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日常の中の非日常をみんなと楽しんでいたい。上田千尋ちゃんインタビュー

「高校生の“わたし”に贈る一冊」というテーマで本を選ぶ。それを京都の高校生に宛てて贈る。

11月に行ったイベントを行ってから、好きな本ってその人らしさが出るなぁとしみじみ感じています。

今回は、本からはじまるインタビュー企画・「この本を好きなあなたが好き」第3回を行いました。

お相手は、社会人1年目のポジティブ女子・上田千尋ちゃん。

みんなが好きであろうあのキャラクターの本を送るまでの経緯や、高校生時代の思い出から今のことまでを聞いてみました!


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【上田千尋(うえだ・ちひろ)】エンタメ業界で頑張る社会人1年目。ドラえもん会主宰。たくさんの人と関わることが大好き。誘われたら必ずのってくれるポジティブ女子。「ちっぴ」の愛称で親しまれる。一家に一ちっぴ。


人とかぶらなくて、気軽に手に取って読める本を贈りたい

気づいたときにはもうドラえもんの漫画を読んでいて、ドラえもん会を立ち上げてしまうくらいドラえもんが好きだと話すちっぴちゃんが選んでくれたのは、『おとなになるのび太たちへ ~人生を変える『ドラえもん』セレクション~』

この本を選んでくれたのには個人的に納得感しかなかったのですが、選ぶまでには紆余曲折あったそう。


ちっぴ:紹介したい本はいっぱいあったんですが、まず「人とかぶりたくない」と思っちゃって。一緒に贈った「言葉の企画」の人たちは読む本がけっこう似ているので。贈りたい本はほかにもいっぱいあったんですけど、「これ贈る人いるやろな」と思って、ドラえもんに頼りました。

ゆこ:「かぶりたくない」が一番にくるの?意外!

ちっぴ:あとは、高校生って本読むかな?あんまり読まない子もいるなと。マンガがあると、手に取ってくれるかなと思ったのもありました。憧れの職業についている大人が選んだドラえもんのマンガを1話レコメンドしている本だから、1個1個も短いし、気軽に読めるのかなぁって。わたし自身、高校生の時そんなに本読まなかったですからね。年に数冊くらい。

ゆこ:一緒に贈る人たちと、受け取る高校生のことを考えての選書…親切だなぁ。

ちっぴ:この『おとなになるのび太たちへ』自体が高校生とか若い世代に向けての本。わたしはもう就職もしたけれど、もうちょっと早くに読んでおきたかったなぁと感じました。だからこそ、大人になる前の高校生たちに読んでほしいです!


お誕生日がドラミちゃんと一緒。小学校低学年の頃、はじめて買ってもらったマンガがドラえもん。タイトルを聞くだけでどのひみつ道具の名前が出てきて、どんな展開でどんな結末になるかもすぐに出てくるくらい読み込んでいるというちっぴちゃん。


ちっぴ:いつから好きか分からないくらい、ドラえもんと一緒に育って、ドラえもんと一緒に生きてきました。言葉とか、昭和の文化とか、ドラえもんからは学ぶことが多かったです。
夢があって、可能性を否定しないところがすき。こんなことあってもおかしくないよねって。こんなのあったらいいなぁっていうのが日常生活の中にあるところとか、ちょっと特別なところに憧れたところがあります。


止まらないドラえもん愛、伝わってきました。


巻き込まれる一番近くで。たくさんの憧れにチャレンジしていた高校時代

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ゆこ:本はあんまり読めなかったと話していたけれど、高校生のときはどんな子でした?

ちっぴ:やりたいことを何でもやってるタイプでしたね。中高一貫校だったので、部活は中学校からバスケをずっと続けていました。高校生になったら自由度があがって、受験勉強もするけど文化祭でバンドやったり、音祭っていう衣装から作って歌いながら踊る行事にガチで参加していたりしていました。

ゆこ:やってたことがかなり幅広いけど、いっぱいやりたいモチベーションって何だったの?

ちっぴ:何だろう・・・憧れてた、かも。文化祭で先輩たちがバンドやってて「めっちゃ楽しそう」「楽器やりたい」とか。バンドがしたかったからギターはじめました。

ゆこ:ギターって、やりたくてもちょっとやそっとじゃ弾けないよね?

ちっぴ:だから、バンドでやるって決まった曲を練習して。友達となにかやるのが好きだったんですよね。バンドもだし、クラスで一つのものをつくりあげるとか、バスケもチームスポーツだったし。大学ではじめたよさこいも、原点は「人と一緒につくる」だったのかなぁと。


「大人数で何かをつくりあげるのが好き」はちっぴちゃんの大きな特徴。

大人数の中ではその場その場で必要に応じて自然と立ち回ります。全体を見て瞬時に判断して動けるのは、バスケ部でポイントガードをしていたという話とも結びつきました。

そんな中でも一番しっくりくると感じるのは、誰かの右腕でいるくらいのポジションなのだそう。


ちっぴ:みんなを引っ張っていくぞっていうのは得意ではなくて。何かやりたいっていう人の、一番近くにいたいなと思ってます。
もともとは何かしたいって一番最初に言い出すタイプだったけど、小学生くらいの頃から怖くなってあんまりしなくなりました。自分だけが思っていたらいやだな、自分だけやったらどうしようって。だからこそ、真ん中になる子がいるんだったら、自分は全力で同じ方向を向く!っていう信念ができたのかも。

ゆこ:何かするときぜったい来てくれるから、何か思いついちゃった人もみんな言いやすいよね。


ちっぴちゃんとは出会って半年くらいですが、確かに、何かイベント事やるときはいつも「横にいてくれる人」だったと振り返ります。何をやるときも、楽しみながら一緒につくってくれる人だったんです。


日常の中の非日常をみんなと楽しんでいきたい

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ゆこ:どの企画にも一緒に乗ってくれる印象だけど、誰かに「これ、やりませんか?」って誘われたら、何でも「楽しそう!やりたいな」ってなるの?

ちっぴ:なりますね!道徳に反したことでなければ。笑
楽しいっていうポジティブな気持ちで誰かが言いだしたものは全肯定します。book to roots(※)に参加したときも、「やるに決まってますよそんなの!」ってなりました。人とどうやって仲良くなろうって思ったときに、とりあえず誘われたら全部やるって言おうって決めて。おかげでしゃべれる人とか関わってくれる人が増えていったし、自分もやりやすくなったから、間違ってなかったです。

※book to roots…11月27日に、言葉の企画の有志で行ったリモートサプライズ企画。京丹後市の未来チャレンジセンター・rootsの高校生に、本を贈りました。


ちっぴ:根本的に、自分以外の人が知らないところで楽しんでるのが悔しいんですよね。嫉妬しちゃう。その活動があることを知った上で自分が入らなかったとき、ほかの人たちが楽しそうだとめっちゃうらやましくなっちゃうんですよね。


これはすっかり共感してしまいました。修学旅行の夜、最後まで眠れないタイプ‼


ちっぴ文化祭の前日みたいな空気が好き。一番好きな瞬間やなって高校生のときほんまに思ったんです。
高一のときクラスの模擬店の委員会をやっていて。行事好きだから前のめりにがんがん準備してたけど、夏休みの期間はあんまり人が集まらなくて、作業が進まなくて。悲しかったし、しんどかった。でも、1週間前・3日前・1日前になったらみんな来だして、手伝ってくれて。「みんなやってくれるやん!」って。追い込まれながらみんなで同じ方向に向かっている感じ、各々が考えて動く感じがすごく好きで、「この瞬間めっちゃしあわせ!」って思いました。


そう話すちっぴちゃんは今、チームで動くイメージに憧れてイベントに携わるエンタメ業界の会社を選び、プライベートでもライブや企画などで「日常の中の非日常」を楽しんでいます。

「高校生の”わたし”に贈る一冊」としてドラえもんの本を選んだのも、SF(すこし・ふしぎ。藤子・F・不二雄氏が提唱)をテーマにしているからだと思うと納得です。

ちっぴちゃんに声がかけやすいのは、もともともっているポジティブで周りの雰囲気を和ませてくれるのはもちろん、人・ものごと・食べ物にも好き嫌いがなく、誘ったら確実にのってくれるだろうなと思える安心感がある人だからと、今回話して再認識しました。聞けば聞くほどほんとにいい子!

これからも、憧れたものにどんどん手をのばして、たくさんの人と、たくさんの「日常の中の非日常」をつくって楽しんでいかれることでしょう。

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ちなみに。今回贈る本を『おとなになるのび太たちへ』に決定するまでに、ちっぴちゃんの候補にあげた3冊の本もどれも魅力的です。合わせて読んでみてくださいね。


■一番にすすめるならこれ!
 就活中刺激を受けた阿部広太郎さんの『待っていても、はじまらない。』


■ずっと大事にもっておきたい『アミ 小さな宇宙人』
 廃盤になっているので、内容はちっぴnoteで▼


■自分が高校生のころに読んでおもしろかった『四つ話のクローバー』




この記事は、言葉の企画2020に参加中の有志の企画生で高校生に本を贈ったリモートサプライズ企画『book to roots』のbonus talkでもあります。
他のメンバーの選んだ本の話もどうぞ。

第1回 ごだまさとくん▶美意識のベースは古典と陰影礼賛でつくられた。
第2回 瑛子ちゃん▶多くに触れて、多くを知っていくおもしろさを。


撮影=Nodoka chibaやすほ🌞ホシノ ショウタ


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