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非帰国生が英語やお金といったハードルを越えて、自分に合った海外大学進学を支援する会社を起業した、元公立高校教員でチューターの田原佑介さんにお話を伺いました。
チューターになったきっかけを教えてください
公立高校で英語の教員を8年務めていました。英語が得意な生徒がいて模試などで良い点を取ったとしても、簡単には海外に行ける機会があるわけではない現状について疑問視していて、海外大学への進学をサポートする体制を実現したいと考えていました。
しかし、仮にさらに10年教員を続けて教頭や教育委員会の一員になったとしても、その現状が変わるかと言えばどうやらそうではないということが見えてきたんです。自らが教育イノベーションを学ぶためにどうしたらよいかと考えていたところ、海外の大学院で学ぶというオプションを知り、アメリカのコロンビア教育大学院に全額奨学金で行きました。
教員をしながら大学院の受験準備をしていた時、私が英語の授業を受け持っていた生徒二人が、それぞれオランダとオーストラリアの大学に進学しました。二人とも、帰国子女でもない、長期留学の経験もない、日本の教育をベースに育った生徒たちです。この生徒たちのように世界を知る機会を提供し、希望する若者が海外大学への進学ができるよう支援を行っていきたいと思い、チューターになりました。
アメリカでの学びを日本へ
大学院の授業の一環として、全米一位と言われるボーディングスクールの授業を見る機会がありました。先生は遠くで見ているだけで、生徒たちが主体となった学びの場を目の当たりにし、教育ってここまでできるんだということを実感しました。
一方で、日本の公教育のスタンダードたぶん世界一と言えるほど高いのではとも思いました。アメリカの公教育に関しては、先生が来ないとか、美術や音楽の授業が一回もないところもあります。こんなことは日本では絶対なく、どれだけ先生が足りなくても、真面目に授業をしています。フィンランドやオランダなどと比べて人口規模が大きい中でこれだけの質を保っているのはすごいことだと感じました。
日本のスタンダードはそもそも高いので、あとは学校現場のトップの意識が変革するとかなり変わると思います。学校のマネジメントに取り組むにあたっては、リーダーシップのトレーニングや今の教育のトレンドなどを学ぶ必要があると思います。教員の延長線上の意識でマネジメントをすると、海外進学とか、新しい教育ChatGPTとか、AIとか、データサイエンスなどをなかなか取り入れられず、結局現場の先生や、子供たちが困ってしまうということになりかねません。
そこで、2023年夏からリーダーシップやマネジメントなどについて、各学校からの希望者が参加し学べる場を作ることになりました。参加者には知識のアップデートしてもらったあと、それぞれが実際の学校現場でカスタマイズしながら実践するのを、私や仲間が伴走し、サポートするプログラムです。
日本の若者をもっと海外へ
日本の公教育の中でインターナショナルな環境をどう広げていくかという問題意識は教員時代からずっと持っていて、日本の学生が海外に学びに行くしくみをつくりたいとは思っていました。ですから、大学院在学中から起業の準備をしていました。
今の日本の経済状況を考えると、今後帰国子女が爆発的に増えることはなかなか想像できません。また、アメリカやイギリスのトップスクールへの奨学金もそう簡単には増えていきません。今、高校3年生は年間100万人いて、65万人が大学に進学します。そのうちの1パーセントにあたる6500人ぐらいは海外に行かないともう日本はもうとんでもなく遅れてしまうのではないかと危機感を持っています。IB(国際バカロレア)の教育機関を増やすとか、インターナショナルスクールを招致するとかそういう話ではなく、今の日本の教育をベースにして、非英語圏も含めたTOP500ぐらいの大学にターゲットを広げ、海外進学を目指すくらいでないととても間に合わないという感覚でいます。それと同時に英語学習支援プログラムの開発にもあたっています。
チューターとして伝えたいこと
教育者として学生たちと関わり、教育者を教育する立場で仕事をしている身ではありますが、「どんな教育コンテンツも家庭教育には勝てない」という事実はあると思っています。
保護者の方のマインドセットや、声掛けの一つ一つ、どういう思いでお子さんと接するのかなどについて相談やアドバイスができると大変うれしく思っています。
Edu.torでは、ご相談をお待ちしております!
今回インタビューしたチューターのプロフィールはこちら
https://edutor-tutor.com/tutors/157