若林恵さんのこと
今月、黒鳥社という会社が誕生した。
雑誌『WIRED』で5年にわたり編集長を務めた若林恵さんが立ち上げた会社だ。
ぼくと若林さんの付き合いはごく最近で、正直なところ「全く」深くない。
2016年の年末に『ブロックチェーン・レボリューション』という本の解説をお願いして、そのやりとりでメールを4、5通かわしたくらいだ。
そのきっかけになった『WIRED』編集長として書かれた連載も、読み始めたのは2015年。『WIRED』が人工知能の特集を始めてからで、読者としても“にわか”に入る。
だから、3ヶ月ぶりのnoteにわざわざこんな文章をあげるのは不思議な気もするが、どうしても書かねばならない気がしてパソコンに向かっている。
書きながら気づいたその理由は、たぶん、若林さんが「雑誌編集者」として日本最高の人材だからだ。自分も編集者の端くれなので、ネットだけであろうが、メール数通のやり取りだろうが、相手の才能のようなものはだいたい一瞬でわかる(ことがある)。
若林さんが独立して成功しないようであれば、編集者という人種に未来はない。そんなことが許せるのか?というのが根っこのところにある気持ちなのだ(そういえば、同じようなことは、加藤貞顕さんがピースオブケイクを立ち上げたときにも考えた)。
もしこの文章で若林さんの存在を初めて知ったという人がいたら、今後は絶対にフォローしてほしい。編集者という職種の存在意義を、「編集」という仕事の基準を、誰よりも明確に伝えてくれるはずだ。
なお、若林さんの初めての著作『さよなら未来』には、上記『ブロックチェーン・レボリューション』の解説、「夢のつづき」も収録されている。この文章を生み出す依頼ができたことは、たぶん一生の自慢になる。
※『さよなら未来』についてはこちらの特設サイトも。
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