見出し画像

ピアノを習うことで子どもの可能性を広げる!〜教育の視点から考える指導法とピアノを習うメリット〜

こんにちは。私は社会科の教員として来年の4月から働く大学4回生です!

ピアノの指導法というタイトルで、社会科教員??と疑問に思う人もいるでしょう。
私は、4歳の頃からピアノを始め、今では趣味としてクラシックを弾いて楽しんでいます。教員採用試験の面接でストレス発散法を聞かれピアノを語るほどです。
そんな教育業界へ足を踏み入れる私ですが、小学生の頃の将来の夢はピアノの先生でした!その夢をいつか叶えるという密かな目標もあります。

今回は、非認知能力についての卒業論文を書いている私が考えるピアノ指導法をご紹介したいと思います!ピアノを習うことで、思考力や判断力が身につくほか、様々なメリットがあると考えています。そのメリットを2つにまとめて紹介し、より効率的にピアノが上達する方法をご紹介します!!

ピアノを習うメリット

1.認知能力と非認知能力を鍛えることができる!

認知能力、非認知能力とは何かをまず説明しますね。

認知能力:読み・書き・IQ(知能指数)・英語力・体力・運動能力など、テストや〇〇検定、〇〇測定で点数(数値)化が可能な能力のこと。
非認知能力:意欲・楽観性、忍耐力・自制心、自信、思いやり、コミュニケーション力など点数(数値)化が困難な能力のこと。

これらの能力をピアノを習うことによって伸ばすことができるのです!!

どういうことか説明していきます。
まずは、認知能力を鍛えるというお話から。

ピアノは、目で楽譜を読み取ったり、耳で聞いたりした演奏を脳で処理し、腕や手などに情報を伝えて指を動かすことで演奏します。
この一連の作業を何回も行っていると、瞬時に楽譜を読み取る判断力、読み取った情報を瞬時に指に伝える瞬発力、楽譜を暗譜する記憶力など様々な能力を身につけることができます。

判断力や記憶力がつけば、認知能力は自ずと向上することが期待できます。
勿論、ピアノが弾ける人=頭のいい人、という考え方は危険です。もしその考え方が成り立てば、ピアノを弾いている人は皆、かてぃんさん(YouTuberであり、演奏家)のようになっているでしょう。

しかし、幼少期からピアノを習っていれば、それなりの能力が身につくと私は考えています。まず、ピアノを演奏することで認知能力が鍛えられるということを説明しました。いかがでしょうか。ピアノを弾くメカニズムが分かれば、納得していただけるのではないでしょうか。

次に、非認知能力を鍛えられるという話をするべきですが、これは具体的な指導法の所で説明したいと思います。なぜなら、ピアノを弾くこと自体が非認知能力を伸ばすことができるわけではないからです。
また後でお話することにしましょう。

次はもう一つのメリットについて紹介します!

2.生涯の趣味の選択肢の一つになる!!


宮城県松島町のストリートピアノ(執筆者撮影)

ここでは、生涯の趣味として楽しんでいる人たちがいることについてお話します。

私自身、ピアノは4歳から始めたので、ピアノ歴18年ということになります。しかし、18年ずっと弾いていたかと言われるとそうではありません。

高校生の時は、ほとんど弾いていません。受験や部活動、ゲームなど他にやることが沢山あったのです。

正直な話、小学生の頃は、やらされているという感覚でした。母親がピアノ教師ということもあり、泣きながら練習していたり、時には遊び疲れて帰ってきた後に、眠すぎて寝ながら弾いていることもありました。今ではなぜ寝ながら演奏できたのか意味が分かりません(笑)

しかし、大学生になってから、好きなJ-popの曲を演奏してInstagramに投稿するのにハマり、暇さえあれば練習しているようになりました。そして、大学3年生頃からクラシックに目覚め、難曲に挑戦するようになりました。

ストリートピアノに出かけて、演奏者と雑談していると、私のように、昔ピアノを習っていて、途中挫折したり、何らかの理由で辞めてしまったけど、大人になって趣味として弾くようになったという人と何人も出会いました。

ストリートピアノを弾く人の中には、習ったことがないけど、You Tubeの動画を見ながら練習して弾いている人などもいました。

ピアノが趣味の選択肢の一つとなっているのです。

ピアノの演奏は、ストレスの緩和や自己肯定感の向上にも大きく寄与し、注意欠陥障害(ADD)の療法としても広く取り入れられているといいます。
(スタインウェイHP参照。https://www.steinway.co.jp/

私も、暇さえあればピアノを弾いているので、いいストレス発散法になっているのだと思います。大人になってから、医学的にもメリットのある趣味が持てることはピアノを習うことの大きなメリットと言えます!

子どもの可能性を広げる指導法

では、どのような指導をすれば、子どもの能力を効率的に伸ばせるのでしょうか。

1.なぜ?をとことん追究する指導法

指導する際、または指導を受ける際に「ここはこう弾きなさい!」とか「この練習法でやれば上手くなるよ!」と言われたことはありませんか?

上手に弾く方法を教えてもらっているのだからいいではないか。そう思う方もいるかもしれません。私の経験上、なぜそう弾くと上手に聞こえるのかを理解していない時には、なかなか実践できません。

では、どのように指導すれば良いのか。例を挙げて紹介します!

「指を丸くして弾こうね。」という指導は4歳の頃から永遠と言われ続けてきました。鍵盤に手をおいた時に、卵を入れるイメージで弾く。こう指導を受けた人が多いと思います。

私が考える指導の会話の理想はこうです。
生徒「先生、上手く弾けないよ〜」
先生「そうだね、なかなかリズムが揃わないよね。どうやったらリズムが取れるのかな?」
生徒「うーん、分からない」
先生「じゃあ、先生がお手本を見せるから、〇〇ちゃんとどう違うかしっかり見ていてね」
           〜演奏中〜
先生「どうだった?〇〇ちゃんの手と何が違う?」
生徒「先生の手の方が丸い!!」
先生「そう!よく気づいたね!じゃあ〇〇ちゃんも丸くして弾いてみよ!」
          〜生徒演奏中〜
先生「すごい!上手に弾けたね!なんで丸くしたら弾けたんだと思う?」
生徒「なんか指が動きやすかった気がする」
先生「そうだよね、例えばドレミからファに行く時、ここの隙間はどうだった?(鍵盤と手のひらの隙間を指差す)」
生徒「丸い方が広くて、楽に動かせる!!」
先生「そう!ここの空間が空くから動きやすいの!どうかな?これから丸い手とさっきの〇〇ちゃんの手、どっちの形で弾けばいいと思う?」
生徒「先生の丸い方の手で弾く!!」
先生「そうだね、じゃあその丸い手を意識して次いってみよう!!」

いかがでしょうか。
子どもにどうしてその手の形が大切なのかを自分で考えさせていましたね。どうして丸く弾かないと上手くできないのか、その理由を分からずにただただ丸くしろと言っても家に帰ったら、すぐにもとに戻ります。

どうして?なぜ?という理由を理解することが上達への近道なのです!

現在、指導をされている方で「そんなすんなり返事は返ってこないよ」「伝えるだけでも上手くなってる子もいるよ」と考えている方もいるかもしれません。
そこは、実際に子ども相手に指導をしたことのない素人指導者なので、なんとも言えません。本当にこの会話ができるのか実践したいくらいです。できないのであれば、他の指導法を探します。

しかし、ピアノに限らず、教育業界では「なぜ」を追究することが大切であると盛んに言われています。社会科の授業でも、ただ知識を教えるだけでなく、なぜそうなるのかを考えさせる方が、思考力・判断力・表現力が身につくとされています。

なぜを追究する指導法、ぜひ実践してみて感想を聞かせてください!!

2.演奏比較練習法

これは、私が行っている練習法です。

私は新しい曲を練習する際、まずはじめにすることは、その曲を聴きまくることです。そして、楽譜を見ながら聴くことです。

スマートフォンなどで気軽に聴きたい音楽を聴けるようになった現在では、楽譜から入る練習法は、特にこだわりが無ければあまりおすすめしません。
頭に入っている曲の方が、より早く弾けるようになります。

そして、ある程度弾けるようになったら、自分の演奏を録音して、プロの演奏と比較する。そして、違う所を修正していく。こんな練習方法をおすすめします。

3.子どもの興味関心のあるものを使う!

ピアノを習わせる時、「とりあえず習わせたい」、「ピアノが弾けてほしい」、「習っていると良いことがあるだろう」、というように親の願望だけで習わせる場合があります。

子どもが習いたいと思っていない場合、練習が続かなかったり、レッスンに消極的になることが多いです。

母のピアノ教室でも、とりあえず習わせてみたものの、家で練習しないという子が多いと言っていました。幼い子で無理やり連れてこられた子や、やる気のない子にはまず興味を持ってもらうことが大切です。

まずは、音を鳴らす楽器で楽しませたり、アンパンマンマーチやディズニーの曲などを聴かせて、ノリノリにさせたりなどの工夫によって、まずはピアノ教室に通うこと自体を楽しみにさせる。いかにピアノに興味を持ってもらうかを考えるのが効果的でしょう。

また、母のピアノ教室では、クラシックを弾く年、発表会で流行りの曲や好きな曲を弾く年など、子どもが楽しいと思えるような発表会を企画しています。好きな曲ならいくらでも練習できるという人もいると思います。それを活用しましょう!!


まとめ

今回の内容をおさらいします。

ピアノを習うメリット①認知能力と非認知能力を鍛えることができる!
ピアノを弾くこと自体、とても脳を使います。判断力や記憶力などが鍛えられるので、幼少期からピアノを習うことは子どもの成長に大きく貢献することでしょう。
ピアノを習うメリット②生涯の趣味の選択肢の一つになる!!
ストリートピアノを弾く人の中には、昔挫折したけど再開した人、習ったことがないけど、好きな曲が弾けるようになりたいといって練習する人など、趣味として楽しむ人がたくさんいます。絶対に趣味にしなくてもいいです!ただ選択肢を増やすだけでも、子どもの可能性を広げることに繋がります!

子どもの可能性を広げる指導法①なぜ?をとことん追究する指導法
なぜ弾けないのかを理解すれば、上達は早くなります。一方的に意見を押し付けるのではなく、子どもとの対話の中で、最適な弾き方を子どもに考えさせましょう。そうすることで子どもの考える力も身につきます。
子どもの可能性を広げる指導法②演奏比較練習法
今の私もやっている練習法。それを比較する際にも、①の指導法が活きてきます。「この動画と何が違う?」と質問し、子どもに理解させることが大切です!自分の演奏と比較する練習法は、スポーツでもよく取り入れられています。ピアノも一緒!違いを見つけることは、どんな練習にも必要です!!
子どもの可能性を広げる指導法③子どもの興味関心のあるものを使う!
子どもがピアノに興味が持てなければ、続きません。まずは、興味を持ってもらうために楽しいことを沢山行ってください。その後は、好きな曲を聴いたり、弾かせたり、子どもの好きと繋げてください。


今回は、ピアノの指導者という小学生の頃の夢を叶えられなかった私が自己満足で書きました。しかし、教育について大学で勉強してきて、子どもの考える力を伸ばすには、子ども自身に考えさせなければ行けないということについては散々学んできました。これを教職課程を履修していないピアノ指導者や親御さんに届けばいいなと思って書きました。

最後に、ピアノを4歳からずっと教えてくれた母には感謝してもしきれません。私はピアノ教室の家で育ったため、ピアノを続けられる環境にあったとはいえ、ピアノがここまで楽しいものだと気付けたのも、細かい指導をしてくれた母のおかげだと思っています。ありがとう。

私は、社会科教員として春から働きますが、この趣味は一生続けます!
1人でも多くの子どもがピアノを好きになり、そして大人になってからも趣味として楽しんで欲しい。全国の指導者の皆さん、私の代わりにピアノの楽しさを子どもたちに伝えてください!!よろしくお願いします!!




いいなと思ったら応援しよう!