【泊まれる複合施設をつくる⑥】まちの声からみえてきたやりたいこと #ANSHINDO
こんにちは!EFC.incの志水 陽平です!
みんなでつくるANSHINDOプロジェクトを始めるに至ったストーリーを、赤裸々に綴っていくこのマガジン。
ANSHINDOプロジェクトとは、北海道上川町の中心市街地にある元薬局(安心堂)の空き店舗を活用して、1階をフロントと貸しテナント、2階をまちやど(宿泊施設)、3階をシェアオフィスへと整備して運営するプロジェクトとのこと。
前回までの記事はこちらです!
2021年、僕と絹張と水口、自分たちがやりたいことと、求められていることが重なるタイミングで会社を立ち上げました。
今回は運営させてもらっている交流スペースPORTOから僕たちなりの『まちづくり』というものがようやくみえてきた話。
まちのためって誰のため?
外遊びを中心に活動してきたEarth Friends Campを上川町で会社にして、自分たちがやりたいタイミングでまちの交流スペースの運営の話が。
上川町役場からのコンセプトに大賛成して、交流スペース『PORTO』をつくってオープンしたは良いけれど、まちの交流スペースって具体的にどう運営していけばいいんだ...?
“まちのため”
その言葉はなんだか、やってあげているというニュアンスだったり、自分たちが外から見ているような変な感覚がしてしっくりこない。
かと思えば、自分たちだけが主体的になっていても、独りよがりで誰のためなのかわからないし、なんだか胡散臭い。
だからこそ、まちの人たちの声を集めることにしました。
でもでも、想像や噂ではなく、本人からのリアルな声を集めるのは案外難しいもので、『まずは来てみたい施設にして来てもらわなきゃ』と、イベントや、施設の仕組みを考え続ける毎日。
イベントは自分たちが主催して参加者をたくさん呼ぶのではなくて、主催者を増やして様々なコミュニティを引き込むように。
そして交流スペースというと何をしに来たら良いかわからないので、コワーキングスペースやショップ機能、月イチマルシェなど、来る理由をつくってついでに話していけるように。
そうやって頭を悩ませながら実践していると、ぽろっと話してくれる人が出てきました。
「これやってみたいと思っていたんだけど、どうしたら良いかな」
「あれがわからないんだけど誰か知らないかな」
話してくれたことが本当に嬉しかったし、ちゃんと自分たちのやっていることが響いたときでもありました。
「僕たちもやったことないですが、一緒にやってみましょう!」
「それあの人が実は詳しいらしいですよ!」
声があがったら形にしよう。
小さいまちでも交わり、繋がり、共に過ごし、共に創ることを通じて、より良い地域コミュニティをつくっていこう。
それを積み重ねることがPORTOができる ”まちのため” なのかもしれない。そう思い始めてきました。
まちの小さな声を形にしていく
声を形にするために人と人をつなげたり、実現まで伴走する。
そこでまた声をあつめる。
それを続けていると、少しずつですが、色んな声が形になってきました。
「できないと思っていたこともできるんだ」となったり、「PORTOに言ったらなんとかなるかもしれない」など嬉しい声をもらっています。(もちろん悩みや課題もたくさんありますが!)
そしてPORTOをオープンして2年目あたりから気になる声が出てきました。
「上川でお店を開いてみたい」
「上川町に住んでみたい」
PORTOのコンセプト通りだとすると、本当に色々な活動につられるように二次的に人が動いているのかもしれない…!
でもでも!それらの言葉の後に必ずと言って良いほど続くのが「良い物件さえあれば」というもの。
かと思えば役場の担当者からは「空き家が増えて困っている」という声
物件が余っていて住みたい人がいるなんて好都合!そしてこのふたつの声を僕たちPORTOが繋げられそう!
ただ、ただ本人たちを繋げても空き家は良い物件とは限らないので、根本的な解決にはハードルが高そう。どうしたら良いだろう...
「住みたい」という声と「空き家をなんとかしたい」という声
だったら空き家をリノベーションして良い物件にしてからつなげよう!
”空き家をリノベーション” 単純に考えることはできても、どうやってリノベーションするのか、そしてその空き家をどう欲しい人につなげるのか。わからないことばかり。
自分のまちで豊かに暮らしたい人、挑戦しようとしている人が「物件がない」ことを理由に諦めなくてもいいようにするために、実際にやっているところの話を聞いてみよう!と空き家活用の勉強会をPORTOで行いました。
空き家改修に向けた手続きや改修事例の共有したり、まちを歩いて現在空いている空き家は改修できるのかどうかを見学したり。
そしてこのとき実際に空き家を掘り起こすことにも成功しました。
エリアリノベーションができるのかも!
そして、同時期にPORTOだけではなく、空き店舗を改修した店舗が増えてきて、店舗に行くだけではなくて、店舗たちを目指して上川に来てくれる人が増えていたり、実際にまちを歩く風景がチラチラと見えるように。
空き家や、空き店舗を改修することによる地域の変化の可能性も見えてきたのです。
これが噂のエリアリノベーションなのか…?
その本質を知るべく、空き家改修から地域を変えているReBuilding Center JAPANさんに講演を依頼するとなんと引き受けてくれることに。
まちの人たちみんなが自分事として空き家活用に向き合うようになって、地域の未来を考え始めるようになれば、きっと空き家は使いたい人へとめぐっていく。そしてその1件のまわりからまちは変わっていく。
エリアリノベーションのあれこれはもちろん、やっていること全てに感銘を受け、「これは僕たちにもできるのか...」と。でも東野さんたちは大丈夫!みんなならできる!とあっさり笑い飛ばしてくれました。
まちづくりだろうがエリアリノベーションだろうが、相手を想い行動すれば、次第にまわりも動いていく。そんな身近にある本質をドンと教えてくれたような、エンジンがかかったような一日でした。
「あの空き店舗がこんなお店になったらいいのにな」
「うちの空き家なんとかしてほしい」
「このまちでなにかやりたい」
まずひとつの事例を起こすことができれば、あちこちで同じ動きがでてくると考えています。
1件の空き家を改修したら、新しい景色が見えてくるかもしれない...!
その”かもしれない”をやってみようと思い始めていました。
とはいえ、自分たちの問題も山積み。
PORTOをどうしていくか、会社のことだけではなくメンバーそれぞれの仕事もある。それらに手と頭を使うので精一杯。
ビルを買って景色を変える、その時がこんなにも早く来るとは思っていなかったな...
まちづくりという表現はおこがましく、つかいたくないけれど(伝わりやすいのでさらっと使ったりするけど)、絹張にキャンプのようじゃない?と言われしっくりきました。
まちをひとつのキャンプと見立てると、火をおこす人、テントを立てる人、これを持ってきたよ、あれが足りないから取ってくるね、役割はそれぞれだけど、みんなで良い空間をつくっていく。
そんなみんなで与えあうようなことをやっていけば豊かな暮らしが続いていくじゃん!と思っています。
上川町のまちづくりを一緒にしていただける事業者様を募集しています!
ANSHINDOプロジェクトはただ廃ビルをリノベーションして複合施設をつくるだけではありません。
移住者や新規開業でお店も増え始め、さらにインバウンド需要も回復してきて、海外からの旅行者も増え始めている上川町。
暮らしに近い中心市街地に新たな観光の拠点となる複合施設としてANSHINDOを整備することで、上川町全体の魅力を底上げすることに加え、各店舗や町内で動き始めている様々なプロジェクトと掛け合わせながら、中心市街地の活性化や、層雲峡温泉街への誘客にも繋げ、持続可能な観光のまちとしてさらに進化することを目指しています。
地域の暮らしと自然、そして上川町の基幹産業である観光をつなげて、住んでいる人も訪れる人も楽しく過ごせる町にしていくために、共に上川町の新しい景色をつくっていただける『まちづくり・地方創生』に関心のある事業主様を募集しています。ANSHINDOにテナントとして入ったり、ソフト事業として関わったり。まずは下記のフォームからお気軽にお問い合わせください!
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