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「1ポジジョンだけで弾く! 11」 カルリ作品20番渋いイ短調アンダンティーノ



いよいよ11弾目まできました。

この作品は軽く優雅に歌うような演奏が求められます。

強弱記号について


sfz(スフォルツァンド)はこのフレーズ情熱的に表現してね という意味です。

最初のp(ピアノ)は弱く、ではなく、静かに始めましょう。

このように、音の強弱(音量)だけを考えるのではなく、

その背景や比喩を想像してみると、演奏の聴こえ方も不思議と変わります。


レとシの3度の重音


この作品は3小節目が練習が必要です。

レとシの3度は難しいのですが、ポジションの考えかたにより

驚くほど楽になりますので、前回の⑩を参考にしてください。

4小節目ではセーハが素早く登場します。

左手はポジションの原理原則「ひとつの指にひとつのフレット」

をいつも死守してください。


非和声音


右手は4和音が求められます。薬指を上手に用いましょう。

また、ド♯   レ♯  といった非和声音は強調し、次の和音に吸い込まれ戻っていくイメージを。

こういったところは リズムは長短格( ティーヤ)を意識すると良いと思います。


①の高いA音(5フレット)


左手はほとんど1ポジジョンですが、特徴は①の5フレット『A』が出てきます。

ここでは4の指がひととき拡張して5フレットまでいきますが、

コツは横型配置を崩さないことです。

新しい音ですが、少しずつ音域も増えていきますので、

今回はこの①の5フレットのAを覚えてしまいましょう!


書き出すと色々な要素がこの作品に出てきますが、

1ポジジョンだけの作品で音楽的にも内容が深まってきているのは流石。

カルリは古典の作曲家の中でも、かなり多作です。

まさに職人芸のような作品が、このあとも登場します。

それをしかも段階的に、初心者にも弾けるように案内するような流れ。

たくさん宝石なような作品を後世に残してくれていますので、

カルリの作品はたくさん触れて、楽しんで弾いていきましょう!


No.20 Andantino


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