コミュニティ放送 開局への散歩道☆彡⑥
コミュニティ放送 開局への散歩道☆彡
006〔コミュニティ放送局の放送番組②〕
放送番組といっても、事前に準備が必要なものもあれば、臨機応変に対応しなければならない放送番組もあります。
例えば、災害等の放送は、「暴風、豪雨、洪水、地震、大規模な火事その他による災害が発生し、又は発生するおそれがある場合には、その発生を予防し、又はその被害を軽減するために役立つ放送をするようにしなければならない。」(放送法第108条(災害の場合の放送の抜粋) )と定められています。
一般の方の認識の中には、災害時は、どんなことがあっても、「放送を継続しなければならない」という思い込みが見受けられます。
コミュニティ放送局は、災害や防災を目的としたものではないので、電波法令等により、応急復旧器材の配備や耐震(震度5弱以上)、停電対策等の事項が免除されています。
そのうえで、地方自治体とコミュニティ放送局が、いわゆる防災協定を結び、緊急割込装置や災害時等で継続放送を実施するための自動起動式発電機等の設置や運用、保守等の費用は、コミュニティ放送局の設備を利用するため、地方自治体等の利用者側が負担します。(原則的なお話)
また、中には、市内各所にあるスピーカを付けた鉄塔で、市役所等からのお知らせを無線で行う「防災同報無線」というのがありますが、これを廃止し、コミュニティ放送局の電波を利用して、通常のお知らせの他、災害時には、市役所等から信号を送って、放送を中断させ、ラジオを自動起動させる信号を送り、緊急のお知らせに切り替えるところもあります。(費用対効果もあります。)
いずれにしても、コミュニティ放送局としては、地震のように突然襲ってくる災害にも、可能な限り、被災の状況等により、放送休止や、時間を指定しての定時放送と臨時放送を組み合わせて行うなど、より細かい運用を求められることあります。
加えて、コミュニティ放送局の中には、交通情報など、街で起きている出来事等を情報収集して、放送で流す体制をとるため、放送局を応援する団体を設立して、その会員から情報を発信してもらっているところもあります。
しかし、災害情報は、思った以上に集まりにくいものです。
災害情報を発信する国や地方自治体等がお休みだったり、みんなが被災者になっていることも考えられます。
放送局の運用を効率よくするためには、少なくとも、平日、土・日祭日の番組構成をよく考え、災害時の通常放送から災害時放送への切替とその逆等々を考えなければなりません。
また、短時間で放送番組の編成設定(CMや楽曲をマウスで任意の順番で設定、削除等)できるシステムの採用なども考えなければなりません。
お手伝いしている放送局では、各放送局が同一システムを使用することで、相互に番組や楽曲、CMをやり取りし、災害時等では、応援できるだけでなく、救援できる放送局の番組の一部を中継してもらうなど、被災地で放送に従事する方々の業務量の軽減にも役立ちます。
放送番組の構成や中継等の方式を踏まえ
無駄のない
そして、将来を見据えての増設可能な放送設備の選択
最後に、前述の「街で起きている出来事等を情報収集して、放送で流す体制をとるため、放送局を応援する団体」の話をしているとき、「そんなの長続きしない」をはじめとする(否定的な)意見が多数出ることがあります。
いつも、人間の直感って、すごいと思います。
能動的、受動的、立場を、瞬時に切り替えながら聞いているのでしょう。
これは、言い換えれば、「私自身、他人も、こんなものには、(面倒くさいので)参加しない。」、「誰が管理するの」とも聞こえます。
そこには、もう、聴取者に喜ばれる、一緒に創る放送番組(商品)を制作するという、局員としての一番大切にしなければならないことが、ここには、ないようにも思います。
このような否定的に聞こえる意見が出たとき「肯定的に行動する」という考えに立たないと、喜ばれる放送番組は、制作できないとも感じています。
実は、この団体の活動は、放送局全体で知恵を絞り、予想以上に機能しています。
さて、どうすれば、継続的で効果的な機能運用ができるのか、みなさんも考えてみましょう。
次回は、〔電波の条約と日本の超短波放送〕です。