【Apexエラー】「Callout failed due to timeout」エラーの解決策

2025年2月20日 11:35

SalesforceのApexコードで外部APIを呼び出す際に、「Callout failed due to timeout」というエラーが発生することがあります。このエラーは、APIリクエストがSalesforceの許容時間（タイムアウト時間）を超えても応答が返ってこない場合 に発生します。

本記事では、このエラーの原因と、適切な解決策について詳しく解説します。

1. エラーの概要

エラーメッセージ: "System.CalloutException: Callout failed due to timeout"
原因: 外部APIの応答がSalesforceのタイムアウト制限を超えたため、処理が失敗
影響: API連携が完了せず、データの取得や送信が正しく行われない

Salesforceのコールアウト制限

処理タイプ 制限値 同期コールアウトの最大タイムアウト 120秒非同期コールアウトの最大タイムアウト 120秒 1トランザクション内のコールアウト回数 100回

2. エラーが発生する主な原因

① 外部APIのレスポンスが遅い

外部システムの応答時間が長く、Salesforceのタイムアウト制限を超えてしまう。

② タイムアウト時間の設定が適切でない

HttpRequest の setTimeout() が適切に設定されていない。

③ ネットワークの遅延や障害

Salesforceのサーバーと外部APIサーバーの間の通信が遅延し、タイムアウトが発生することがある。

④ 非同期処理を適切に使用していない

長時間のコールアウト処理を同期処理（通常のApexコード）で実行していると、制限に達する。

3. エラーを回避するための修正方法

① setTimeout() の適切な設定

修正後のコード（タイムアウトを適切に設定）

HttpRequest req = new HttpRequest();
req.setEndpoint('https://api.example.com/data');
req.setMethod('GET');
req.setTimeout(120000); // 最大120秒に設定
Http http = new Http();
HttpResponse res = http.send(req);

改善点: setTimeout(120000) を設定することで、最大許容範囲までリクエスト待機可能。

② 外部APIの応答速度を最適化

外部システムのAPI担当者に問い合わせ、レスポンスを早くできるよう調整。
APIが不要なデータを返していないか確認し、レスポンスサイズを最適化。

③ 非同期処理（@future, Queueable）を利用する

修正後のコード（Queueable Apexで非同期処理）

public class CalloutQueueable implements Queueable, Database.AllowsCallouts {
    public void execute(QueueableContext context) {
        HttpRequest req = new HttpRequest();
        req.setEndpoint('https://api.example.com/data');
        req.setMethod('GET');
        req.setTimeout(120000);
        Http http = new Http();
        HttpResponse res = http.send(req);
    }
}

System.enqueueJob(new CalloutQueueable());

改善点: コールアウトを Queueable Apex で非同期実行し、時間制限の影響を受けにくくする。

④ 再試行（リトライ）処理の実装

修正後のコード（リトライ処理を追加）

public class CalloutHandler {
    public static Integer retryCount = 0;
    public static void makeCallout() {
        try {
            HttpRequest req = new HttpRequest();
            req.setEndpoint('https://api.example.com/data');
            req.setMethod('GET');
            req.setTimeout(120000);
            Http http = new Http();
            HttpResponse res = http.send(req);
            System.debug(res.getBody());
        } catch (CalloutException e) {
            if (retryCount < 3) {
                retryCount++;
                System.debug('Retrying callout... Attempt: ' + retryCount);
                makeCallout();
            } else {
                System.debug('Max retry attempts reached.');
            }
        }
    }
}

改善点: エラーが発生した場合に 最大3回までリトライ する処理を追加。

4. まとめ & Udemy・会社HPの紹介

「Callout failed due to timeout」エラーは、Salesforceが外部APIのレスポンスを制限時間内に受信できなかった場合に発生 します。適切な setTimeout() 設定、非同期処理の活用、APIレスポンスの最適化、リトライ処理の実装を行うことで、エラーを回避し、システムの安定性を向上させることができます。

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