第9回ニッポン豆腐屋サミットのレポ--豆腐110丁を味見した、その感想
前回までの話とお礼
前回、「全国屈指の豆腐が一同に会する豆腐品評会とは」という記事を書きました。
一般試食会の宣伝だったのですが、おかげさまでたくさんの方々にご参加いただきました。ありがとうございました。
そして豆腐屋サミットを知らない人たちにも、私が何をやっているのかを知っていただけたみたいです。応援、ありがとうございます!!
さて、今回はそんな豆腐屋サミットを終えてのレポートと感想を残しておこうかな、と。
私の記録であり、メモであり、私的文章です。それを踏まえて読んでいただけたら幸いです。
第5回豆腐品評会の最終結果!!
先に結果を記載しておきます。私のゴチャゴチャ話はその後で。
当日、出品していない豆腐もあったので、発表時に流れた動画(株式会社天堂ストラテジー様作)から切り取った写真を拝借しております。表彰を盛り上げる見事な動画でしたので、その空気が少しでも伝われば幸いです。見にくい箇所もあるかと思いますが、ご容赦ください。
◇農林水産大臣賞(最優秀賞)&食料産業局長賞(金賞)
最優秀賞は、小さな風船ヨーヨーを思わせる形状が可愛らしい充填豆腐が受賞されました!!
◎充填 「プチ玉(香)」 ささはら豆腐店 (宮城)
金賞受賞豆腐は、以下の通りです。
◎絹ごし 「霜里絹豆腐」 (株)とうふ工房わたなべ (埼玉)
◎木綿 「特選木綿」 (株)とうふ工房ゆう (東京)
◎寄せ/おぼろ 「香おぼろ」 兎豆屋(宮城)
本当に、おめでとうございます。
◇全国農業協同組合連合会賞(銀賞)
〇絹ごし 「特選絹ごし」 (株)とうふ工房ゆう (東京)
〇木綿 「霜里もめん豆腐」 (株)とうふ工房わたなべ (埼玉)
〇寄せ/おぼろ 「青大豆よせ」 湯河原源十二庵 (神奈川)
〇充填 「北の大豆 濃厚おぼろとうふ」 太子食品(株)(熊本)
◇全国豆腐連合会賞(銅賞)
●絹ごし 「極上きぬ豆腐」ささはら豆腐店 (宮城)
●木綿 「しお学舎の生にがりもめん」今井とうふ (大阪)
●寄せ/おぼろ 「霜里おぼろ豆腐」(株)とうふ工房わたなべ (埼玉)
●充填豆腐 「充てん こいまろ」(株)村のおっさん(徳島)
◇輸入大豆
■アメリカ大豆サステイナビリティアワード
「こくとろ。」 さとの雪食品(株)徳島
■カナダ大豆賞
「南アルプス きぬ」 (有)嵯西豆腐工房 横山食品 (山梨)
◇農研機構賞
(在来品種の大豆を使った豆腐に送られる賞)
〇木綿 「もめん豆腐(塩で食べるとおいしい豆腐)」豆腐屋おはら(福島)
〇絹ごし 「幻の極 絹豆腐」とうふ工房 味華(群馬)
〇寄せ/おぼろ 「八天狗おぼろ」森政食品(福岡)
〇充填「絹香」上田とうふ(株) (京都)
審査は10月2日に既に終えていたので、全ての豆腐を食べることはできませんでしたが、受賞された豆腐はほぼ味見をさせていただきました!! ありがとうございます。
ほとんどのお豆腐が、取り寄せ可能なので、HPをチェックしてみてください。から通販で手に入れることもできるので取り寄せてみては。
ちなみに今年は179業者から480点の豆腐が参加したとのこと。すごい!
結果が出る場に参加することの意味はそれぞれだと思いますが、評価される場に出ることには大変な労力があるはず。それこそ、真の意味で参加することに意義がある場だったのではないかと思いました。
1日目のハイライト:一般試食会
今回、私のメインイベントはこれ。豆腐試食会!!
普段はサミット参加者しか参加できない豆腐の品評会に、一般の方々が参加して、全国にあるおいしい豆腐を身近に感じてもらいます。
当日は、地域別にズラリと並んだ豆腐が110品を試食していただきます。
もちろん私も110品味見しました!
それでは、試食会で個人的に気になったことをメモしておこうと思います。
ミヤギシロメを使った豆腐が台頭!?
豆腐サミット開催前、全国の予選で勝ち抜いた豆腐のラインナップを見て、思っていたこと。
(ミヤギシロメ、多くね?)
素人丸出しな感想ですが、ご容赦ください。
豆腐の料理本を出していながら、豆腐屋サミットへの参加が初めてだったし、参加したことあるのは予選会だけなので…。
表示から読み取れる情報になりますが、ミヤギシロメを使った豆腐は7つほど。これはなかなか気になる数でした。
聞いてみたら、昨年ミヤギシロメを使用した豆腐が多く入賞していたのでトレンドなのかも、とのこと。
へえ。そうなんだ。ミヤギシロメって、どんな大豆なのだろう…
はい、調べてみました。
ミヤギシロメとは…
・大豆の栽培面積が北海道についで第2位の産地、宮城県で作られている。
・味・風味がよく宮城県のみの奨励品種。
・大粒(だいりゅう)の大豆で、大豆の芽(へそ)が白いことからその名がつけられた。
・加熱後にエグ味が抑えられので、ほんのりとした甘味がほかの大豆を上回り豆腐の原料として最適の品種と注目されている。
・その他、味噌、納豆、和菓子、煮豆の材料としても用いられている。
自分は岡山在住なので、よく目にする大豆と言えばフクユタカとユキホマレ。ミヤギシロメが身近になかったので気付かなかっただけで、実はめちゃくちゃミヤギシロメは勢いのある大豆だったんですね。
無知って恥ずかしい…。
大豆の違いは伝わるのか…
はい、伝わります。大豆の味は、ダイレクトに豆腐の味に反映されます。
だからこそ、豆腐屋さんはおいしい大豆を探しています。
ちなみに大豆は、国がおすすめしている奨励品種(端的に言うとたくさん作っている)と、地域に根差した在来品種(地域に特化して作っている)があります。
また、豆腐は単一品種で作っているものと、ブレンドして作っているものがあります。
どっちがいいも悪いもありませんが、選択肢に幅があると、たくさんの味わいが生まれます。あと、価格も色々。
だから、そのときの自分に合ったものを選べる。
それって、おいしいがたくさんになるので、最高だなぁ、なんて思っています。
そして、ちょっと違うかもしれませんが、こういう選択肢の幅ってコーヒーに通じるものがあるなぁと思っています。
品種の傾向を知っておけば、好みの味を手に入れやすくなり、毎日の食卓が自分好みになるのではないでしょうか。
なので、豆腐を選ぶときは大豆に注目してみてください。きっと今までと違う豆腐の奥深さを感じることができると思います。
そのうち、「北海道の大豆が好き」とか、「九州で育った大豆の豆腐がいい」などのマニアックな世界へと足を踏み入れられるかもしれませんね。(私はまだそこまでいっていません)
品評会で見かけた地元産の大豆を使った豆腐もたくさんありました。
香り豆(宮城)、小糸在来(千葉)、もち大豆(兵庫)、青山在来(埼玉)、天狗豆(熊本)などなど。
地域ならではの大豆を使った豆腐は、それだけで大きな魅力となるので応援したくなりますね。だって、地元の農業が元気だと、おいしいものがいっぱい食べられるじゃないですか。(単純かつ楽天家)
ついでに大豆は健康にも環境にもいいし…。
よって、今後もこうした豆腐がどんどん増えるのではないかと思っています。なので豆腐をもっと知りたいなという方は、ぜひぜひ地元の豆腐屋さんから開拓してみてください。
きっと、もっと奥深い豆腐の世界がそこにあると思います。
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さて、気づいたら3000字も書いていました。なので、続きはまた今度。
もう少し語りたいことがあったので、次は豆腐のパッケージ、料理しやすい豆腐、リピートしたくなる豆腐について書きたいと思います。(予定)