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動物の問題の根本解決を目指す

獣医師になって約22年が経ちました。
16年くらいの間、個人開業の動物病院と企業動物病院で
勤務獣医師として、犬と猫の診察をしてきました。
今は西洋医学的な検査と薬を使わずに
獣医師/動物とヒトのセラピストという肩書きで
個人で活動をしています。

活動の目的は
「動物の(病気などの)問題を根本的に解決する」
といったところでしょうか。

現代西洋医学の主流であるアロパシー(逆療法)。
例えば、
熱が出たら下げる。
血圧が上がれば下げる。
血が出たら止める。
などがこれに当たり、
外科手術や精製されて作られた薬を使うことが多いのですが、
私はそれがとても苦手です。
→過去の投稿『西洋医学から手を引いたわけ

それでは私には一体何ができるのか?
とずっと考えてきました。
苦手なことを克服したところで、
せいぜい人並み程度になれば上出来…。
だったら得意なことに集中した方がいいと、
ようやく言えるようになったこの数年です。

それでは私は一体何が得意なのか?

私の得意なことは、
観察と分析。
それから、ことば遊び。
色々な物事を繋げて考えること。

この得意なことで動物たちに貢献するには、
ある症状や病気などの問題が「なぜ起きたのか」を
考えるために使うことです。

具体的にどう使うのかを、
犬さんが昨晩から下痢をしたとき。
を例にしてみます。

動物病院に受診すれば、
いつから、どんな下痢をしているか?
元気や食欲はあるか?
嘔吐はないか?何か変わったことはないか?
などの問診をし、うんちの検査をするでしょう。
さらに必要ならば
血液検査などもすることもあるでしょう。
大きな異常がなければ、
下痢止めを処方し、食事の注意などを説明し
家で様子をみてもらう。
というのが大筋の診療だと思います。

ペットホテルに預けたら下痢になった。
などと飼い主さんから申告があれば、
「慣れない場所のストレスですね。」
と獣医師が言うことも多いでしょう。

ペットホテルに預けた、ごはんを変えたなどの
わかりやすい理由があるならばいいのです。
では、特に飼い主さんに心当たりがないならば、
「原因はわからないけど、何かストレスだった」
という認識のまま過ぎていくことでしょう。

私にできることは「なぜ下痢になったのか?」
をうんちの検査でも血液検査でもない方法で
考えることです。
言い換えると、下痢をした数日以内に
「その犬さんの周りで何が起きたか」の
情報を集めることです。
ごはんの内容はもちろん、家の周りで起きたこと、
その子の家族である飼い主さんに起きたことなど、
犬さんの体のこと以外の情報も集めます。
そしてバラバラの情報を繋げて、
なぜ下痢になったのか?を考えます。

ペットホテルに預けたからといって
毎回下痢になるわけではありませんし、
どの子も下痢になるわけではありません。

預けられた理由も飼い主さんの心境もさまざまです。
飼い主さんが楽しみにしている旅行のこともあれば、
気が重くなる用事のためかもしれません。
自分たちは楽しい思いをするのに、わんちゃんを預けて
出かけることに気が引けているかもしれないし、
預けることにあまり抵抗感がない人もいるかもしれません。

たった数日で回復する下痢ならば
そこまで詳しく考えなくてもいいのです。

でも、預けるたびに毎回下痢だとしたら?
どうなのでしょう。
毎回動物病院に通いますか?
下痢止めを常備薬にしますか?

その下痢がなかなか止まらないとしたら?
どうなのでしょう。
多くの検査や薬が増えるかもしれません。
それでも原因がわからないかもしれません。

これが下痢ではなく、もっと複雑な病名だったら?
「なぜ起きたか?」
を知りたいと思うのは私だけなのでしょうか。

動物病院に通うな。
というのではありません。
動物たちは症状を出しにくく、
進行する時はあっという間です。
今の状態の悪さを改善するには、
検査や薬が役に立つことも多いのですから。

でも、血液検査やレントゲンや超音波検査検査では
悪くなっている臓器はわかっても、
なぜその臓器が悪くなったのかは教えてはくれません。

「なぜ起きたか」を知ることで、
動物と暮らす家族ができることは増えます。
ごはんの変更はもちろんでしょうが、
家族だからこそできることが
もっともっとたくさんあると思うのです。

だからこそ、
動物の病気などの問題を根本から解決するには
「なぜ?」を考えることが大切です。
























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