公務員試験、筆記試験タイプは民間型が良い?、それとも……
1.はじめに
お世話になっております。公務員・教員採用試験の学習や受験の質問ができるアプリ「KIKIYASU」の運営事務局です(KIKIYASUについてはコチラの記事をご参照ください)。
「KIKIYASU」に寄せられた質問の中には、皆さんと共有することで、公務員の受験を検討している方のお役立ちになるものが数多くあります。そこで、質問者様の了解をとり、個人が特定されない形にして、その質問と回答の趣旨をお伝えしていこうと思います。本記事は、その第3弾(公務員試験用としては第2弾)です。
質問内容は「公務員が第一志望です。最近、民間就職試験型でも公務員試験が受けられるようですが倍率が高いとも聞きます。やはり、公務員試験型の筆記試験がおすすめですか?」というものでした。
確かに、試験形態が多様化すると、自分がどの形を選べばよいか悩みますよね。そこで、筆記試験の選び方について、3つの検討する方向性をお伝えしました。以下、それをNOTEでも共有していきたいと存じます。
2.検討の前提
筆記試験の選び方について具体的に話をする前に、前提をお伝えします。それは、選べない試験が本命なら、その「本命の試験種に従う」ということです。
例えば、裁判所事務官(大卒、一般職)が本命だとしましょう。この試験種は、2024年実施において、公務員試験型の教養試験と専門試験が課されます(恐らく2025年実施も変わりません、試験変更の発表がないからです)。
この試験が本命ならば、たとえ併願で民間就職試験型があったとしても、本命のための対策に励むべきですから、公務員試験型を磨いて、他の併願でも使った方が良いことになります(併願先の日程によっては本試験の腕試しにもなるからです)。
ということで、以下の検討の仕方3選は、民間就職試験型も、公務員試験型も選べるような試験種が本命だったり、本命がない(どこでも公務員ならOK)としてチャレンジする場合を想定したアドバイスとなります。
3.筆記試験の検討の仕方3選
(1)「筆記試験までの残期間×1日の勉強時間>300時間」か
最初に考えるのは、「筆記試験までの残期間×1日の勉強時間」です。
例えば、試験まで残り60日の時点で受験を決め、今日から1日約6時間は勉強できる場合、360時間ほどの学習ができます。
この計算結果が、例のように300時間以上ない場合、公務員試験型の教養試験を回避した方が無難です。この300時間くらいというのは、ネットでググれば分かりますが、大手予備校も提示する時間数だからです。
(2)自己の学力を振り返る
とはいえ、300時間以上あっても厳しい可能性がある方も正直います。特に、「算数・数学」の学力を思い出したときに、①小学校や中学校から「苦手」だった場合です。
ここでいう「苦手」とは、学校のテストで平均点以下を取っていたり、授業態度や提出物など学校の先生へ頑張っているアピールをしないと5段階評価の3以上はもらえなかっただろうなと思ったりしている方を想定します。
これに加えて、国語や英語の読解力にも不安がある方はさらに苦しい戦いになります。なぜなら、公務員試験型は、文章理解と数的処理という高校1年生までの数学知識も利用する科目で出題の半分があるからです(ちなみに、1次試験を通過するのは試験種にもよりますが、6割程度が求められることが多いので出題の5割に不安があるのは大変です)。
また、商業高校・工業高校など実業系の高校で、高校の社会系や理科系の履修が十分でなかったり、通信制高校等で履修の難易度が高くなかったりする方も、その数値が300時間に近いほど苦戦します。
上記のどれかに当てはまる場合は、500時間以上を見た方が良くなります。この確保が難しい場合は、民間就職型を選んだ方が無難といえます。民間就職型のSPIなども、それなりに数学的な知識は必要ですからね。
(3)自己の計画遂行力を吟味する
最後の検討の方向性は自己の計画遂行力です。
これは、自身のパーソナリティを鑑みて、計画倒れをしやすいとか、初志貫徹タイプだとか、短期間なら燃えるタイプだとか、そういうのももちろんあります。
ただ、それだけではありません。例えば、民間企業と併願しながら公務員受験をする方の場合、民間企業の企業分析、エントリーシート作成、説明会参加、面接などの実際の試験などが予想以上に入り込むことがあります。
社会人の方も、所属している会社の業務量が、試験期間までの間、ある程度計算できるのか否かを検討する必要があります。
つまり、何らかの事情で、(1)の目測に変動する要因が多いか否かも重要な要素となります。
当然、パーソナリティと変動要因を鑑みて、計画遂行力が低くなるほど、民間就職試験型が向いていることになります。
4.おわりに
3で述べた3つの方向性を考えていくと、割と結論が出てきます。
例えば、自分は「筆記試験までの残期間×1日の勉強時間が600時間」あり、「高校が商業高校で、国・英苦手で、理・社の履修も少ない」けど、「簿記3級をとった2か月は計画的にやれたし、試験までアルバイトが週2回と、大学の授業がゼミだけだ」から、公務員試験型を受けられるかなと判断ができるわけです。
ここで、「あれ?倍率は考えなくて良いの??」と思うかもしれません。これについては、次のように考えてください。
まず、公務員試験型の倍率は低いものの、それだけその試験種の学習をしてきた人と競うことになりますし、民間就職試験型は試験が易しいものの倍率が高いです。
したがって、あまり倍率に一喜一憂するより、公務員試験型なら自分が6割程度取れそうか、民間就職試験型なら7.5割以上は取れそうかと、自分との戦いに持ち込んだ方が有益な試験対策ができます。
その意味で、今回、自身の置かれている状況を3つの形で検討し、試験結果がでやすい方を選ぶことをお勧めしました。
なお、KIKIYASUでは、質問を繰り返すことを通じて、300時間未満でも教養試験を突破する方法だったり、ご自身の置かれ方に基づいた最適な学習計画を作成したりできるように使えます。学習内容だけでなく、そうした目的のご活用もぜひご検討ください。
アップルストア、プレイストアで発売しています。
ダウンロードはこちらからできます。
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それでは、また別の記事でお会いしましょう!