都市だから面白い!ルーフトップ・ガーデンEdible KAYABAENではガーデナーを募集します!!🌱
アーバンファーミングで都市をもっと生態系ゆたかに、美しくしたい人、集まれ!
ここは、世界で一番人口の多い都市、東京。その中にあって日本一お金が集まる街〈日本橋兜町・茅場町〉に、アーバンファーミングの実験的ガーデンEdible KAYABAENはあります。昭和レトロの雰囲気を漂わす東京証券会館のビルの屋上、そこが私たちのフィールドです。すぐ隣のJPX-証券取引所では毎日株価が上がったり下がったりしていますが、それを横目に、ここでは人が生きるために必要な食べものを育て、大都市東京でも様々な生き物たちが棲む生態系ゆたかなガーデンができることを実証しています。この挑戦のエネルギーの要は人の情熱と好奇心、科学・工学とのコラボレーションです。私たちは、ここで一緒にガーデンを育て、創造的な挑戦をしたいガーデナーを募集しています。
1月も半ばを過ぎ、大寒を迎えた季節。
にもかかわらず、Edible KAYABAENでは季節外れのヒマワリが大輪の花を咲かせていました。
「ここは東京なのに東京じゃない場所」
そう語るのは、ソイちゃんこと土屋泉さん。
開園当初からガーデナーとしてKAYABAENに関わっているメンバーです。
階下はビジネスマンが行き交う喧騒の街、でもひとたび屋上へ上がって来るともう別世界。緑あふれる安らぎの空間が広がります。日々KAYABAENで植物たちのお世話をしている中でどんなことを感じているか、ソイちゃんに聞いてみました。
「温暖化の影響もありますが、太陽が近い分、地上よりもずっと気温は高く、そのため植物の生育も屋上ならではの現象が観られます。例えば、夏野菜はゴールデンウィーク前に苗を植えることが大事で、後だと暑さに負けてしまいます。またグリーンカーテンを目的に植えたツル性のパッションフルーツが12月に30個以上も収穫できてしまったり、予想できないことばかり、そこが面白い! 屋上ならではの気象なんですね。
植物って毎日表情を変える、1日として同じ顔はしていません。私は週3回ここに来ていますが毎回なにかしら発見があって、興味は尽きません。例えば、こぼれ種から育った時期外れのトマトが冬になって実をつけている、ガーデンベッドにそっと潜むようにね。それは、同じベッドにトマトだけじゃなくて水菜や大根、ナスタチウムも一緒に生きているから植物たちがまるで守り合っているようにさえ感じてしまうんです。そうした思いがけない出来事 がKAYABAEN ではたくさん起きます。そのたびにとても心を動かされます、これはガーデナーであることの最高のギフトですね」
ところで、泉さんの思うガーデナー像とは?
「頭で考えるだけじゃなくて、わッ! 楽しい! やっちゃう!みたいな人が来てくれたらうれしいな!」
KAYABAENでは、ハーブや果樹も含めて常時100種類ほど、年間では150種類ほどの食べられる植物が育っています。
「でも、ここは単に食べ物を生産するだけの場所ではありません」
そう話すのは、KAYABAENを設計したパーマカルチャー・ビルダーで、指導者でもあるフィル・キャッシュマン。どんな思いを込めてKAYABAENをデザインしたのか、フィルさんにお聞きしました。
「Edible KAYABENには、実は食べられるものを育てる以上の機能が数多く備わっています。ここは、東京のど真ん中で新しい文化を創るための実験の場でもあるんです。
例えば、KAYABAENでひときわ大きく目を引くのが、3層の本格的なコンポストステーション 。屋上にあり、地上に接していない場所で菜園をやる以上、土に栄養を足し続けなければいけないという大きな課題、ニーズが生じます。
そのニーズを、このビルから出る資源(ゴミ)だけで賄ってしまおうという実験が、このコンポストです。KAYABAENから出る野菜の残渣や剪定くずはもちろん、1階のカフェから毎日大量に出るコーヒーかす、そしてテナント企業が出す何袋ものシュレッダーゴミを基材にした、土づくりの挑戦です。最近では地域の方が定期的に収集している落ち葉も加わっています。
大都会、東京で人と生き物の関係性を進化させていくため、新しい文化の形を創造し、発信していくための基地としてEdible KAYABAENを機能させたい。
どうすれば東京の屋上菜園はもっとうまくいくんだろう?、という問いを探究すべく、限られたスペースを有効に使うための移動式ガーデンや、電気を使わずに自動開閉する温室や自動潅水システムなど、様々な実験に日々取り組んでいます。
コーヒーかすも、シュレッダーゴミも、都市ではいつの間にかゴミはどこかへ消えていくもので、目に見えにくいけれど実は多額の処理費用が掛かっているんだ。それがお金を払わずに処理できて、しかも土になって食べられるものが育つ栄養になる。すごい循環だと思わない?」
パーマカルチャーの言うところの「Problem is Solution、問題の中に解決策がある」ですね。ところでフィルさん、Edible KAYABAENの新しい仲間となるガーデナーにどんなことを期待しますか?
「極論すると、このガーデンに手を入れるガーデナーは、いわゆる農業や生産農業の経験を持っていなくてもいい」
え?! それってどういう意味ですか?
「ガーデニングって、いい野菜をつくるとか、お金を得るためというより、自分を取りまく環境を見直して新しい価値観みたいなものを探り出す、1つのアクションだと思うんだよね。それは自分の暮らしの見直しでもあるんだ。
もっと命のことを知りたい。もっと生き物のことを知りたい。もっと世界の仕組みを理解したい。何か技術を身につけるというよりも、何がどうなってるの?、この 命ってどうなってるの? そんな世界の真髄というか、真実みたいなものを探求することがガーデナーだと僕は思っている」
なんだか哲学者のようでもあるんですね?
「アーティストでもあるよね。探究のプロセスで出会った植物とか、バクテリアとか、土とか、循環とかそういうものに、面白さや人類の未来の鍵になる可能性を感じる人がいるとしたら、
じゃあ、君! この東京のビルの屋上の300坪のフィールドで、ここで何やりたい? 何を表現したい? どういう可能性を探求してみんなと共有したい?
そんな人が現れて、じゃあ君に任せたよ! なんて言えたら何が起きるんだろう、想像するとわくわくするな」
都会の屋上という全く新しい場所で、固定観念にとらわれることなく、目の前の植物たちを観察し、いろんな機能を活用し、試行錯誤しながら食べられるものであふれる都市の屋上菜園を創り出す。
そのプロセスと結果が、東京をエコロジカルな都市へと再生させる知恵や技術となり、資源になっていく。そんなパッションを持った人を、ガーデナーに迎えたいと思います!
リクルーティングに加えて、インターン生も合わせて募集しています。関心のある学生の方など、ぜひお問い合わせください🌱
Edible KAYABAENガーデナー募集
Photos by @ari.co.design