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なんとなく調子が良いから移住を考えてみた。④行ったり来たり編|#くらすように遊ぶマガジン


EFC Inc.公式note「 #くらすように遊ぶマガジン 」は、私たちとともに遊び、はたらき、くらしている仲間たちの「生き方」を紹介する「ライフスタイルマガジン」です。
このマガジンを通して、読者のみなさんがこれからの生き方や「豊かなくらし」について考え、アクションを起こすきっかけにしていただけたら幸いです。
▶︎https://note.com/efc_hokkaido/m/m4c083103d0e9


こんにちは!上川町への移住準備中のはるなです。くらすように遊ぶマガジンの連載を書かせていただき、なんともう4話目になりました。
自分の「好き」「心地良い」をもう少し大切に暮らしてみたいと考えた私。層雲峡ホステルでのヘルパー期間を通して、仕事や暮らしへの考え方が変化していきました。そして、上川のまちの方々や自然を少しずつ知ることで移住したいと思うようになっていました。

暮らしと仕事のフルチェンジ。

移住計画のスタートである「生活を最優先事項にしてみよう」と考えた時に、1年後に職場を変えようということも実は決めていました。

病院で働く看護師としての王道ルートを一段階やり切った気持ちもあったし、生活を最優先にしたら私にとってはこれからも続けられる環境ではないと思ったから。
いや、むしろ「夜勤はやっぱりしんどいんだよな」「しょうがないことだけれど、今の職場で働き続けるにはどんどん嫌いな自分が増えていくな」みたいなモヤモヤが出てきたことも自分の人生を考えるきっかけの1つだったのだろう思います。

そんな気持ちも整理して、暮らすことを楽しみながらやってみたいことを全部やるには「上川で暮らして、PORTOで働く」というプランが1番という結論になりました。
今考えてもかなりの欲張りプラン…!
仕事と暮らしをフルチェンジという大掛かりなことなのだけど、どちらも変えたいというより「全てひっくるめた私の生活としてやりたいことがこうなった」という表現が1番近い気がします。
おばあちゃんになった時に「楽しそうだから、上川行ったのよ!」っていう人生も悪くなさそうと思ってしまったわけです。

ワクワクしている自分を信じてみる。

信頼している人たちにたくさん相談もしました。
かなりの確率で「話している春奈、すごく楽しそうだから、絶対行った方がいいよ!」と言われる。
確かに自分でもこんなにワクワクしている自分は珍しいと思う。
お金や安定より、そんなワクワクしている今の自分の感情を大切にしないと、きっと後悔する。
もちろん「大丈夫?」「大変じゃない?」そんな反応もありました。
当たり前というか、もっともな反応。それでも、やっぱり気持ちは変わらなかったので「PORTOで働かせてください!」と連絡してみました。

私は、何がしたいのか?

そしてPORTOで働きたい旨を連絡して、PORTOを運営しているEFCの絹張蝦夷丸さん(ばりさん)、志水陽平さんとお話をさせていただきました。
層雲峡ホステルでヘルパーをしている時からPORTOでの仕事に興味があることは伝えていたし、ありがたいことにEFCとしても前向きに考えてくれていたので、面接というよりPORTOの詳しい業務と働き方、上川の生活の話をしてあっさり転職が決まったのでした。本当にありがたい限り。

ギクりとしたのが「PORTOで何がしたい?」と聞かれたこと。
そんなことを全然考えていなかった自分を反省しました。
ただこの時、自分なりの言葉で、こんなことをお二人に伝えました。

「"つらい"ということを誰かに話しやすい環境だったり、それを乗り越える方法を新しく発見できたりする環境がある暮らしを目指したい。そのために、当たり前だけど実は大変な"穏やかな暮らし"のお手伝いができたらいいなと思っています。それができれば、EFCが行う事業やPORTOみたいな場所が、地域の人たちにとってのガス抜きにもなって、新しい発見もできて、今よりもさらに必要とされる存在になっていくんじゃないかなと思います。」

実際にはもっとふわっとした言葉で伝えていたと思うけど、お二人にこのことを話してみて、これこそが今もこれからも仕事をする上で大切にしたい自分の軸なんじゃないかと気がつきました。
ここはこれからもっと深掘りしていく必要がありそう。

そしてこの日、転職と同時に移住マガジンを書くことが決まって今にいたります。
札幌と上川の行ったり来たりを繰り返して、マガジンを書きながら気持ちを整理することで「やっぱり違うまちにします!」ってなる結末もあり!とかなり寛大な心でこのマガジンに取り組ませてもらうことになりました。

この日から心が動いた大切な日や瞬間は写真にも収めたいと決意するのでした。そんな日の帰り道。

秋編:田舎暮らしは奥深い!

秋冬は実際に移住するための準備期間になりました。
私の場合はお菓子作りが好きで層雲峡ホステルのマルシェのお手伝いとしてまずは上川にまた来ることになりました。
自分の好きを1つ行動に移したら形になって、喜んでくれる人がいる。
「モノを売る」ということを考えて、これもかなり学びになりました。

層雲峡ホステルマルシェの1日

マルシェに参加させてもらったことも含め、上川町や同じく地方で働いている人たちと少しずつ一緒にお酒を飲んだり、お話をさせてもらう機会ができました。
これは本当に巻き込んでくれたみんなのおかげ。本当に寛容な人たちが多い。知れば知るほど愉快で優しい人たちがたくさんいるんです。

そして、今まで知らなかった仕事や働き方をしている人たちがどんどん湧いて出てくる。
みんななんだかかっこ良い。そしてみんなやたら忙しい!
でもよくよく話を聞いてみれば、みんな迷ったり悩んだりする普通の人間だった。
だからこそあっちのまちとこっちのまち、仕事で協力したり、ふらりと遊びに行ったりするようです。
とはいえここは北海道。移動で片道2時間はざら。
そしてなんでも揃う大都市ではないので自分たちで協力しながらあれもこれもやっている。それは決して楽ではない!

層雲峡ホステルと上川町に関わる皆様と。

上川町に通うようになり、気が付くと秋になって、上川町でのそんなネットワークや暮らしが少しずつ見えてきました。
やっと、「あのまちにもこんな人たちがいる!」「こっちのまちにも行ってみたい場所や面白そうな人たちが!」みたいなことがわかってきました。
私はここに住みたい!と思って上川に移住を決めたけれど、よくよく知っていくと確かに住んでみたい場所が今になってたくさん出てくる。移住先を迷うというのはさらにいろんな場所を知るからこそできることなのかもしれません。

やっぱり札幌も魅力的。

豊平川の河川敷。あたらめて散歩をしてみた朝。

PORTOで働くことが決まると毎日の視点が変化して札幌での生活も少し変わりました。

カフェにいくだけでも発見がいっぱいだったし、自分の好きをたくさん知ってることがこれから必要になりそうだと思うと、なんだかダラダラ過ごしていた毎日も一段階ギアが入りました。
今までは「おしゃれだなー」で終わってたカフェも「なんでここは居心地がいいんだ?」と考えたり、「私はこれが好きだな」「こんなものがおいてあったら嬉しいな」と脳内が忙しい。
改めて好きなところに行ってみたりもして、生まれ育った札幌もやっぱりいい街だなと発見し直すことができたことも、移住を決めてよかったことの一つです。

冬編:家探しと助け合い。

そんなこんなで冬になりました。時が経つのはあっという間…!
ついに家探しです。これがまた大変でした…

なんてったって上川町には不動産屋さんがありません。ネットで「上川町 賃貸」と検索して出てきたアパートは1箇所のみ。
あとは、大家さんに直接聞いたり、役場に空き物件を聞くらしい。
どうやらこれは田舎あるあるのようです。

私は運良くお部屋が見つかったのだけど、本当にいろんな方に助けられました。
お金を払えばなんでも誰かが代行してくれる便利な世の中だけれど、不動産屋さんがいないだけでこんなに人と人が繋がっている必要があるのかと大発見です。

とはいえ、人と人で繋がっているとやっぱり大変なこともあります。
正直気を遣ったり、お互いの立場があったり、面倒なこともあります。
それでもこの土地で暮らしていくためには、それぞれの人たちと向き合うことが必要になります。
だからこそお家が見つかったし、いろんな人とお話しする機会もできました。
不便だからこそ、いや便利な世の中であっても「助け合い」は大切にしたい。
そんなことに気付かされた冬です。

そんなこんなでもう引っ越し時期を決めるシーズンになりました。
上川町に行くたびに発見があります。
夏より秋、秋より冬。確実にお話できる人が増えたし、いいところも悪いところも知ることができました。冬になっても、やっぱりまだもう少しこの町に住んでみたいという気持ちは変わりません。

PORTOでは秋冬に少しずつお仕事をお手伝いさせてもらったり、イベントに参加させてもらったりしました。
一緒に働くことでやっとみんながいろんなスキルを駆使した上でPORTOが成り立っていることに気づき始めます。そんな焦りが出てきたのは冬になってから…笑
移住を考えるというよりは「自分は何が好きなんだろう?」とか「何を優先したいんだろう?」と、自分と向き合うことばかりの移住準備期間だった気がします。

次回はついに最終回!
上川移住とPORTOで働くための決意表明と今思うこと。

ライター/中川春奈
編集/絹張蝦夷丸(EFC inc.)
カバーデザイン/梶日菜子(EFC inc.)


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