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「正月って気づいたら終わってるよなwww誰かキング・クリムゾン使ってるだろwww」と言った友人は超時空ミキサーに巻き込まれ爆裂死した。

「正月って気づいたら終わってるよなwww誰かキング・クリムゾン使ってるだろwww」
と言った友人は超時空ミキサーに巻き込まれ爆裂死した。
 粉々になった彼の、わずかに残った残骸―削りカスと言うべきか―を集め、僕はそれを手土産に大戸屋のバイト面接に挑んだ。大学入学の頃に買った、右乳首と左キンタマの部分に、ジャン=クロード・ヴァン・ダムが刺繍されているスーツに身を包んで。

 面接官は強面の男だった。28年間、アルバイトの経験が一切なく、YouTubeで『フロアジャッキが車体を持ち上げる動画』を漁りながらセンズリすることを日課としている僕は、その面接官の放つ威圧感に一瞬たじろいだ。そんな僕の隙を、面接官は見逃さなかった。
「正月って気づいたら終わってるよなwww誰かキング・クリムゾン使ってるだろwww」
 高笑いをする面接官の口から、何かが零れ落ちた。見るとそれは、友人の左眼だった。網膜に刻まれたキュアサニーのタトゥーがその何よりの証だ。その時僕は悟った。超時空ミキサーの正体はこの面接官だったのだ。
「長年追い求めた謎が、まさかこんな形で…」
思わず笑みがこぼれる。そう、僕は超時空ミキサーの謎を解明することを命じられたMI6のエージェント。ここで会ったが百年目。Japaneseはこういう状況のことを、こう表現するのだろう?

 僕は超時空ミキサーと化した面接官に近づく。右乳首と左キンタマのジャン=クロード・ヴァン・ダムが、僕に闘志を与えてくれる。
 今なら殺れる…!そう思った瞬間!まさに一瞬の出来事!
 僕は超時空ミキサーに巻き込まれ爆裂死した。

初夢や 塵と消えにし ジャン=クロード・ヴァン・ダム

 今年も一年、よろしくお願いします。

「おー、面白いじゃねーか。一杯奢ってやるよ」 くらいのテンションでサポート頂ければ飛び上がって喜びます。 いつか何かの形で皆様にお返しします。 願わくは、文章で。