ジェネリック薬品って大丈夫なの?

病院で薬を処方されている方で「ジェネリックにすると〇〇円やすくなりますよ。」などという趣旨のはがきが来た人はいないでしょうか?
確かに先発薬と比べ、薬価が約4~5割も安くなることがジェネリックの最大メリットです。

ジェネリック薬品とは先発薬品の特許終了後に他の製薬会社が同じ有効成分で製造・供給する医薬品である。基本的には新薬と同じ主成分の薬です。
通常、ひとつの薬品ができるまでに数十年の期間と数百億~数千億円かかるといわれています。
一方、ジェネリック薬品は有効性や安全性などがすでに確認されているため、研究開発にかかる費用も数億円に抑えられるといわれています。


では先発品とジェネリックは全く同じものでしょうか? 答えはNOです。
ジェネリックと先発医薬品と成分、用量は同じでも、薬の形状(錠剤がカプセルだったり)、味、添加物などは個々のジェネリックにより異なり、薬品の溶け方などに先発品と差が見られることがあります。また、先発品が発売後に薬剤の成分の特許が終了していても、製法の特許や製造の特許は切れていなくて先発品の真似できないケースもあります。


ジェネリック薬品の、製剤の方法、添付文書については公表されてないものも多く、味や形状、添加物を変えているものもあります。 
それでも「ジェネリック医薬品の有効性、安全性に影響を及ぼすことはない」というのが厚生労働省の見解です。また、後発医薬品メーカーは販売後の副作用調査が義務づけられていないという点も疑問です。


有効成分の薬物動態が同等であることは証明されていますので、薬効に違いがあるはずはないのですが、実際に先発品と後発品で有効性や副作用の違いを示す報告も見られます。
「薬の効き方が違う気がする」という薬品はしばしばあり、例えば抗不安剤のソラナックス、抗うつ剤のパキシルなどは先発品と比べて「眠気が強い」という副作用が多い印象があります。膵炎の薬のフオイパンのジェネリックは「全く痛みが改善しない」と訴えられる患者が多くいて、私はフオイパンの後発品はあまり使いません。


いちばんの問題は「薬の溶け方の差」だと考えています。 
例えば、血圧の薬は溶け方に工夫があり、ゆっくり1日かけて溶けて、成分が体内に取り込まれるようになっている。ところがジェネリック薬の場合、薬を飲んだ数時間後に急激に血圧が下がってふらふらすると訴える患者さんが実際、何人かいました。


厚生労働省がきちんと試験し同等の効果があると明らかにしない限り、患者に自信を持って後発医薬品を勧めることができないですね。
先発品と同等といわれても、メーカーからの臨床効果の評価判定が不十分なため、薬剤師・医師側も自信を持って踏み切れない状況にいるわけです。価格だけではなく、効果・安全性の推進がなされないと患者側も納得できないですね。ちなみにアメリカではジェネリックは先発品とは「別の薬」と認識されています。信用されていない証拠ですね!


国はとにかく、高騰する高齢者の医療費が削減するため、明らかな評価はされていないのにジェネリック医薬品の普及に乗り出しているのです。


そんなジェネリックの中でお勧めしたいのは「オーソライズドジェネリック(AG)」という薬品があります。これは先発医薬品と同じ製造ラインでつくられて、まったく同一の薬品を他のメーカーが発売しているだけであり、その安全性も信頼できます。


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