【ウィズ・カタナ・スシ・アンド・ヒダル】#5

「イヤーッ!」オウガジェイラーの右カワラ割りパンチ!タケミツは軽やかなバックステップで躱す。砕砕砕砕砕!大地が砕ける!未だタケミツのカタナは鞘の内だ。

「イヤーッ!」オウガジェイラーの左カワラ割りパンチ!タケミツは軽やかなバックステップで躱す。砕砕砕砕砕!大地が砕ける! 未だタケミツのカタナは鞘の内だ。

飛び下がりながらタケミツはオウガジェイラーのカラテを観察する。弱敵。

なかなかの膂力。だがそれだけだ。動きは鈍重、構えは硬い。付け入る隙はいくらでもある。先にスシ屋で戦った三人のニンジャの方がよほど難敵であった。そして今、タケミツには敵を生かしておく気は全く無い。

「イヤーッ!」オウガジェイラーの右カワラ割りパンチ!タケミツは軽やかなバックステップで躱す。砕砕砕砕砕!大地が砕ける!勢い余って身体の釣り合いが崩れる。ここだ。タケミツの目が暗く光った。

左手で握った鞘を反時計回りに135度回転、さらに刃先とは逆方向に大きく引き上げる。右腕での斬り上げに左腕での鞘引きが乗算され、爆発的な速度を生む。イアイドーの秘儀、ケサギリ!「イイイイヤアアアア!」オウガジェイラーは傷口から臓腑を撒き散らしつつ爆発四散、するはずだった。

必殺のイアイは、しかし空を斬った。タケミツは目を見張る。オウガジェイラーは間合いの外、しかも畳6枚後方!

更に次の瞬間、オウガジェイラーはワンインチ距離!濁った息がタケミツの顔にかかる。「イヤーッ!」「グワーッ!?」

凄まじい張り手をとっさにクロスガード!受け切れず、畳7枚ノックバック!オウガジェイラーの巨体が遠ざかり…、消滅!一瞬後に再出現!ナムサン!ワンインチ距離!ガードが間に合わ「イヤーッ!」「グワーッ!」まともに直撃!大きく吹き飛ばされ、大地を転がるタケミツ!

「ゴボッ…バカな、あれはイダテン・ニンジャクランの秘儀、マバタキ・ジツ…あんな昨日今日ニンジャになったサンシタに…」空が、暗い。タケミツは状況判断、起き上がりを諦め、大地をローリングする。0.2秒後、空から致命ストンピングが振り下ろされる!辛うじて回避!

もし仮に、読者の皆さんの前方1mに時速666kmめいて走行するバッファロー轢殺トレーラーが突如ワープしてきたら、一体何人の人が回避できるだろうか。…おそらく、そう多くはいないはずだ。

ナムアミダブツ…!なんたるスモトリの質量とマバタキの機動力が悪魔的相互補完されたマッポーのカラテか!

「イ、イヤーッ!」ナムサン!ヤバレカバレのイアイは、不発!側頭部に風を感じた。タケミツは振り向こうと「イヤーッ!」「グワーッ!」

側面からの暴風めいた張り手で吹き飛ばされるタケミツ!空中でなんとか受け身を取ろうとする。しかし、ナ、ナムサン…!飛んだ方向にもオウガジェイラー!またしてもマバタキ!「イヤーッ!」「グワーッ!」またしても!「イヤーッ!」「グワーッ!」

「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!ヤ・ラ・レ・タ!」

何度目かのカワラ割りパンチを受けたタケミツの身体はマリめいて地面を4回バウンドし、近くを流れていた谷川に落ちて水飛沫を上げた。

【ウィズ・カタナ・スシ・アンド・ヒダル】#5終わり 6に続く






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