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210528FRI 赤い公園 THE LAST LIVE 「THE PARK」@中野サンプラザ

僕の人生において重要なバンドのひとつだった赤い公園が解散した。
好きすぎるが故に納得いかなくてそっぽ向いて聴かない時期なんかもあったりしたけどずっと聴いてきてよかったなと思うバンドだった。

1曲目、まさか「ランドリー」から始まるとは思わずにいきなりびっくりして、いざ始まってみると小出さんが津野さんのローズのストラトを弾いてるのを観ていきなり感情が昂っちゃって。ローズのストラトのお披露目ライブって確か広島でNCISのツアーにゲスト出てたときでその日のライブめちゃくちゃよかったなーとか思い出して沸いてきて。しかし小出さんがギターの名手ってのはずっと知っててもいざ初めて生で観るとちょっとしたフレーズだけでわかるくらい上手かったな。

そして「Canvas」からはキダ先輩も加わったツインギター体制で、アウトロのギターの絡みがほんとに素晴らしかった。
元々tricotが好きでそこから赤い公園を聴くようになっただけにそのキダ先輩がギターを弾いてて、それがかっこよすぎたことは堪らなく揺さぶられました。

そこからの「絶対的な関係」、「絶対零度」、「ショートホープ」、「風が知ってる」、「透明」、「交信」と続くゾーンがやっぱり印象的で(「ショートホープ」のアウトロはやっぱり素晴らしかった!)津野米咲のつくったフレーズをキダ先輩が弾いてることはほんとに色んな感情が溢れたな。。サポートが発表されたときのツイートにあったみたいにひとひとつ噛み締めて大切に演奏してくれたんだと思いました。ギターがシューゲイズしてるときはやっぱり堪んないし、特に津野さんが活動休止しているときにtricotがカバーしてセンパイが歌ってる動画を津野さんの誕生日にアップしてるのとかがあった分「透明」のギターをセンパイが弾いてるののは特別すぎた。。。

その後の「pray」もほんとによかった。堀向さんの鍵盤が優しくて、そこからの理子ちゃんの歌は『オレンジ/pray』のリリース時にくるりの岸田さんの言葉にあったようにほんとうに丁寧に歌い上げられていてほんとに素晴らしかった。

「衛星」、「Highwdy Cabriolet」、「YO-HO」と3人だけのゾーンがあったらのもとてもよかった。強力なサポートの3人がいながらも自分たちだけでもできることをやりたいという気概が伝わってきた気がします。この間にトミ子が出てきてたのもほんとによかった。

この後のメドレー部分で改めて感じたことがあった、2人のサポートギター、小出さんは見守るようにギターを弾くことに徹していて、センパイは3人と一緒にほんとに楽しそうに弾いてるのが印象的でした。2人とも愛だなぁ。配信観てて気づいたけど、センパイが「Canvas」で自分の出番になったときにショートホープを持ってきてアンプに置いてEN2の「黄色い花」終わったら自分で持って帰ってたみたいでそれも印象的だったな。

「KOIKI」、「NOW ON AIR」とアンセムが続いて「yumeutsutsu」はとにかくかっこよくて。
特にナウオンのラスサビ前、本来なら客席からもみんなで叫ぶ部分がそういうわけにもいかず、でも盛大にみんなが手を振り上げていたことはあまりに美しすぎた(配信は客席のカメラになってなかったけどパッケージ化するならそこは絶対に入れてほしい)。

本編ラスト前のMC。一人ずつからの挨拶は色んな感情が溢れちゃってやっぱり言葉にできないな。ひかりさんはやっぱり自由すぎるしうたこすはいいヤツ過ぎるしってそれぞれのいいところが出てる中で理子ちゃんが「ボーカルが変わることで戸惑った方も多かったと思う」って話してたのが一番印象的でした。そりゃそうだしその葛藤が理子ちゃんにあったこともそりゃそうとはいえこれを言葉にしてくれたことがボーカリストとして3年間でとてつもなく成長してきたこととかバンドがよくここまで持ち直してくれたなってこととかと全部重なってあぁやっぱり赤い公園が大好きだなと思いました。
そして本編ラストの「オレンジ」。やっぱ曲順、最後のMCの後にあったことも意味があったと思います。

解散ライブってなると、アベフトシがラストの「世界の終わり」で弦が切れてもひたすらカッティングを続けたミッシェルも、「OMOIDE IN MY HEAD」の前の向井秀徳のMCがあまりにも印象的過ぎたナンバガも、武道館で通路に人を入れてまでできる限りの人が観られるようにしたシロップも、映画版BECKから声がかからなかった恨みつらみをラストの「HIT IN THE USA」に乗せたビークルも、東京ドームを目指したが東京ドームシティまでしかいけなかったと言葉を残しながらアンセムの「the miracle」を2回もやっちゃうドーパンも、嘘つきバービー学というとんでもない遺産を最後にのこした嘘つきバービーも、脱退したくみこんが「シャングリラ」のドラムを叩きにきたチャットモンチーもそこでしか絶対に起きえないことが起きて歴史が刻まれていくんだよな。

そうやって先人たちが刻んできた歴史に、赤い公園そのひとつにって歴史に刻まれたのかなと勝手に思ってしまって、小出さんの「ロックは継承されていく」というところに収斂されていくのかなと感じました。
「俺はぜってぇバンドやめねぇからな!」って小出さんの宣言は、ベボベが大変な時期を超えて今の体制があるからこその自分への暗示であり、うたこす、ひかりさん、理子ちゃんへのメッセージでもあるような気がしました。紛れもなく伝説のMCだったと思います。

ちょっと話は逸れるけど、「ファン」という言葉が個人的にはあまり好きでなくて、なんだか全てのことに両手をあげて称賛しないといけない気がしてあんまり使わない。人じゃなくて作品で評価されるべきだし。でもそれならファンってなんだってなったときに、作品の価値以上に自分の人生に意味が生じてきた存在になったらファンになるのではないかと思ってて、間違いなく赤い公園はそう思うバンドのひとつで。そこにはもちろんゆうがたパラダイスの存在だったり、そこを通じて出会った仲間だっだり、メンバーの人柄もあったとは思うけど、何よりも津野米咲の作る楽曲の魅力がもたらしてくれるものなんだよな。

ラストライブに行くまではほんとに緊張感がすごくて、津野さんがギターを弾いていないということを目の当たりにすることには半年以上かけて通夜をしてきていよいよ葬式に参列するって感覚がどうしても強かった。実際に観てみてそういう感覚はもちろんあったけど同窓会であり卒業式であるようなライブだったな。
メンバーがほんとに楽しそうに演奏していたことや、アンコール3曲が「KILT OF MANTRA」、「黄色い花」、「凛々爛々」と多幸感の溢れる前向きでお守りな曲たちだったことはほんとにそんなメッセージだった。
よくよく考えてみたら解散ライブやらないバンドだって山ほどいるのにこんなに素晴らしいライブしてくれたなんてほんとに堪んないよな。

理子さんがボーカリストとして以前にましてさらに成長していたそと、ひかりさんがもつ独特の緊張感のなさがむしろ絶妙な言葉を紡いでいたこと、うたこすがやっぱりいいヤツすぎること、全部素晴らしかったな。キダ先輩がとても楽しそうに演奏してメンバーともワラワラ絡みながらステージにいるのをみるとやっぱり赤い公園のことが大好きなんだなということが伝わってきたことも印象的でした。

20才の頃に黒盤を聴いて撃ち抜かれてからかれこれ10年近く聴いてきて、この素晴らしい1日に立ち会えたこと、その一部になれたことを誇りに思います。
赤い公園が大好きです!!
津野米咲一生愛してます!!!

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