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『ペット』について

ヒトと共に暮らす動物たちを
『ペット』と表現しないようにしています。

私の得意なことのひとつが「ことば遊び」なので、
言葉選びには多少気をつけています。

ひとつひとつの単語より
どのように伝わるかが大事だとも思いますが、
言葉の持つ意味や影響を考えると
できる限り使いたくないなぁと思うわけです。

ついでに言うと「飼う」という表現も
あまり好きではないのですが、
今回は『ペット』という言葉について
私の思うことを書いていきます。

日本で当たり前に使われている『ペット』という単語。
・ペットショップ
・ペットフード
・ペットホテル
・ ペットクリニック 
などなど。
ペットの〇〇、ペットと〇〇する、まで挙げれば
キリがなく出てきます。

SNSのタグ付けでも「#ペット」が当たり前。
嫌いだと言っている私ですら、
目が留まりやすいようにあえて使うこともあります。

英語ではヒトと暮らす動物たちを
『friend』や『family』と言ったり
『companion animal』などと表現し、
『pet』という単語を避けることも多いようです。

海外の文化の全てが良いとは思わないけれど、
動物と暮らすことが上手な文化らしい表現だなぁ
と感じています。

動物を扱う業界もこの流れを踏襲するように、
数十年前から『Companion Animal=伴侶動物』
と用語を使うよう変更したはずですが、
全然根付いていません。
「伴侶動物」って言葉は言いにくく、
お堅い印象で、愛着感に乏しいからでしょうか。
結局は『ペット』という単語がわかりやすくて、
使い続けているのでしょう。

ではなぜ、私が『ペット』という単語が
嫌いなのか。

伴侶動物と呼ばれる前は、
『ペット=愛玩動物』と訳されて使われてきました。

愛玩動物…。
これらの漢字を若干の悪意を持って言い換えると
「愛らしいおもちゃ(玩具)である動物」
「かわいがるおもちゃである動物」
「動物は愛着のある玩具」
などとなります。

ネット上の辞書で「愛玩」と調べると
【かわいがること、いつくしみ楽しむこと】
とあるので、
優しい表現で言い換えるならば
「かわいがるための動物=ペット」なのですが…。

更に「玩」という漢字を検索してみると、
【おもちゃにする、遊ぶ、戯れる】
という意味なのだそうです。

なんだ。
やっぱり「おもちゃ」ではないか。
というのが、私の調べた結論です。

私には海外の友人が少しだけいて、
彼らや彼らの土地での動物との接し方と比べると、
日本人は動物との暮らしがあまり上手ではない
と感じています。
特に犬との暮らしが。。。。
多少偏った印象ではあるとも思いますが。
全ての日本人が、とはもちろん言いませんが
20年以上動物とヒトを観察してきた
私の率直な感想です。

その理由はもしかしたら
『ペット』という用語にあるのかもしれません。
動物たちをおもちゃと位置付ける言葉なのですから。

なぜ、犬や猫といった動物が
ヒトと暮らすようになったのでしょう。

ヒトが楽しむためでしょうか?
ヒトのおもちゃになるためでしょうか?
ヒトを癒すためでしょうか?

ある存在をいつくしむことは
可愛いと感じることだけでは成り立ちません。

多少の面倒なことも
後から考えると笑い話にできたり、
時には悲しみを感じることもあるものです。

動物と共に暮らすことは、
ヒトだけの暮らすだけでは得られない体験が
たくさんあります。

それはきっと動物たちも同じこと。

そう考えると、動物たちを
ペット(=おもちゃ)と表現することは
私にはできないのです。

とはいっても、なかなかいい言葉は見つからず
「ヒトと共に暮らす動物」
と表現するにとどまっている現在です。







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