今日の「CA読み」メモ: CiNii Research、次世代のメタデータ、地域資料と災害 他

●E2360 - East Asia Digital Library(EADL)β版公開と今後の展望
 https://current.ndl.go.jp/e2360
・「日中韓電子図書館イニシアチブ(CJKDLI)協定」「現在,EADLは,運営館であるNLKと参加館であるNDLによって担われている」
・「運営館は,システムの開発,運用,管理の責任を負い,また連携拡大のための契約締結を行うことができる。一方,参加館はデジタルコレクションのテーマ選定やメタデータと画像データの提供義務を負う」


●E2361 - 英・デジタル保存連合と「デジタル保存賞」の来し方
 https://current.ndl.go.jp/e2361
・「英国のデジタル保存連合(Digital Preservation Coalition:DPC)は2001年に結成されたデジタル保存に関する啓蒙普及団体」
・「資金提供者や社会にデジタル保存の意義を訴えていくには単独機関だけでは限界があり,技術的・組織的な課題の大半は共同して解決していく方が効率的・効果的である」


●E2362 - 第22回灰色文献国際会議(GL2020)<報告>
 https://current.ndl.go.jp/e2362
・「<font size=+1 color=#ff0000>あらゆるドキュメントは「灰色文献」として生まれるが,リポジトリにアーカイブするなど条件さえ整えばそれは「オープン(誰もが自由にアクセスできる状態)」になる</font>」


●E2364 - 学術図書館における電子書籍コレクション構築の動向(ACRL)
 https://current.ndl.go.jp/e2364
・「図書館は,利用者がどのフォーマットを好むかということよりも,入手可否・費用・収集範囲であるかどうかにもとづいて,紙の書籍と電子書籍を織り交ぜて購入している」
・「一方,日本においては,文部科学省による2019年度「学術情報基盤実態調査」のデータから算出すると,大学図書館の資料費全体に占める電子書籍購入費の割合は最も多い区分でも3%である」


●E2366 - JPROの書誌データポータルサイト「BooksPRO」
 https://current.ndl.go.jp/e2366
・「BooksPRO」は、出版情報登録センター(JPRO)による、書店の仕入担当向けに提供していた書誌データを公開するポータルサイト。
・「新刊書籍に対する登録率は89.5%(資料種別登録率:書籍(委託配本)94.5%)」
・書影の閲覧やためし読み、近刊情報や受賞情報、新聞広告情報などのメディアでの紹介情報、販促情報等。
・図書館での選書業務、レファレンス業務での活用も期待できる。


●E2367 - 新しい学術情報検索基盤「CiNii Research」プレ版について
 https://current.ndl.go.jp/e2367
・「論文や書誌,博士論文の情報を一括して検索できる」「新たに研究データや研究プロジェクト情報を検索対象とする」
・「<font size=+1 color=#ff0000>日本国内の研究活動の全てを一つの「CiNiiナレッジグラフ」としてまとめ、セマンティックな情報として公開していく</font>ための先進的な試み」。そのために、「論文や研究助成等の各情報の単体を等価の「エンティティ」と見なして,ノード間の引用等の関係性を線(エッジ)でつなぎ,グラフデータベースとして構築する」
・「外部で公開されている分野別データベースや海外の学術情報基盤ともAPI等で情報を相互にやり取りできるよう,標準化されたスキーマにメタデータを格納する」「スキーマは主にオープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)が策定しているものをベースとする」


●E2368 - 「次世代のメタデータへの移行」に関する報告書
 https://current.ndl.go.jp/e2368
・「2020年9月,OCLC Researchは,次世代のメタデータへの移行に関する報告書,“Transitioning to the Next Generation of Metadata” を公開した」
・「なぜメタデータに変化が起きているのか」「メタデータ作成プロセスはどのように変化しているか」「メタデータ自体はどのように変化しているのか」「これらの変化は図書館員の要件にどのような影響を与えるか」
・「個別資料に基づく記述からLinked Dataと識別子への移行」
-「「ID管理」は,現行の典拠コントロールに代わり,各種メタデータに対する横断的な名寄せを可能にする」
-「永続的識別子の導入は,文脈に応じた多様な名称の使い分け,さらに件名標目等の検索語の柔軟な更新をも可能にするため,更新を通じた情報検索分野における公平・多様性・包摂性の実現にも有効」


●E2370 - 英国図書館(BL)が展開する研究協力事業
 https://current.ndl.go.jp/e2370
 国立図書館の意義は”国立”であることだけだろうか、的な。
・「BLは自身のビジョンに沿いながら,研究支援・研究実践の双方で,コレクション・研究環境を活用し,さらにその価値を高める結果につながるような取組みを展開している」
・「日本の国立国会図書館(NDL)…研究に重点を置いた活動目標を掲げていない。しかしながら,コロナ禍の渦中に展開された「図書館休館対策プロジェクト」において,人文社会科学分野の研究基盤としての「NDLデジタルコレクション」への言及がなされるなど,2020年以降,日本においても<font size=+1 color=#ff0000>とりわけ若手研究者問題と関連して,国立図書館が研究に果たす役割</font>についての期待と課題をめぐる議論が高まっている」


●CA1994 - 動向レビュー:絵図・古地図のウェブ公開と差別表現への対応の現状 / 奥野吉宏
 https://current.ndl.go.jp/ca1994
 話しを止めるな、的な。
・「絵図をデジタル公開している機関側で多くは公開が無条件に善いものとして自己目的化している」
・「(MLA 側から)ウェブサイトでの公開について、考え方や基準は必ずしも示されていない」
・「現在のウェブへの公開の動きは、研究者の議論の蓄積を飛び越えた動きと捉えることができる。「差別」古地図とされた絵図が、研究者の知らないうちにウェブ上で見ることができるようになっていたという事例」
↓↑
・「<font size=+1 color=#ff0000>研究者による、適切な注釈や解説などをつけることで地名や絵図を積極的に出していこうとする動き</font>と、JLA自由委員会の「提供を行ないながら住民や当事者の意見を聞き、図書館職員の責任で検討し合意をつくるために努力する」との考えは、同じ方向性のものである」


●CA1995 - 動向レビュー:資料保存をとりまくネットワーク -災害対策と地域社会をめぐる動向- / 天野真志
 https://current.ndl.go.jp/ca1995
 最終的に、地域資料の意義と活用と連携、みたいな話につながっているところが、これは読み返すべき。
・「ネットワークによる地域の資料保存は、複眼的な社会観察を通して多様な地域像を見出し、それらの事象を継承するための新たな資料の発見につながる」
・「空間や専門性の横断を志向する広域ネットワークの構築」「「歴史文化資料保全の大学・共同利用機関ネットワーク事業」…国立歴史民俗博物館を主導機関として人間文化研究機構が東北大学・神戸大学と連携して推進する」
・2020年10月に国立文化財機構に設置された文化財防災センターは、「文化財防災ネットワーク推進事業」の基盤を継承
・「<font size=+1 color=#ff0000>連携を通して地域と「部外者」とが共に歴史文化を考える公共性をめぐる議論も提示され、地域における資料保存の諸相は大きな広がりを見せている</font>」

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