先生のためのデザインシンキング研修:学校の問題、みんなで解決!
9月12日、東京都教職員研修センター主催の専門性向上研修にて、講師を務めさせていただきました。
この研修は、幼稚園、小学校、中学校、高校、特別支援学校の管理職の先生方70名を対象に、対面とオンラインのハイブリッド形式で実施されました。
研修では、デザインシンキングを活用した学校課題へのアプローチについて、具体的な事例を交えながらお伝えいたしました!
デザインシンキングって?
デザインシンキングは、もともとはデザイナーが新しいものを生み出すための考え方ですが、今では色々な場面で活用されています。
日々刻々と変化する時代にあって、社会に求められる学校のあり方も急激に変化してきています。
学びの改革や働き方改革、DX化等、学校が抱える諸課題は、これまでの経験や知見だけでは解決することが困難になっています。
デザインシンキングは課題解決に向けた1つの手法になりますが、学校が抱える諸課題の解決には大きな力を発揮できるものです!
デザインシンキングの5段階モデル(概略)
1. 課題を抱える人の気持ちになって課題を捉える:共感
課題を抱える人は誰でしょうか?その課題を自分の視点や考えで捉えていては、本当に解決すべき課題にたどり着くことはできません。課題を抱える人の気持ち(ユーザー視点)になって、課題を観察することが必要です。
2. 問題をきちんと見つける:問題定義
課題を抱える人の気持ちになって見つけた課題の中から、本当に解決すべき課題は何でしょうか?課題を整理して、解決すべき重要な課題を明確にします。
3. みんなでアイデアを出し合う:創造
解決策のアイデアをたくさん出します。この段階では、アイデアの質よりも量を重視します。また、実現できるかどうかにこだわらず、自由な発想で、色々なアイデアを出し合います。
4. アイデアを形にしてみる:プロトタイプ
アイデアでイメージしたものを実際に形にします。試作品になりますので修正・変更することを前提にして、身の回りにあるものを使い、あまり時間をかけずに作成することが重要です。
5. 実際に試してみる:テスト
作ったものの使い勝手などを確認します。使いにくい部分や改善点を見つけて、より良いものになるように改善を繰り返します。
研修講師を務めさせていただいて
研修に参加した先生からは、「デザインシンキングで学校をよくしたい」「先生同士で教え合う時に使いたい」「職場の雰囲気を良くしたい」といった意見を頂戴しました。
現時点においても課題が山積する教育現場ですが、これからの時代に求められる学校は、これまで以上に変化が必要になるものと思います。
こうした時代にあっては、先生方には、新しいことにチャレンジし、子どもたちの未来をより良いものにしていくことが求められています。
デザインシンキングは、解のない問い、まさに新しいことにチャレンジするための有効な手段であると思います。
デザインシンキングを用いて先生方が力を合わせ、学校がより良くなっていくことを期待しています!
講師のご紹介
髙井 潤(たかい じゅん)
1999年から埼玉の県立工業高校に14年間勤務。その後、埼玉県教育委員会事務局にてICT環境整備を含めた学びの改革に従事するかたわら、文部科学省の協力者会議委員、アドバイザー等を務める。2019 年からグーグル・ジャパン合同会社(Google for Education)、経済産業省(教育産業室)に計3年間出向し、グローバルな視点、また国策としての教育の推進に向けた取り組み等を経験。2022年より現職。