👀私の視点[都会に近い小規模リベラルアーツ大学の良さ]
先月、アメリカのカリフォルニア州にある名門リベラルアーツ大学のOccidental Collegeを見学してきました。
こちらの大学、オバマ元大統領も出身生で政治社会系に強いのですが、近くのCaltech(カリフォルニア工科大学)とも提携を結んでいるので工学系の進学先としてもありです。
Occidental Collegeを見学したときの投稿はこちら。
在学生の2000人ほどは、ほとんど全員が学部生。だから研究ポジションは回ってきやすいし、教育・研究予算も回してもらいやすい。教授陣も学部生の相手(つまり教育指導)に時間を割いてくれやすい。
ついでにOccidentalでは最初の3年間は全員寮に住み込みがマストで、4年目も学内に住む割合が高いそうです。
このようなほぼ全寮制・小規模リベラルアーツ大学は、一般的な大学院併設の大きな大学とは、全然雰囲気も教育体験も人間関係も異なります。
日本で似た構成の大学を簡単に探すと、東京都の武蔵大学は学部生比率が高いので近いかもしれません。大分県の立命館APUも。でもどちらも学部の選択肢がOccidentalと比べると少ない。
全校あげて寮生比率が高い大学だと、秋田の国際教養大学や東京基督教大学でしょうか。学部単位だとほかにもありますね。
学部生比率や学部の選択肢や寮生比率で比較すると、意外とないものですね。まだ知らないだけかな。
大学選びでは学部や入りやすさ以外に、大学にどんな機能や役割を求めるのか、よく考えて選びましょう。
大学を探すときはこんなポイントをチェック
21世紀に必要とされるスキルに、よく4つのCが挙げられます。
まだ大学でなにがしたいかわからない場合でも、できるだけ「自分がこの4Cを育てられるのはどこだろう」という視点で探してみましょう。
できるだけ学部生が挑戦できる環境、学部生にリソースを割いてくれる大学をかぎあてましょう。
知名度や合格率やランキングに振り回されないように、自分の感覚を早いうちから育ててください。(これも批判的思考力の訓練)
Occidental Collegeの学生が大学を選んだ理由
Occidental Collegeでは、学生さんによるツアーに参加しました。
この学生ガイドさんが大学を選んだ視点が面白かったので、共有します。
ワシントン州出身の彼女は「都会に近い小規模リベラルアーツ大学を全米で探した」というのです。
「都会が近くて小規模」と聞いた私は、いいとこどりだとすぐに納得しました。
小規模で全寮制の大学はつまりボーディングスクールにかなり近い環境です。部屋も食事もキャンパス内に用意されているので、生活面はほとんど心配いりません。学校に住んでいれば、遅刻の心配も少ないです。
高校までのボーディングスクールと違うのは、大人としての行動の自由と責任が任されているということ。つまり監視・管理のルールが最低限。
あとボーディングスクールよりも生徒人口が多いし、それだけ世界中からいろんな人が集まる。寮に暮らしていると接点も自然に増えて交流が生まれやすい。通学型の大学よりも友だちづくりがしやすいといえます。
さらに都会に近いということは、外のコミュニティとのつながりもつくれるということ。
都会の大規模大学でもなく、田舎の小規模大学でもなく、「都会に近くて小規模」な大学は、学内の安心安全なつながり+リアル社会とのつながりを両方作れるという意味で優れている、と考えられます。
アメリカのリベラルアーツ大学はだいたい小規模です。
ランキング上位常連のAmherstやWilliamsはいい大学ですが、ロケーションは田舎です。
私も実はSmith Collegeというリベラルアーツ大学を検討したことがありますが、やはり田舎です。
例のOccidentalの学生ガイドさんは、ランキングに頼るよりも独自の基準を持って、実際に大学にも足を運び、関係者と話をしたりして選んだそうです。
私が受けた印象では、Occidentalは個性を補い合って高め合うタイプの大学のように感じました。知り合いの出身生もバランス型人間でいい人です。
アメリカにある「都会に近くて小規模」な大学リスト
都会にあることは、留学生としてもメリットがあります。それは、主要な空港に近いということです。
興味本位で、以下の基準でざっくり探してみました。
学部生が主体(院生がほとんどいない)
学生数がだいたい2000-3000人前後
寮生の割合がだいたい75%以上
都市部に出るまでだいたい1時間以内
ここから先は
米ボーディングスクール潜入記録[2022年6月]
【アメリカの高校寮に宿泊】2022年6月、アメリカのボーディングスクールの同窓会、卒業式、サマースクールなどに潜入してきました。渡航前の準…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?