高卒ですが大卒程度の枠を受けても大丈夫ですか？公務員試験の疑問に答えます＃2
公務員受験生や公務員検討中の方々のよくある疑問をまとめた連載noteシリーズ第二弾です！
ここでは、公務員志望者からよく寄せられる質問に対し、編集部スタッフの長年の公務員講座運営経験や講師指導経験を元に、わかりやすく回答して参ります。
記念すべき第一弾は以下のnoteになります。
現在、公務員試験を受けれるのかどうか不安でタマランチな方はこちらをお読みください。
今回も前回に続きまして、私は受験できますか？シリーズです。
具体的な質問としては、こんな感じが多いです。
「高校卒業で大学出てないんですが、年齢制限的に大卒程度の採用枠しか受験できません。これって、大学出てないと受けれないんですか？あと、受けれるとしても合格できますか？」
公務員試験について調べていると、必ずエンカウントする「高校卒業程度」とか「大学卒業程度」の情報・・・
もはや業界特有の謎用語に近いんですが、公務員試験勉強をスタートしたての🐣な人からするとめちゃくちゃわかりにくいです。
今回は〇〇卒業程度が何を意味するのかに焦点を当てて解説して行きます。
コメント欄のところで、今後解説してほしい疑問や質問を大募集します！
公務員試験で疑問に感じていることやわからないことをドシドシお寄せください。
※コメントには全て目を通しますが、直接返信はできないこともありますのでご承知おきください(__)
「原則として」公務員試験は学歴の要件を課さないことが多い
いきなり細部に踏み込むと複雑なので、まずは【〇〇卒業程度】の用語の標準的な読み取り方を押さえましょう。
〇〇卒程度の表記は、年齢や筆記試験の難易度が〇〇卒程度という意味。
高校卒業や大学卒業のように学歴を指定しているわけではありません。
ただし、「大学卒業（学士資格保有）が必要」というように学歴の要件が明記されている場合は、受験のために学歴が必須です。
これまでも説明してきたように、原則的には公務員試験の受験可否は年齢で決まるものと思って大丈夫です。
しかし、この機会ですのでもう少し細部まで正確に押さえておきましょう。
「事務」とか「行政職」での受験であれば学歴不問がほとんど
超正確には、学歴が必要か否かは受ける職種によって違ってきます。
まず、公務員採用では事務（行政職と呼ばれることも）と専門職の採用に大きく分かれています。
事務（行政職）と呼ばれる総合職的オフィスワークの職種の採用
資格免許や専門的な知識の保有を前提とした専門職種の採用
巷で公務員としてイメージされているものや、多くの受験生が受けるのは事務（行政職）の職種です。
そして、事務職は学歴の要件が存在していないケースがほとんどですが、専門職種については特定の資格免許の保有であったり、その専門知識にまつわる学校の卒業が求められることがあります。
ただ、専門職に就くにあたって資格免許が必要だとか、指定の学歴が必要だというのは、公務員が云々に限らず当たり前すぎる話なので、取り立ててフォーカスされるような話でもありませんね。
一番イメージしやすいのは、医療専門職である薬剤師とか看護師ですね。二つとも絶対に薬剤師免許や看護師免許が必須です。
実際の受験資格の例で確認！
現物で確認するのが一番手っ取り早いです。
横浜市の大卒程度試験の受験資格の記載例で確認してみましょう。
２ 受験資格
（１）全区分共通
ア 年齢要件等
イ次の(ア)、(イ)に該当する人は受験できません。
(ア) 地方公務員法第 16 条の欠格条項に該当する者
(イ) 平成 11 年改正前の民法の規定による準禁治産の宣告を受けている者（心神耗弱を原因とするもの以外）
----（編集部追記）以下は専門職区分に関する要件---
（２）社会福祉
社会福祉主事の任用資格を有する人又は令和６年３月までに取得する見込みの人
社会福祉主事の任用資格を有するには、次のア～ウのいずれかに該当することを要します。
ア 社会福祉法により、厚生労働大臣の指定する科目のうち、学校教育法に基づく大学（短期大学を含む。）に おいて、３科目以上履修し、卒業すること
※ 指定科目については、ホームページで必ず確認してください。 科目名称が完全に一致していない場合でも、次のいずれかの場合には受験できます。 (ア) 科目名称が次の通知の読替えの範囲に合致する場合 社会福祉法第 19 条第１項第１号に基づく厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目の読替えの範 囲等についての一部改正について（令和２年３月６日社援発 0306 第 28 号厚生労働省社会・援護局長通知）
(イ) 履修科目が指定科目に合致するものとして、国から個別に認定を受けた旨の証明書を大学が発行する 場合
(ウ) 社会福祉主事任用資格取得（見込み）を証明する書類を大学が発行する場合
イ 社会福祉法により、都道府県知事の指定する養成機関又は講習会の課程を修了すること
ウ 社会福祉士又は精神保健福祉士の資格を有すること
・・・以下、省略
事務（行政系）を受ける人は、（１）の全区分共通のところを読んでおけばよく、専門職を受けようという方は（２）より下を読んでいけば良い。
今回は横浜市をサンプルとしてますが、どこの試験も大体同じような書き方がされていることがほとんどなので、読み方に慣れておくと今後の情報収集がスムーズでしょう。
学歴の要件を現物で確認
学歴要件を課している試験は公務員試験全体の中では実はレアケースですが、一部わずかながらに存在しています。
そんなところで、学歴要件を課している試験として非常に有名なのが神戸市です。せっかくなので、学歴要件がどんな感じか確認してみましょう。
大卒枠の受験要件のページを確認すると以下の記載あります。
大学卒で２４歳以下の方 または 大学院卒・６年制大学卒で２６歳以下の方（令和６年４月１日時点）
また、こうしたケースの場合、大卒の人は高卒区分を受けれないようになっています。
・大学、短期大学若しくは高等専門学校を卒業した人又は令和６年３月までに卒業する見込みの人は受験できない。
・定時制、通信制の高等学校を令和６年３月までに卒業する見込みの人は、平成６年４月２日以降に生まれた人も受験できる。
こんな感じです。
まとめると、こんな感じです。
ほとんどは年齢でOKなので、まずは年齢条件を確認する
別途で「〇〇卒」という記載があれば学歴要件も存在していると捉える
質問はコメント欄までお寄せください！
今回は「私は受験できますか？」へのご回答として、受験要件の傾向と解説をお話ししました。
そのほか、公務員受験について調べていく中でよくわからんネタについて、今回のように愛をもってご回答申し上げます！
それでは、質問をドシドシお待ちしています！！