製薬x実消化システムとわたし


タイトルの通り、製薬業界の実消化システムとわたしについて調べてわかったことを書いています。

製薬会社によくあるシステムに実消化システムというものがあります。実消化システムを基点に、一歩ずつたどって見ていきたいと思います。

消化・実消化とは

消化とは、製薬会から見て、医薬品を売上計上する、在庫消化のような意味合いのようです。

実消化というのは、医療機関(もしくは薬局)に医薬品を納入することを指すようです。製薬会社と医療機関の間には、仲介役にあたる医薬品卸業者がいるケースが多く、その場合、実消化といえば、医薬品卸業者から医療機関(もしくは薬局)への納入のことを指すらしく、製薬メーカーから医薬品卸業者への納入については 一次消化 とそれぞれ呼びかたが区別されています。

実消化システム

医薬品卸業者の仲介の有無にかかわらず、どの製薬会社でも実消化データを収集、蓄積、管理する目的で実消化システムは必要とされているようです。
実消化システムでは、医薬品業界データ交換システム(JD-NETシステム)とEDI接続を行い、受注・実消化データなど様々なデータの送受信行うという業界スタンダードに近しい規格(仕様)があるみたいです。

EDI接続

受発注・出荷・請求・支払などの各種取引データを通信回線を通じて、企業間でやり取りする電子商取引の仕組みのことです。企業間でお互いの取引情報を専用回線(オンラインを含む)で接続し、自動化した仕組みがEDIです。

実消化システムが取り扱うデータ

- 卸の営業所
- 納入先医療機関
- 製品
- コード
- 名称
- 数量
- 金額
などがあるようです。

直販ビジネスと医薬品卸

システムの背景にあるビジネスを理解するため、直販ビジネスと医薬品卸の関連についても調べました。

医薬品卸は、 特定の製薬メーカーに偏らない中立的な立場から、1軒1軒のお得意さまニーズに最適な商品やサービスを提案・販売していく役割を持つようです。医薬品の適正使用、流行疾患などの情報に加え、医療機関・保険薬局の経営のお役に立てる情報をタイムリーにお伝えするなど、医療経営にまつわる問題解決もサポートする企業が見えます。

一方、製薬会社が医薬品卸 を介して医療機関に医薬品を納入するのではなく、製薬会社がインターネットで直接販売する直販ビジネスも存在します。メリットは、医薬品卸にマージンを払わずにビジネス展開できます。卸にマージンを払わなくて済む分、安売りすることが可能なのです。

しかしながら、厚生労働省による、医薬品の適正流通基準の整備、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の登場、製薬メーカーの規模が大きくない場合、全国に直販網を持つことができない、医療機関への入札要件など

様々な背景から、直販ビジネスが現実的でない製薬メーカー(もしくは、適さないケースも)もあるようです。また、ジェネリック医薬品の使用促進が始まると、直販では、十分対応しきれなくなったという医薬品の物流通課題にもつながる記述が見られました。

製薬メーカーにも、新薬メーカーとジェネリック医薬品メーカーがありますが、新薬メーカーは、独自の薬を作り特許で守られているので、価格競争が強く起きるわけではありません。そのため医薬品卸業者に販売を委託しやすい、一方で、ジェネリック医薬品メーカーはその限りではないという違いがあるようです。

最後に

医薬品卸を介した場合と直販ビジネスの場合とで、業界の各企業に必要とされるシステムが違ってくると思います。そのため、システムを構築する立場からは、気になることが多いです。

日本の医療課題的背景や、ウィルスの蔓延という時代背景的課題から、製薬業界のシステムに目を向ける機会は貴重。そんなきがします。
NTTのISNネット終了を2024年に控え、EDIの刷新も必要なことを始め、AWSを使った課題解決の機会も自分の身の回りでも出てくるのでは、とおもっています。

それでは。

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