東京に住む龍 第六話日曜日なんで地獄に行ってみた④
その週は期末試験で、辰麿を放り出して過ごした。辰麿の様子をちらりと見ると、書斎のパソコンに向かいながら、まだドラゴンのビザ発給の件で地獄の役所とやり合っていた。秋葉原に連れて行って上げたいそうだ。
深夜までレポートを仕上げて、翌朝遅く起きた日曜日、遅め朝食を食べていたら、辰麿が突然地獄に行くからと伝えて来た。「ふぇ」となってしまったが、お着換えの間には緑の着物を着た眷属が控えていて、お気に入りの縮緬小紋の濃い瑠璃色の地に、椿の柄の長着に、籠目模様の昼夜帯を矢立て結びにし、