予選Dブロック司会が思う第二回カニ王戦と、カニノケンカの現在地
はじめに
カニノケンカ・ニ非公式大会、第二回カニ王戦が終わった。
総勢26+1名が参加したこの大会、私えどわーども、予選Dブロックの司会進行役として運営サイドの末席を汚した。同時に一選手としても大会に参加し、予選にて見るも無残に散った。
既に多くの参加者が大会の感想をnoteに残している中、せっかくなので私も、私の視点で見たことと考えたことを記したいと思う。この記述が、後々の何らかに役立てられることを祈る所存である。
選手として/カニとブキの選定、その裏側
前作カニノケンカではランクマッチにおいて、対戦相手が決まった後からカニとブキを選択できた。一方、今作においてはマッチング開始時にカニとブキを選択するように変更されている。
この仕様変更は、基本的には改善にあたる。マッチング待機中に他モードで遊ぶことができるし、マッチング完了と同時に試合が始まる。また、対戦相手を見て構成を考えるというのは、本来クローズな環境ですることだ。ランクマッチでそれができてしまうというのは、コミュニティが小規模な状態である証左でもある。まぁ人が少ない状態であったとしても、それはマッチングシステムによる結果ではないのだが。
ともあれ現在の仕様だが、弊害として、かつてはランクマッチに潜るだけでできていた構成予想の練習や対面相性の検証がしづらくなった。以前の仕様に胡坐をかいて相性マウントを取っていたえどわーどにとっては、非常に強い逆風となっている。今現在、構成読みや相性確認をする場合、それを前提として人に声をかけ、ルームマッチを行うことが望ましい。だがそんな積極性や社交性はえどわーどにはない。
ランクマッチを中心に、練習量に対し効率的に技能を伸ばそうとした場合、ある程度の汎用性を持った特色の異なる構成複数に絞った練習を行い、その得手不得手を何となく察しながら、大会の場での選択肢にできるようにする。これが、私の辿り着いた”ほどほど熱心なプレイヤー”にとっての最善択だった。
前置きが長くなったが、本大会における汎用構成の結論がタラバ、そしてロブスターWパイル、通称エビ軍艦だった。
タラバについて語ることは少ない。フィジカルが強い。以上。
一方エビ軍艦は新機軸である。性能的な特徴としては、パイルを正面に安定して構えながら、同時に盾としても有効に活用できる。エビの縦長胴体が生んだ奇跡のバランス、もはやパイルを握ることを前提に進化したような骨格だ。耐久面には癖があるが、前作の印象ほどダウン時の事故率は高くなく、また復帰力もある。また上手く態勢を維持してやれば、よろけ解消力もそれなり以上である。
だがそれ以上に、独特の操作感があることに触れねばなるまい。近接と射撃のハイブリッドというべき操作感や、パンチによる超信地旋回を活かした照準修正など、理解が進むほど癖になる操縦性は、カニなら一度体験した方がいい。
実のところ、エビ軍艦との出会いは予選の六日前。パイルとの食べ合わせに苦心している最中に確信もなく試していたところ、奇跡のマリアージュを果たしたのが始まりだった。私自身、エビ軍艦のポテンシャルを十分引き出せていたとは到底言えず、彼との出会いがあと数週間早ければ大会での仕上がりも違ったかもしれない。
そんなわけで、大会予選ではエビ軍艦の披露を重視しつつ、負けたら終わりというタイミングでタラバにも触れておいた、という程度の軽い理由でカニブキの選定を行った。強いて言えば準決勝では、1試合目で出てこなかったアサリボが2試合目に出てくるとは思っていなかった。
司会としての働きと、Dブロックの総評
司会進行に関しては、概ね順調だった。一部お叱りを頂くような反省点もあったため、今後の課題とする必要はあるだろう。
心残りがあったとすれば、特に自分の試合で大人しすぎたことだろうか。魚雷の照準に神経を使いすぎて黙っていた、というのもあるが、前科数犯を経てちゃんとした実況を心掛けた結果か、普通の実況しかしてなかったな、と後から気づかされた。折角エビ軍艦に乗っていたのだから、「エビ軍艦、抜錨!」とか「砲雷撃戦開始!」くらい騒いで欲しいものである。
ごくどうでもいい反省はさておき、予選Dブロック全体のイメージを見ていこう。一言で言えば、左右のブロックにそれぞれやべぇのがいた。
KABTOさんはトライデントの操作練度が群を抜いて高く、それによるダメージ差に対戦相手は終始苦しめられる形となった。対する猫猿亀鳥魚さんは、アサヒリボルバーの尋常ならざる射撃精度と、それを十二分に活かす立ち回りによって勝利を掴み取った。決勝戦は一進一退の好勝負となったが、ブロック内でこの二人が飛び抜けて強力だったことを疑う余地はないだろう。
私を含め残る五人はあえなく予選で敗れ去ったわけだが、その誰もが弱かったわけでは決してない、私自身すらもだ。その上で、その全員を凌駕していったのだから、上位二名はもうなんか、超強かった。
私個人の印象に一際強く残ったのは、中裳ハルカナさんだ。非常に小さな差で初戦敗退となったものの、ハルカナさんの敗因を具体化するならスタミナ管理の甘さだった。ケンカの経験が浅いうちは、自分のスタミナは見落としがちだったりする。言い換えれば、練習を重ねていけばそのうち身につく意識ともいえる。一方、ハルカナさんのバーストを駆使したダウン取り技術は、熟練のカニであってもおいそれとは真似できない、天性のセンスを感じさせる。基礎が固まり一皮剥けた途端、一気にトッププレイヤーの仲間入りを果たす未来もあるだろう。
最後に、相方のくおりあさん。本来は選手登録していたものの、直前のPCトラブルによってまさかの0回戦敗退となった。第一回カニ王戦では、クソ熱い戦いを目の当たりにして「出なくて良かった」とほざいていた彼が、今回のラストには「出たかったなぁ」と本音を漏らしていたのは、カニ王戦の持つ人とカニを惹きつけてやまない魅力の一端を示す出来事だった。
参加者としての私と、カニ王戦
実は大会当日まで、カニのモチベーションは高くなかった。
第一回カニ王戦以降、一時期は「殴り合いのケンカに疲れたもぉぉぉぉん!!(嘔吐)」という状態が続き、カニ以外の誘惑も多かったからだ。しかしカニ王戦への参加は迷わなかった。何故なら前回大会の時点で、カニ王戦が単なる競技会以上の魅力を持つ、カニのお祭りとしての側面を持つことを知っていたからである。
ストイックにカニのことだけを考え、カニの練習に心血を注いできたカニが強いのは当然だ。だが、そんな専業カニ以外が報われない、楽しめないのは間違っている。
大会は盛り上がる。とにかく盛り上がる。その輪の中に、望めば誰もが入ることができる。カニ王戦には、そういう健全な大会であって欲しい。そんなモチベーションを抱いていたことを知ってか知らずか、今回は大会当日だけでなく、大会直前特番にまで出演機会を頂いた。まったくありがたい限りである。今後もこんなチャンスがあるならバンバン仕事を振って欲しいし、正直あのくらいで良ければ「いい感じに宣伝しといてください」程度のフリは消化できる。足りないって言われたら頑張ります。
カニ王戦のもう一つの意義。それは対戦データの収集でもある。
前回は、大会で猛威を振るったオオエンコウガニ、ジャベリン、デュエリングシールドなどのコストや耐久力などの調整が、大会後に行われた。これは大会という公の場、各人が勝利のために創意工夫を凝らす場において得られたデータが、ゲームの調整に一役買ったという風に見てよいだろう。またプレイヤー感での戦術研究においても、同様に大会で得られた情報は活用される。その点においても、一人分でも多くのデータが集まるという意味で、参加した意義はあったように思う。
いや、エビ軍艦のお披露目に意味はあったのだろうか。それ以上に、クマドリステゴロ野菜の戦術意図はまるで解明できないままなのだがよいのだろうか。この先何か分かるのだろうか。あの戦術に秘められた深謀遠慮に、常人は耐えることができるのだろうか。深淵を覗き込むような恐怖を感じる。
大会後に思う、カニノケンカの現在地
現在のカニノケンカ・ニについて、不満がないわけではない。
例として、ライダーがカニから降騎して直接相手カニを叩きにいく、通常おじさん戦術だ。カニ本体と比べてライダーの同期が取れていない場面が多く、理不尽に察知が困難な場面がある、という戦術的公平性の問題もあれば、偉大なるカニ同士のケンカが人間ごときのフォーク一本で決する場合がある、という設定上の問題まで、個人的には否定的感情がとても強い。
ライダーの操作自体にも不満があり、例えばボタンが余っているのだから、Yボタンで自カニに騎乗、LBで落ちているブキにインタラクト、RBでキャノンにインタラクトとボタンを分け、それぞれの判定範囲を広げることはできないのか、みたいなことも思う。
カニノケンカ・ニは未だアーリーアクセス中のゲームである。こういった不満点や改善要求があるのなら、積極的に発信すべきだ。そしてその媒体はTwitterなどのSNSや、自チャンネルの配信ではない。
Steamのコミュニティハブである。
私自身かなり失念していたのだが、開発側に要望を届けたいのなら、真っ先に触れるべきはここだった。上記のものも含め、近日中に自分の要望はそちらに記入しようと思っている。ある程度の節度は必要だろうが、不満点の可視化は今後のゲームのためになると思って色々書きたい。
さいごに
楽しかったです。運営の皆様には感謝しかありません。また手伝えることがあれば言ってください。おつカニ様でした
さいごにさいごに
カニハメハ照射中には、ガードボタンを使用した行動を行うことができます(自前でコマンド入力した場合に限る)。
具体的にはステゴロで挟む、銃を撃つ、パイルでとっつくなどです。これらを駆使することで、ハメハを押しつけガードを強要した相手によろけを入れることが可能です。
ハメハ中の銃ぶっぱは前作から積極的に情報発信もしており、仕様としての知名度は高いと思われるのですが、実際にやっている人を見かけません。実は実戦中の行動として弱いという結論が出ているのかもしれませんが、把握しておいて悪いことはないはずなので、まだご存じなかった皆さんは覚えて帰ってください。
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