朝ドラ俳句　おむすび　12月

世を知らぬ吾子にせめての墓掃除
避け運び倒れ橋脚震災忌
レンジ欲しにぎり冷たし炊き出し記
震災忌パンとおにぎり足す繊維
子正月地震献立温度から

二十日正月炊き出しの味噌濃きコップ
男たち言えぬかための若布めし
後の月わざわざ靴を門の前
震災忌豚肉抜きの豚汁ぞ
差入れの頬づりじじや初晦日

炊き出しの豆腐到着震災日
待降節靴のリメイクいろいろと
くるくると中華テーブル敬老日
夏の朝幸せ気分パン香る
遅い球生かして生きて落文

秋近し床屋始めり床掃除
誰もみなみんな隠して震災忌
飲み過ぎの父に会い来る七日盆
ほほ笑みて夏のセーターまた出でて
ほかほかのおむすび欲しく震災忌

アスパラガス人もそれぞれの育ち方
防災の会議空転扇風機
八月の水なき川へ訓練ぞ
炊き出しの若布ご飯の人気かな
礼を言ふまた結び合ふ震災忌
　
訓練の終へて乾杯震災日
LAや予約の仕事秋隣
墓の友夏の終わりの約束よ
秋の墓姉のデザイン靴披露
準備なり春爛漫のリクルート

就職の援助断り夏の陣
黒染めのギャルの面影虎耳草
面接のぱらぱらダンス蛇の衣
先輩の剛速球や秋を待つ
麦酒掲ぐ喧噪まぎれプロポーズ

中華飯口いっぱいの九月かな
打ちのめす就職戦線冷やか
満腹のトレーニングや零余子飯
休暇果つ志望範囲を広くして
秋の服やりたいことをやるだけと

爽やかや阪神見捨て巨人行
身に入むや選手の土台栄養士
カラオケやマイクを取らぬ秋隣
決断のコネの就職秋の夜
こそこそとメール返信初風よ

友達や不倫か電話処暑の昼
卒業や失敗しても弁当屋
卒業答辞やる気元気笑顔ぞ
やっと出来卒業試験の桂剥き
違和感の球筋微妙春キャンプ

挨拶も入社式なき職場かな
知らぬこと動きの仕組み新社員
馬鈴薯の皮むき始む初出社
新人の意見は聞かぬ春の雲
春疾風真逆な二人の意見ぞ

十五の春歌ひ気分の野を駆けり
やきもちや若い調理師四月来る
新社員剛速球を持つらしく
ぎしぎしのすこしずつ増す痛みかな
ラーメンの提灯の如春の風

亀の鳴く肩より高く肩痛き
医療本初夏の公園ただ一人
六月の塩分量の解釈値
麦の秋変化がわかる球の切れ
医者行けば切られる野球半夏生

夏芝やマンガ読み待ちヘアサロン
日替のスコッチエッグ胡瓜和え
夏めくやランチタイムの忙しくて
働けば金が稼げて生ビール
妻のゐぬ妻の手欲しく麦の秋

女梅雨効果満点ストライキ
俺流の鹿の角落つ俺の店
夏の星球場濡らす涙かな
ぽんぽんとキャッチボールや夏の空
肩閉ざす野球の道や夏没日

腱板損傷野球人生奪う夏
夏きざすここで終いか俺の夢
白服や塩分控えレシピ集
みなづき尽目指すゴールは何処にぞ
故郷の苺高所に大西日て

フルタイム事務所の椅子に夏日影
夏の星野球一筋消える道
合コンや乾杯続く生ビール
夏広場転がるボール肩止めて
夏終わる栄養士にも支へなき

大西日隣友ゐぬ高架下
孤独なり大阪城の柳揺る
アロハシャツ娘の墓に登り切り
墓参り娘の友と灘眺む
無人駅夏の故郷変わりなき

荷も軽ろき吹き飛ばされそ青田道
胸くそやガチャリ　アスパラ束ねたり
夏霧の晴れるが如しギャルダンス
Uターン牡蠣の養殖夢あらず
青田波気分を載せてカラオケぞ

夫の歌アイスコーヒー吸いながら
大ぶりのトマト触れれば彼の事
土用凪涙ふきふきパンこねて
突然の君に話を青田道
震災を君に話せて震災忌

#連続テレビ小説 #おむすび #季語 #俳句
#朝ドラ俳句 #kigo #haiku