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27年目の私の「まち眼鏡」

坪井 美寿咲

谷根千ご近所エリア初。誰かの目線で暮らしが深まるローカルメディア「まちまち眼鏡店」。

前回の「副店長」柳に続き、今回はまちまち眼鏡店の運営スタッフである、「店長」坪井自身のまちの見方(眼鏡)についてお伝えしたいと思います。

私は「まちまち眼鏡店」の活動エリアである、東京の台東区谷中で工務店を営む、大工の家系に産まれ育ちました。実家の工務店は曾祖父の代に創業し、私の父の代で3世代目。91歳になる祖父は約15年ほど町会長を務め、父も大工仕事を行いながらも、消防団や町内会の活動に日々大忙し。そんな家族のもとこのまちで暮らし今年で27年になる私ですが、社会人生活のほとんどの時間を「某夢の国」の世界で過ごしてきました。

物心ついた頃からテーマパークの世界観に憧れを抱き、専門学校卒業後「某夢の国直営ホテル」に就職しました。アルバイト含め約4年間、舞浜と谷中の往復生活を過ごした後、2020年1月からアメリカフロリダ州にある本場テーマパークに拠点を移し、日本代表キャストとして務めておりました。しかし渡米直後コロナウイルスの感染拡大の影響で、関連施設は全館無期限の休業。暮らしていた寮も閉鎖され帰国せざるを得ない状況となり、夢に見ていた本場での生活は、あっけなく幕を閉じる事となりました。

想定外の離職から転職活動をはじめるものの、テーマパークやホテル業の求人情報もコロナ渦では少なく、希望の業界に挑戦する事すらできずにいた中でご縁を頂いたのが、本サイトを運営している「株式会社HAGISO」でした。「世界に誇れる日常を生み出す」をモットーに、地元谷中を中心に、設計、飲食、宿泊事業を運営しており、私は宿泊部門hanareのマネージャーとしてチームに加わることになりました。転職して1年、宿や各店舗にいらっしゃるお客様、会社の仲間、まちの商店の皆さん。様々な人の「まちの見方」に触れるようになり、暮らすだけでは気づくことが出来なかった、新たなまちの魅力を知ることが出来ました。

それぞれの関係性を問わず、このまちを通じて出会えた皆さんと一緒に、まちの見方(眼鏡)を発見し、まちを巡り、新たな出逢いが生まれ、出逢いが連鎖する。「まちまち眼鏡店」が、誰かの暮らしが豊かになる、自分が暮らすまちに目を向けるきっかけとなれるよう、自分の眼鏡も大切にしながら丁寧に取り組んで参りたいと思います。


<プロフィール>
坪井 美寿咲
「まちまち眼鏡店」店長 まちやどhanareマネージャー
1995年生まれ。台東区谷中出身。ホテルマンとして6年勤務の後、現在地元谷中にて活動。
HP:https://hanare.hagiso.jp/


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