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山に登った
TL;DR
木曽駒ケ岳に登ったらとても良かったです。
経緯
山に登ろうと思っていました。少なくとも2020年の夏くらいから。
どうにもならない心がもやもやが、山にでも行ったら少しは晴れるのではないかと思ったからです。
はるか昔に写真と旅行を趣味にしていたこともあり、身の回りの道具がやたらとアウトドア向きなことに気づきました。ここ数年どうも人込みには行きづらい風潮でしたし、自然の少ないところに暮らしているし、そもそも人がそんなに得意ではないので、山登りはちょうどいいと思っていました。
そんな折にソロキャンプが流行り始めてこれもよいなと思ったのですが、やはり車がないと難しいらしい。じゃあとりあえず山でも登ってみるかと思い立ったのでした。バスで行けるしね。
2020年夏、一度登山計画を立ててみたものの、流行り病で機を逃して失敗。ぼんやりしていたら冬になってしまったので次の年にチャレンジしようと思いました。気晴らし程度に高尾山に登りました。
2021年夏、今年こそはと思って見たもののオリンピックを見たりゲームをしたりしていたら山登りを忘れてしまいました。思い出した頃に高尾山には登りました。それではまた来年。
2022年夏、今年こそはと重い腰を上げて本格的な計画を練り始めました。3年連続で高尾山に逃げてはなるまい。
前述のように道具は揃っていました。完全防水のバッグ・ちょっと良いレインコート・つばの大きい帽子・ヘッドライトまであって唯一無かったのが登山靴でした。これは近所の石井スポーツに行って買いました。事情を全部話して分相応なものを購入しました。今回の登山で一番お金がかかったのは登山靴でした。
ところで肝心のどの山に登るのかという話ですが、これも随分と前から乗鞍岳に登りたいと目星をつけていました。今まで高尾山・茶臼岳くらいしか上ったことが無く登山は初心者です。途中までバスで行けて・道も整備されていて・でも3000mはあるのでなんちゃって登山にはちょうど良いと思っていました。
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あとは天気との相談です。一泊する予定だったのですが、宿泊しようとしていた山荘は人気で空いている日は曇り日しかありませんでした。仕方がないので曇りでもいいからと山荘を予約しました。
それで最初は8月の上旬を予定しました。雨でした。自然が相手なので仕方ないと思い山荘にキャンセルの電話を入れて、リスケしました。
8月の後半に予定を変更しました。台風が来ました。台風なら仕方がないと思い諦めました。少し悲しくなりつつ山荘にキャンセルの電話を入れて、リスケしました。
9月の上旬に再度予定を変更しました。登山2日前に山荘から電話があり、道が崩落したとのことでした。悲しみはなく、もうどうでもいいやという気持ちになりました。気持ちは冷めてしまい、つくづく運がないなと思いました。
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その2日後くらいに登山するという噂を聞きつけた家族から、乗鞍岳に熊が出たという話を聞きました。そんなことを言われてはもう神は乗鞍に行くなと言っているのだと考えました。これ以上傷口に塩を塗らないでほしい。
しかし、靴は買ったし、行くと決めてしまったがいけないこの中途半端な気持ちをどうしてくれようかと思い数日、木曽駒ケ岳もあったなと気づきました。幸い向こう数日間の天気は快晴で、予定も空いている。気づいてからの行動は速く、翌々日には長野県伊那市に向かうのでした。
前置きが長いよ。
1日目
意外と遠いので一泊しました。前乗りというやつです。
木曽駒ケ岳は長野県にあります。都内からは新宿からバスが出ているのでそれで行くのが安く・早く・楽な方法だと思います。
ちなみに、駒ヶ岳という山は日本にたくさんあるので木曽をつけないと一意に定まりません。
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バスタ新宿発で往復の交通手段の全てが11,000円というお得な切符があります。これで伊那市まで行きます。
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木曽駒ケ岳行きのバスは駒ヶ根駅から出ますが、駒ヶ根駅周辺にはちょうど良い宿がありませんでした。伊那市駅で降りて一泊します。
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2日目
木曽駒ケ岳までは、伊那市駅→(飯田線)→駒ヶ根駅→(路線バス)→しらび平→(ロープウェイ)→千畳敷→(登山)→木曽駒ケ岳、という経路です。
近くのコンビニで食料と水分を買い込み、伊那市駅を朝6:18発の飯田線で駒ヶ根駅まで向かいます。乗車時間は20分ほど。キングオブローカル線の呼び声高い飯田線です。初めての乗車でした。
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駒ヶ根駅まで到着すると、駅前にはそれらしき人達が路線バスを待っています。この時期は7:00発が始発。無事に乗り込み40分ほど揺られます。
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しらび平駅に到着。
ここでロープウェイに乗り標高2611mまで行きます。楽ちんです。8:00発が始発です。これも無事に乗り込みいざ千畳敷駅へ。
木曽駒ケ岳RTAここまで理論値です。
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千畳敷駅到着。
ホテルも併設されている立派な観光地です。この時点ですでに雲の上。その辺を歩くだけなら登山靴はいりません。駅にはロッカーがあるのでなぜか鞄に入っているパソコンやらiPadやらを預けます。15インチのゲーミングノートPCともここでおさらばです。これがないだけで随分と楽になる。
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駅を出ると千畳敷カールのお出迎えです。すげ~
ここからカメラを取り出します。三脚も持ってきましたがこれはロッカーに置いておいてよかったかもしれない。
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千畳敷カールは氷河が削って出来た地形らしいです。うっすらとスコットランドの景色を思い出します。あそこも似たような地形だった。
見渡すと高山植物のシーズンは過ぎていますが、ナナカマド?の実がそこかしこに自生しています。ここから登山口までは非常に気持ちの良いハイキングコースです。
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登山はこの千畳敷カールを超えるところから始まります。八丁坂と言って急こう配の坂を登るとそこが乗越浄土。この坂が今回の登山の中で一番きついです。最初からクライマックスです。
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この八丁坂を40分ほどかけて登ります。普段家にいてばかりの生活なのでちょっと動くだけですぐ息が切れる。虫の息で乗越浄土までたどり着いた時の達成感たるや!遠くには富士山も見えました。
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乗越浄土からの道は大きく三方向に分かれます。(1)伊那前岳方面, (2)宝剣岳方面, (3)木曽駒ケ岳方面です。
(1)伊那前岳はよくわかりません。(2)宝剣岳は私のような初心者が登れる山ではありません。ということで乗越浄土で遅い朝食を済ませて(3)木曽駒ケ岳方面へ向かいます。
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木曽駒ケ岳までは一度中岳という山を越える必要があります。といっても殆どハイキングのようなもので、道は非常に整備されていました。
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中岳を超えるといよいよ木曽駒ケ岳が見えてきます。一度下ってまた登る。
ということは帰りも登るのか…と思いながら山頂へ向かいます。
左手には御嶽山。雲一つない快晴で日本アルプスの山々をこれでもかと望むことが出来ました。
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ここまで来れば山頂も見え、足取りも快調です。乗越浄土から40分ほど歩いて木曽駒ケ岳の山頂に到着しました。ここまで集団の先頭を歩いてきたこともあり、山頂に人は少なく写真も取り放題です。随分と遠くまで来ました。
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御嶽山って意外と標高高いということを知りました。月も出ていていい景色です。周囲はどこを撮っても絵になります。
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山頂でぼんやりしていたら草むらに何か動くものを発見。
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ライチョウって絶滅危惧種なので珍しいのかと思えば、意外と会えるそうです。ただ珍しい?のは木曽駒ケ岳のライチョウの生態を経過観察する方がその場にいらっしゃったことです。ライチョウの生態・食生活・鳴き声の種類など詳しく教えていただきました。これはラッキーでした。
ぼんやりとしていたら、山頂で1時間ほど過ごしてしましました。
そろそろ帰ります。
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千畳敷を降りてからは麓の「こまくさの湯」に入り、長野県名物の野沢菜のおやきを食べて帰りました。お得な往復切符にはこまくさの湯50円引きのチケットもついていたので有効活用です。
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おわりに
あまりにも天気が良すぎたのでとんでもない日焼けをしました。