「認知バイアス事典」を読んで
認知バイアスとは・・・認知心理学や社会心理学での様々な観察者効果の一種であり、非常に基本的な統計学的な誤り、社会的帰属の誤り、記憶の誤り(虚偽記憶)など人間が犯しやすい問題である。
よくわからない説明だがざっくり説明すると人間の脳が無意識のうちに偏った判断をしてしまっており、その偏りに自分の判断が左右されてしまっているようなイメージである。
本書ではその認知バイアスを60個説明している。
有名なものであればミュラー・リヤー錯覚↓
赤い線分の長さは同じにも関わらず無意識のうちに三次元的に判断してしまい、下の線分の方が長く見えてしまうという認知バイアス。
吊り橋効果・・・恐怖からくるドキドキが隣にいる異性に対しての恋愛感情だと錯覚すること。
認知的不協和・・・例えばタバコは体に悪いとわかっているにも関わらず吸ってしまう事から「タバコを辞めるとストレスが溜まる」など自分を正当化する事。
デジャヴュ・・・実際には見た事がないのに、あたかも過去に見た事があるように感じる現象。
などこれらの「認知科学的バイアス」が20個説明されている。
認知科学的バイアスを知る事でそういった状況下である他者を理解し、俯瞰した意見を検討することに繋がる。
またその他に「社会心理学系バイアス」というものも説明されており、
ハロー効果・・・どこか優れている点を見つけると、その他の点においても優れていると考えがちになる現象。逆に劣っていても然り。
ステレオタイプ・・・A型は几帳面だなど、個人ではなくあるカテゴリでまとめて判断してしまうこと。
内集団バイアス・・・自分の所属する集団をひいきすること。
などが例として挙げられており、これも20個説明されている。
私がこれを手に取った理由は単純に「なんか面白そう」の一つだけである。
ただ内容を読むにつれて認知科学的な側面や心理学的な側面もあり、人材業を営む私にとってはラッキーであった。
個人的には後半で述べた「社会心理学系バイアス」に関しては管理職を担う方に是非読んでもらいたい。
どうしても人間である事から部下に対して偏った判断をしてしまう事がある事は仕方ない。
ただこういったバイアスがあるということを理解することで、冷静になって考えて物事を俯瞰して判断できるのではないだろうか。
全く仕事の話を抜きにしても面白い本なので是非多くの人に読んでもらいたい。
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