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【定義付け】点に絡む

選手の課題(悩み)に “点に絡むこと” ということがよく挙げられ、それについて相談され一緒にデータを見ながら考えることがあります。

“点に絡むこと” とはシンプルで、【ゴールを決めること】と【アシストすること】という公式記録に載る行為のことを指します。

なぜ、 “点に絡むこと” が大事かというと、選手を評価するのに一番手っ取り早いからです。
この記事では、私たちが選手とよく共有する “点に絡むこと” の定義付けを数字を用いて表現していきます。(※あくまでも私たちの私見です。)


◉ シュートの距離とゴールの確率

・ペナルティエリア内でのシュート:14.3%
・ペナルティエリア外からのシュート:2.7%
・27m以上離れた位置からのシュート:1.4%

一目で明らかに、ペナルティエリア内でのシュート成功率が高いことが分かります。ゴールから遠ざかれば遠ざかるほど可能性は低くなり、ペナルティエリアの外から打つシュートは、100本打っても2.3本しか決まらないのが現実です。

グランドのサイズ


◉ ゴールの可能性とタッチ数

・流れの中ゴール(セットプレー以外)の約80%がペナルティエリア内でのシュート
・1タッチ(ダイレクト)でのゴールが約60%、2タッチでのゴールが約20%、3タッチ以上(ドリブルなど)でのゴールは約20%以下

流れの中での得点のほとんどがペナルティエリア内で打たれたシュートからうまれ、タッチ数は低ければ低いほど得点の確率が高くなります。
考えられるポイントとして、少ないタッチ(特にダイレクト)でのシュートはGKが反応しにくいという点が挙げられる。
現代においてGKの成長は著しく、タイミングが合ってしまったり少しでもコースが甘いと止められてしまう。

◉ シュート数と勝率

・相手よりもシュート数が多いチームの勝率:45%
・相手よりもシュート数が少ないチームの勝率:55%

EURO2004の優勝国であるギリシャ🇬🇷は、6試合すべてにおいてシュート数で下回りました。
2014ブラジルW杯の準決勝で開催国を7-1で破ったドイツ代表が放ったシュートは14本。対するブラジル代表は18本

考えられることは、シュートが少ないチームは自陣ゴール前を固めて堅実な守備からカウンターで試合をコントロールするという、現代の主流となるスタイルを用いているため、相手ゴールまでの距離が遠くシュート機会は少ない。しかしカウンターは相手の守備が手薄なため得点の確率は上がります。
それに対してシュートを遠くから打たされているチームは、攻撃がうまくいかずシュートを打たされている感覚に陥っている可能性があります。あとは、最後のパワープレーで数本上乗せされるということも考えられる。

赤チームのカウンターアタック


◉ ボールポゼッション率と勝率


・ポゼッション率が高いチームは、勝率34%・引き分け23%・負け43%
・2014ブラジルW杯の準決勝で開催国を7-1で破ったドイツ代表のポゼッションが48%、ブラジル代表は52%
・2018ロシアW杯で史上初めてグループリーグで敗退したドイツ代表の平均ポゼッション率は、大会第2位の67%を記録。

スペースがない現代サッカーでは、ボールを保持するスタイルより堅守速攻のスタイルを志向する方が勝率は高くなるということです。

◉ 1vs1の勝率と試合の勝率

・1vs1に多く勝ったチームの勝率:40%
・多くのゴールは1vs1を突破してからの得点ではない!

1vs1の勝利が勝敗を分ける場面(ペナルティエリア内での攻防など)もあるが、あくまでも1vs1は攻撃の手段であり上手く状況を生み出したり見極めたりすることが求められます。

強烈なウインガーは武器になるもそれだけが重要なわけではない


◉センタリングからの得点

・サイド攻撃からゴールが決まる確率:1.5%
・センタリングからゴールが決まる確率:2.4%
→1点取るために、46回のセンタリングが必要。

ペナルティエリアへの侵入は長い辺から行う必要が効率的


◉ 試合中に起こりうる現象


・全ゴールの約50%は、“偶然” に絡み合う
・ボールを扱うことの約30%は、思い通りにいかない


【考察】

上記のことから、“点に絡む” ために必要なことは、次の2点だと考える。

① ペナルティエリア内に1回でも多く侵入していけるか(特にペナルティエリアの長い辺からボールが入っていく際に)
② ペナルティエリア内で起こりうること(ボールが転がってくる位置など)をイメージし、自チームの分析からその再現確率を高め、少ないタッチでゴールに沈める

しかし懸念点もあり、プロであればコーチ陣の指示に従いチーム戦術を遂行しなければいけません。
立ち位置やそこに入るタイミング、ときにパスの出し先まで。
スタイルが確率されているチームならなおさら事細かに決まっていることが多いです。

そこで結論としては若干解像度は下がりますが、

【(タイミングを見て)戦術を無視すること】が “点に絡む” ために必要なことと考えます。


*参照記事:https://search.yahoo.co.jp/amp/s/soccertrainingmenu.com/knowledge-and-prejudgment.html%3Famp%3D1%26usqp%3Dmq331AQGsAEggAID