンドの構造を一度調べてみてください。かなり面白いですよ。
LinuxでのX11
さて、今回は最初に書いたように、X11を動かさないといけない事情があり、かなり重い気分でX11をLinux(Rocky Linux 9.2)上にインストールしました。
結論:
ウソ!いっこもトラブル起きひんやん。
いつの間にこんなラクチンなったん!?
これ飼い慣らしたビルドチーム、すげー。
もう、信じられんほど楽!
何もない状態からX11上でFirefoxが起動するまでに10分。日本語表示させるのにプラス15分、結局30分くらいで表示できてしまいました。
このカンタンさには腰抜かしそうになりました。
私のインストール手順
やったことは、dnf(旧yum)コマンドでのパッケージインストールだけ。
# dnf install xinit
# dnf install xterm
# dnf install xorg-x11-server-Xorg
# dnf install firefox
# dnf install motif
この後、X11の起動スクリプト(xinit)を実行するとX-Serverが瞬速で起動します。(昔は起動するまでに30秒くらい待たされた)
後は、起動したxtermで firefox を起動すると、これまたすんなり起動。
ナニコレ!という簡単さでした。
筆者が実行したインストールコマンドは上記の5つだけですが、実際には100個以上のパッケージが自動的にチョイスされてインストールされています。
この複雑な依存関係を解決してくれるdnfの仕組みもたいがいですが、これを丁寧に組み立ててメンテナンスされているビルドチームの皆さんには本当に感謝です。
すごい仕組みの構築とメンテナンスを本当にありがとう!!
ちなみに、上記だけではfirefox上で日本語表示ができません。
それだけは、RockyLinuxから離れて、IPAexフォント(このIPAはあの「独立行政法人情報処理推進機構)をインストールしました。
とはいっても、こちらもラクチン。
1. ZIPファイルをダウンロード
2. 適当なディレクトリ(私は/usr/share/fonts/IPA を作った)に展開
3. fc-cache -fv でそのフォントを認識させる
この3ステップだけで、firefox上で日本語も表示できちゃいました。
いやぁ、長生きはするもんですなあ。(笑)