#1 らんちゅうの飼育日記はじめます
2019年5月初旬、東京都江戸川区にある佐々木養魚場で、2匹のらんちゅうの赤ちゃんを買いました。「金魚の王様」とも言われるらんちゅうです。
その日まで、本格的な金魚のお店に行くのも金魚の赤ちゃんをきちんと見るのも初めてでした。大きな洗面器に数えきれない数の赤ちゃんがちょろちょろ泳いでいます。全長3センチにも満たないフナ色の魚たちです。ペットショップの金魚コーナーでは見たことがない光景です。
赤ちゃんの水槽の周りには、大人の立派ならんちゅうが1つの洗面器に1匹ずつ泳いでいます。各水槽には札が浮いていて、「極上」とか「○○系(人の苗字)」といった肩書き?と共に28,000円とか49,800円と書かれています。高い!
それに対して赤ちゃん、5匹セットで600円、肩書きはなし。
「安いよね」「安いね」。連れのお方と話します。「でも最低5匹かあ。5匹なんて飼えないよねえ」「え、飼う気?」「いやいや…笑」。
そう、金魚を飼うために養魚場に行ったのではありません。ただ行ってみたかっただけでした。すでに2匹のコメットという品種を飼っているので金魚には興味があり、色々と見てみたかっただけでした。
「飼う人によっては5匹って多いよねえ、バラで売ってくれるのかなあ」「聞くだけ聞いてみようか」「うん、飼わないけどね」と、養魚場のご主人にバラ売りが可能かどうかを聞くと、可能とのこと。つまり、1匹120円。安い!
その会話の流れで、性別の見分け方とか水換えとか餌やりとか、以前から聞きたかった金魚の性質や世話に関することを色々を尋ねていると、我々のらんちゅうの赤ちゃんに対する興味がダダ漏れだったのでしょう、「何匹か掬って見てみますか」と勧められました。「これは多分メスですよ、これはオスですね」などと教えてもらいながら、自分たちで選んだメスとオスと思われる元気な2匹の魚を、透明のプラケースで横からまじまじと見ると途端に愛着がわき…。そこからエアレーションの設備や赤ちゃん用の餌などを揃えていつの間にやら会計が終わっていました。合計1,700円くらいだったでしょうか。
その日から、1ヶ月が経ちました。
すくすくと育っています。体長は1.5倍ほどになり、お腹も丸々となりました。赤ちゃん用の餌は卒業し、大人も食べる生き餌やペレットをガツガツと食べています。「人が餌をまく」ということも覚えたようで、水面に手を近づけるとスズキ(と名付けた方の金魚)は水面を見上げ、寄ってきます。
下の写真は買った日の2匹です。上がポニョ(♀?)、下がスズキ(♂?)。
金魚は成長段階で名前が付いていて、針子、青子、黒子、そして色変わりして大人になります。現時点で2匹は、青子の段階。どんな色になるのか、とても楽しみです。
飼うにあたってご主人から、らんちゅうの世話の基本中の基本を教えてもらいました。水換えは(水槽の大きさにもよるが)週に2回はして清潔に保つ、古い水と新しい水の温度は揃える、餌の量は食べっぷりを見ながら調整していくなどなど。丈夫で飼いやすいと言われるコメットと違ってちょっと大変そうだなと思いました。
コメットを飼育するために買った本「金魚 長く、楽しく飼うための本」(岡本信明、川田洋之介)にも、「コメット:飼育=やさしい」に対して、「らんちゅう:飼育=やや難しい」と書かれています。コメットと同じ飼い方ではダメそうです。
コメットってこういう魚です↓
飼った以上は健康で立派で幸せな金魚にしたいので、良い世話を身につけるべく色々調べてみました。すると、餌のこと、水換えのこと、水質のこと、さらには水槽の「形」や「水深」のこと、冬眠明けの世話の仕方、人工的な繁殖のことなどらんちゅうに関するあらゆる情報が本当に細々と、膨大な量で存在していることがわかりました。
情報源の多くはブリーダーと呼ばれる長いキャリアのある方で、大きくて良い設備で大量に育てています。室内で小規模に飼っている僕はノウハウの全てを取り入れることはできませんが、それでもどんな餌がよく育つのかとか、どんな水質にすれば健康的になるのかなど基本的ですぐに取り入れられることから少しずつ実践しています。例えば現在与えている餌は、「らんちゅうディスク(増体用)」「冷凍アカムシ」「活きイトメ(イトミミズみたいなやつ)」などで、コメットだけを飼育していた時とは随分と豪華になりました。(ちなみに2匹のコメットも餌のグレードアップの恩恵に預かっています。)しかし、まだまだ研究の余地がありそうです。
らんちゅうの情報を調べていると「品評会」が気になるようになりました。全国各地でらんちゅうの品評会が行われています。愛好家やブリーダーが自慢の金魚を持ち寄り、相撲の番付形式?で体型や美しさを競います。単にお店で買って育てただけでなく、何年もかけて自分好みの血統を代々作っているみたいです。「自分の金魚を作る」。その辺りが、なんか惹かれます。
らんちゅうを買った後日、改めて佐々木養魚場を訪れ、先ほどのご主人に品評会に出せる金魚の条件を聞きました。基本的にはらんちゅうであればなんでも良いようです。ただし、入賞するためにはやはりそれなりの魚を出さなければならないようです。評価のポイントも勉強しなければなりません。
noteではこれから、スズキとポニョを主役に据え、らんちゅうの飼育に関する情報や自分なりに取り入れてみたこと、品評会へのチャレンジ(できるかどうかはわかりませんが)などを少しずつアップしていこうと思います。時々、2匹のコメットのことも書きたいです。この2匹、結構個性が強くて面白いんです。ちなみに「日記」とは書いていますが、毎日は更新しませんのでご了承くださいませ。どうぞ、よろしくお願いいたします。
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