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「これからの生きのびるための学びについて 」石川琢也

EDIT LOCAL LABORATORYが毎月会員向けに配信しているメールマガジンより、会員リレーコラムのご紹介です。全国で活動するメンバーがそれぞれの現場での実践やEDIT LOCAL LABORATORYに参加した理由など、ご寄稿いただいております。みなさまもぜひ覗いてみてくださいね。

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「これからの生きのびるための学びについて  」

石川琢也

 山口情報芸術センター [YCAM]エデュケーター 石川です。YCAMでは地域プロジェクト、教育普及、音楽施策を担当しています。今年度はスポーツハッカソンも担っていまして、エデュケーターの概念がよくわからなくなり始めています。さて、突然ですが、私が地域プロジェクトを進める中で、ひとつ心に留めている言葉がありまして、そちらを紹介したいと思います。私は2013年に岐阜県にある情報科学芸術大学院大学 IAMASを卒業し、その卒業式において、当時研究科長(現学長)の三輪 眞弘教授の挨拶に「活躍してもしなくてもいいから生きのびてください。」という言葉がありました。

 地域において生きのびるためには、どうすればいいか、そんなことを思い進めたプロジェクトとして、YCAMで2016年に開催したプログラムとして影山さんも講師として参加頂いた、RADLOCAL2というイベントがあります。プログラム概要は以下のようなものです。”

 ”「RADLOCAL」は、「地域課題」や「公共空間」に対し、その課題を見つけ出し、幅広い発想力によって適切な解決策を提案できるプロデューサーやプランナーなど、地域の新しい視点からの文化の創造を担うエキスパートのための4 日間の人材育成プログラムです。”
https://special.ycam.jp/radlocal/2016/

 私はRADLOCALを地域において生きのびるための素養を身につけるためのプログラムとしてとらえています。つまり、地域にあるさまざまを空間、人、モノ、技術、歴史、法、行政を素材として捉え直し、組み合わせ、表現やサービス、メディアに転換していける人を育成する事業です。これらは別の捉え方としては、ブリコラージュでも、サンプリングでも、ハックとも言うことができるでしょう。それに伴い、おもしろがれる能力も大事です。素材として見るにも、物事を面白がれる能力があってこそその本領を発揮しますし、しばしばアートはその役割を果たします。

 ちなみに、来月開催されるスポーツハッカソンも、既存の運動会競技とテクノロジーツールを組み合わせ新しい競技を作ることで、生きのびるための素養を身体的に身につけるためのプログラムだと考えています。地域のみならず、地球規模でのいじわるな問題(Wicked problem)があふれる中で、こうした能力をどのように育むことができるのか、EDIT LOCAL LABにおいてこうした視点や手法を発見し、制作していける場になること期待しています。それでは今後とも、よろしくお願いいたします!

Profile
1984年和歌山県生まれ。WEBサービス企業においてUI・UXディレクターとして働いた後、2013年情報科学芸術大学院大学(IAMAS)に入学。2016年4月、山口情報芸術センター[YCAM]のスタッフに着任。地域プロジェクト、教育普及、音楽施策を担当。

(本記事は、EDIT LOCAL LABORATORYメールマガジン01 より抜粋したものです)

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