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インターから英国名門大学に合格するための【IGCSE/A-level対策】

こんにちは!モアエデュケーションのMakiです。
留学生対談シリーズ第四弾、現役の英国大学生に留学のあれこれを聞いていきたいと思います!

今回のゲストは、イギリスの名門大学インペリアルカレッジロンドンでBiochemistry(生化学)を専攻されているRinkaさんです。

Rinkaさんはモアエデュケーションの家庭教師で1番長く講師を務めていただいています。GCSEA-level(Aレベル)の生徒さんを見ていただいていて、1番信頼を置いている先生のひとりです! 

海外のバックグラウンドもたくさんお持ちなので、今までの経歴から現在のイギリスでの大学生活、講師ならではの勉強のことについても聞いていきたいと思います。

この記事は【前編】です。記事の最後に後編のリンクを貼っているので是非一緒にご覧ください!


海外経験とIGCSE/A-levelについて

今までの海外経験

日本で生まれた後、3歳でイギリスに行きました。6年間ぐらいイギリスに住んだ後にシンガポールに移って、3年間いました。その後日本に戻ってきて、British School in Tokyo(BST)というインターでGCSEとA-levelの勉強をしました。そこから受験してインペリアルに受かり、ロンドンに戻ったという感じです。

日本の一条校にあたる学校に通ったことがなく、イギリスで教育を始めてシンガポールもインターだったので、ずっとイギリスのカリキュラムで育ってきました。

帰国してBSTに通ったのも、シンガポールから帰ってきた時は日本語が今ほどできなかったというのがあります。親としても日本の学校に行っても大変だろうなというのと、せっかくイギリスで教育を始めたのでそのまま行かせたかったのかなと思うので、インターしか考えてなかったと思います。

British School in Tokyo (BST)の校舎
 

IGCSEで取った科目は?

IGCSEは必須科目がMaths(数学)、English(英語)とSciences(理科)、サイエンスはDouble degree*かTriple degree*か選べます。Triple degreeだとBiology(生物)、Chemistry(化学)、Physics(物理)全部を取ります。

Language(言語)も1個取らないといけなかったので、私はJapanese(日本語)を取りました。あと選択科目が3つあったので、History(歴史)、Geography(地理)、Photography(写真)を選びました。

BSTはGCSEを飛ばしてA-levelを取っていいよという感じだったので、Japaneseに関してはGCSEの時にまずAS*を受けました。なのでGCSEは実質やっていなくて、そのままA-level 1年目にA-level試験を受けました。そうするとA-level 2年目は他の3科目に集中できたので、そうやって受けました。

他にも飛び級をしている子はいて、例えばGCSEぐらいの時にASのBiology(生物)を取っている子がいました。学校的にはその辺りは割とフレキシブルだったと思いますが、やはりある程度できないとやらせてはくれないです。

*Double degree=GCSE 2科目分の資格が取れる
*Triple degree=GCSE 3科目分の資格が取れる
*AS=A-level 1年目に受ける試験
 

A-levelで取った科目は?

Japanese(日本語)以外では、Biology(生物)、Chemistry(化学)、Maths(数学)を取りました。

元々BiologyやChemistryが好きだったので、その2つは取ろうと思っていました。Mathsは得意だったというのもありますし、理系に繋がってたので、そこから大学のためのコースが幅広く対応できそうだったので選びました。

Maki: A-levelは通常1年目に4科目を取って、2年目は4科目のまま続けても良いですが、ほとんどの人は1科目ドロップして3科目にします。

科目の選び方としては、得意科目や大学で勉強したコースに基づいて選びますが、Rinkaさんは最初からBiochemistryに進もうと決めていたんですか?

そうですね、最初の頃から大学で大体どのトピックをやりたいなというのがあったので、あまり悩むことなく選びました。 


インターナショナルスクールでの生活

BSTでの授業タイムテーブル

GCSEまではちょこちょこFree period*がありましたが、基本的には第1ピリオド(1時限目)から最後まで授業がありました。A-levelになると3、4科目なので、各科目の授業は週6時間ぐらいでした。Free periodが結構多かったので、その間は図書館などで過ごしていました。 

Sixth form*になると授業がなかったら第1ピリオドから来なくてもいいので第2ピリオドから来たり、最後の7ピリオド目もなかったら6ピリオドで帰れました。そこはちょっと大学っぽく、自分のタイムテーブルに合わせて来るっていう感じです。

授業がない時は図書館に行くことが多かったですが、一応外も出れました。コロナで1回中止になったんですが、お昼もご飯を外に食べに行けて、本当に大学生みたいな感じでした。

*Free period=授業のない時限
*Sixth form=A-levelの2年間

顕微鏡を使ったサイエンスの実験
  

House(ハウス)制度

日本みたいに学年ごとにクラスが分かれているわけではなく、Year7からYear13*の縦割りで、4つの「House(ハウス)」に分れていました。お昼休みから帰ってきてすぐにハウスごとに集まって、20分のホームルームみたいなのがありました。

イギリスとシンガポールの学校でも同じようにハウスがあって、スポーツデーなどではハウスごとで競っていました。

Maki: 寮制の学校じゃなくても「House」って言うんですね!寮のことも「Boarding house」というので、てっきり寮制の学校だけの制度かと思っていました。

 

学校に入った時から君はこのハウスねって言われて、スポーツデーだったりイベントはハウスごとに競い合っていました。あと普段の生活でハウスポイントももらえて、それが加算されて学年の最後にどのハウスが優勝しましたという発表もされます。

*Year7からYear13=小学6年生から高校3年生
 

部活と習い事

BSTの部活は日本のほどしっかりとしていなくて、娯楽じゃないですけどそういう感じに近いです。私入っていませんでしたが、スポーツ系は大会もあったみたいです。 

私はオーケストラでバイオリンをやっていて、クリスマスコンサートやスプリングコンサートがあったのでそこで弾いていました。バイオリンは小さい頃イギリスで始めたので、7、8年ぐらいやりました。オーケストラは途中で辞めて、そこからはあまり学校のには参加していないですね。

学校外では習い事をいくつかやってました。ヨガと、音楽が結構好きでボーカルレッスン、バイオリンも途中まで続けていました。
 
あとは私自身、家庭教師も受けていました。日本に帰ってきて日本語が今ほどできなかったので、より流暢にするために家庭教師つけて勉強していました。学問的なのと音楽系の習い事が多かったです。
 

卒業生の進学先

Maki: BSTはブリティッシュ系のインターなので海外大学に進む人が多いと思いますが、進学先はやっぱりイギリスが多いですか?

そうですね、やっぱりA-levelはイギリスにそのまま進みやすいので基本はイギリスの大学です。あとはオーストラリア人も多くて、その子たちはオーストラリアの大学に行くことが多いです。カナダも少しいて、アメリカは学校外でSATを受けないといけないのであまりいなくて、ちらほらいるくらいでした。あとは日本の大学もいます。

先生が皆さんほとんどイギリス人だったというのもあって、海外大学進学のサポートはしっかりしてもらえました

日本人がBSTに入るのはセカンダリー*からは難しいみたいですが、幼稚園からだと日本人でも入れて、私の学年で10人ぐらいいました。私の学年みたいに日本人が多い学年は日本の大学に行く子が多くて、15人ぐらい日本で大学に進学したと思います。対照的に1個下や1個上の学年は日本人が少なくて、ほとんどイギリスの大学に行きました。学年によって日本人率が高かったらやっぱり日本の大学に行く人が多いというのがあると思います。

*セカンダリー=小学6年生から高校1年生

BSTの卒業式


英国大学進学とパーソナルステートメント

UCASでの出願準備

Maki: イギリスの大学への出願は、入学の1年前ぐらい(10-12月頃)にUCAS*を提出→オファー*をもらう→A-level試験を受ける、という流れです。

UCASに向けての準備はどれくらい前から始めましたか?

私はOxbridge*を受けたので、UCASを10月初めに出さなければいけませんでした。Personal statement*(パーソナルステートメント)は夏頃にはほとんど完成していて、9月に学校に戻って最終チェックしてもらいました。

EPQ*が6月ぐらいに終わって、それについてもPersonal statementに書きたかったので、夏休み中か前ぐらいから始めてバーって書いてしまって、9月にチェックしてもらって、10月に提出という感じでした

チェックは学校の先生がしてくれて、授業の一環で書き方を教えるセミナーもあったので、そこで過去のお手本を読んで参考にしました。

*UCAS=イギリスの大学出願ポータル
*オファー=条件付き合格。A-levelやIBのどの科目で〇〇グレード/スコア以上取らないといけないなど。
*Oxbridge=オックスフォード大学とケンブリッジ大学。出願はどちらか一校にしか出せず、提出期限も他の大学より早い。
*Personal statement=志望動機書
*EPQ=Extended Project Qualification、授業とは別で行う任意のプロジェクトで、A-levelの0.5科目分の資格が取れる。
 

Personal Statement

Maki: Personal statementを書くために、Work experience*など課外活動はされましたか?

BSTはYear11(高校1年生)の時に1週間休みがあって、その期間にみんなWork experienceをするんです。私もマーケティング会社で1週間Work experienceをしました。あとは理系だったので、Genetics(遺伝子)系の本読んだり、興味があったセミナーに行ったりしました
 
でも実際に書いたのは、3分の1ぐらいEPQについてでした。EPQがもうすでに大学で学びたい分野についてだったので、そのままPersonal statementに書けました。イギリスの大学はあまり課外活動は見られないって言われたので、基本的に学業的なことしか書いてなくて、最後にちょろっとオーケストラのことなどを書いたくらいです。

Maki: 私もほとんどは学部に関係することを書きました。私はEPQをしていなかったのでReading*やWork experienceのことを書いて、最後の1段落でその他ミュージックやスポーツについて書きました。

アメリカの大学だとすごく課外活動が重視されると言われていますが、それに比べるとイギリスはアカデミック重視です。まず最初は成績で足切りされて、プラスでちょっとOutside research(自主研究)やEPQをやっていたら評価が上がるという感じです。

Personal statementは5校につき1個だけ*ですし、文字数の制限も結構きつきつであまり書けないなと思いました。あと、アメリカの大学は各大学に出願書を書くので、そこもイギリスと違いますね。

*Work experience=職業体験
*UCASから5校まで出願できる。Personal statementを共通のものを1つだけ出せる。
*Reading=本や文献を読むこと
 

EPQについて

EPQのテーマは、私は皮膚の勉強がしたかったのでDermatology(皮膚科学)に関連することにしました。
 
自分で実験をデザインするところから始まって、10種類のMoisturiser(保湿クリーム)のを試して、どれが1番水分量が減らないかという実験をしました。Lab report(実験レポート)的なEPQでしたね。だからあまりエッセイという感じではなくて、Method(方法)、Result(結果)、Discussion(考察)みたいな、本当にLab report形式でした。

Maki: もうすでに大学みたいですね!
大学でも似たような勉強をするんですか?

Biochemistryなのでもうちょっと範囲は広いんですけど、Biochemistryを選んだ理由も、幅広いので今後どの道に進みたくても対応できるかなと思ったからです。

化粧だとインペリアルの他に、University of the Arts London(UAL)Cosmetic Science(コスメティックサイエンス)っていうコースもあって、そこも一応受けました。ただ、そこはできることがすごい厳選されてしまうので、結局行かなかったです。Cosmetic Scienceはその1校だけで、他に受けた学部は全部Biochemistryでした。

化粧品関連のコースで他にはPharmacology(薬学)もあるんですけど、私は大学院に進むことはもう考えていたので、最初学部はBiochemistryでベーシックな知識をつけようと思いました。そこから新たにやりたいことが増えるかもしれないので可能性を残しつつ、そこから院進どこにしようか、どのトピックにしようか決めようかなって思っていました。


大学の選び方と出願で大変だったこと

大学の選び方

GCSEぐらいの時から自分は理系が得意でしたし、興味があることが生物系だったので、その道に行くんだろうなみたいなのはありました。やりたいことは決まっていて、そこから大学を選んでいきました。

Oxbridgeは記念として受けようかなという感じで、基本はロンドンが良かったのでロンドン中心に大学を選びました。あとは一応Univeristy of Manchester(マンチェスター大学)も保険として受けました。

Maki: 私も似ていて、ロンドンの大学をランキング上位から選んで、滑り止めで地方も受けました。私は本当にロンドンが良かったのと、オックスブリッジは受けると大変になるので受けませんでした。

 

出願プロセスで大変だったこと

UCASのウェブサイトが、埋める項目が多くて面倒でした。あとは日本の大学も受けたので、日本の大学はアメリカみたいに各大学エッセイ書かないといけなかったりインタビュー(面接)もあったりして、UCASよりはそっちの方が大変でした。東京大学を受けたんですが、留学生向けの筆記試験はMaths(数学)だけでした。

Oxbridgeもインタビューあって、インタビューこの日でテストこの日、筆記試験この日みたいに別々にあったので、出願してからの方が大変だったかなと思います。

インペリアルを選んだ理由は、やっぱり学部が3年というところです。日本の大学に行くと教養学の2年があるので、やりたいことが決まっていた私にとっては、その2年間を無駄にしたくなかったんです。

入った時からがっつり興味があることをやりたかったので、3年間みっちり自分がやりたいことをできるっていうのはやっぱり魅力的でした。あとは少しの間ロンドンを離れていたので、もう1回ロンドン住んでもいいかなというのもありました。


IGCSEとA-levelの試験対策

効率の良い試験勉強

私はコロナ中で試験を受けていないんです。A-level試験がなかったので、先生がこの子はこういうグレード取ると思いますっていうのと、それに付け加えてその証拠として学校でMock exam(模擬試験)を何回もやるっていう感じでした。
 
Mockの結果は学校からExam board*に送られて、Exam boardが確認して最終的なグレードを出してくれて、8月にそれが大学側に行くという仕組みです。そのグレードがオファーを満たしていれば大学に合格できます。
 
試験勉強は変わらないと思うんですけど、私はあまりノートを作らないタイプで、もうひたすら過去問を解くスタイルでしたね。それ以外ほとんど本当何もしてないです。
 
GCSEもA-levelも、例えどれだけトピックのことを知っていても、キーワードが入ってなかったら減点になります。なので、自分でノートを作ったり教科書見たりするより、Mark scheme*(マークスキーム)覚えるのが一番はやいんです。GCSEの時にそれに気づいてから、Mark schemeを暗記しようってなりましたね。

Maki: 過去問も何年分解いても傾向が全く同じだったり、質問も同じような感じだったりするので、その傾向を分析して点の取り方のほうを覚えた方が効率いいですよね。

*Exam board=試験委員会
*Mark Scheme=採点基準/模範解答



後編はこちらから – 「Imperialでの勉強」「Japanese Societyのサークル活動」「卒業後の進路とキャリア」について話しています!

この記事のもとになっている対談はこちらからご覧いただけます!

イギリスの大学出願について解説している動画:

Imperial College London 公式サイト:
https://www.imperial.ac.uk/

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