こどもが英語を始める適齢期とは?
適齢期はあるのでしょうか?
「何歳ぐらいから英語を始めればいいでしょうか?」これは最もよく頂く質問の一つです。これから国際化社会を生きていく子どもたちに、できるだけ有効な英語力を身につけさせたいと思うのは親として当たり前ですよね。
今回は英語学習の適齢期をどう考えればよいのか、書いてみたいと思います。
目標(将来像)のイメージは考えていますか?
まず、前提として目標をどう考えているのか。つまり、将来お子さんがどんな形で英語を使って活躍していくのか、具体的なイメージはお持ちでしょうか。
例えば次の選択肢なら、どれがみなさんのイメージにより近いでしょうか?
① 中学や高校・大学入試で英語を武器として活かし、受験で成功していく。
② 海外の高校や大学を卒業(または長期留学)し、国際的に活躍できる英語力を身につける。
③ 幼少期から英語環境で学び、バイリンガルとして英語を使って活躍する社会人になる。
私は、こうした長期的視野に立って英語の適齢期を捉えることが一番大切だと思います。子育ての途中で、世の中の変化や英語教育の改革などさまざまな環境の変化によって変わっていっても良いのですが、まずは現時点で情報を収集して、できるだけ長期的な視野に基づいて考えてみてはいかがでしょうか。
適齢期は長期的な目標から
といいますのは、例えば①と③では英語学習をはじめるべき適齢期もおのずから変わってくるのです。
仮に①と②があなたのお子さんに期待するイメージ、または目標なら幼児期から焦って始める必要はありません。小学生からで十分間に合います。ただ、小学生から始めた生徒と中学生から本格的に始めた生徒では、はっきり差がつきます。
この点は、気づいていない人が圧倒的に多いと思います。たとえば、私たちの教室では小学生低学年から始めた生徒は6年生で英検で言えば準2級レベルになりますが、特に読解力、リスニング力、発話力(Fluency 流暢さ)に関しては、中学から始めた生徒とは別次元の成長を遂げます。
理由はいろいろ考えられますが、一つには間違いや失敗を恥ずかしがらない低学年は音読トレーニングや発音矯正やネイティブの口や音を真似ても、楽しみながらドンドン吸収していきます。また、親の指示を素直に受け入れられる年代でもあるので、毎日のトレーニングが定着します。小学生の時にこうして日々積上げた英語力は圧倒的な差となり、中学では抜きんでたポジションをとれるようになります。
幼年期の英語習得の課題とは?
また、③が将来の目標、イメージである場合は、当然幼児期から国内ならインターナショナル幼稚園などで英語漬けの保育環境に身を置く形になると思います。帰国子女も幼児期を海外で過ごした場合は同じ環境なのですが、ここで注意すべき課題があります。
それは、幼少期に身につけた英語力をどのように維持して、伸ばしていくかという問題です。幼少期にいくらネイティブ教師とペラペラしゃべって日常会話ができていても、それはあくまでも幼児言語のレベルであり、そのままにしておけば、勝手に言語が成長して将来バイリンガルで仕事に使える英語力になるわけではありません。放っておけば帰国生の英語が帰国後1,2年で消えてしまうのと同じように、消えます。
ですから、③をイメージする保護者が考えなければならないのは、小学生以降の英語の保持・伸長の具体策です。それは、もちろん英会話ではありません。英語で学習活動を継続し、年齢相応に内容が成長していける仕組み、または環境です。
そこさえ押さえておけば、幼児期の英語教育も大いに意義があり、必ず将来に繋がるものになります。