「エデンの東のそのまた東」(2020)パンフレット
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6月にスタジオで録音して、公園で写真を撮影し完成した朗読動画、
「エデンの東のそのまた東」(2020.夏)
有料配信の準備が整いました。
劇場は、『空ノ椅子』
(撮影・相川博昭)
パンフレットは、『エデンの東のそのまた東』の現場、楽屋、そんな場所です。キャストスタッフのコメント、制作日誌、制作後記、稽古写真、スタジオ写真で作成しました。
「エデンの東のそのまた東」(4/28YouTubeでライブ配信・8月朗読動画配信)
今回、恐らく最初で最後の制作という立場になった私、菅野彰からパンフレットに最初の言葉を寄せさせてください。
2020年の「エデンの東のそのまた東」は、まず4月28日に誰一人会わずにYouTubeでライブ配信しました。千田阿紗子さんと法月康平くんが演じ、浅井さやかさんが楽曲を提供してくれて、相川博昭さんが動画配信サポートとPV制作を担ってくれました。
Zoomを使用しての稽古とPVが作成されていく過程で、
「これが仕事ではなかったと記憶してほしくない」
一人一人の自分の仕事への姿勢にそう強く思って、必ず有料にする。仕事にすると約束しました。
Zoomでの稽古や配信、動画作成の中で、みな本来の自分の仕事ではないことも多くすることになりました。
会えない。近づいてはいけない。
そのことが、一人一人にいつもより多くのことを求めた。
そんな時間の中、一人一人の力で一つの物語をつくりました。
私、菅野もその一人。私は作家でしかなく、一つの演劇を届けるためにすべきことは普段なら「書く」ことだけです。
でも今は、普段じゃない。
カメラマンの相川さんは、平時の仕事が動いている中参加してくれました。
6月に千田さんと法月くんを撮影して、今回その写真で動画を制作したのは相川さんです。
相川さんが動画を完成させた後、
「スタジオで撮った写真、迷ったのですが結局使いませんでした。舞台裏を出すとお話の世界から飛び出した感じになってしまう気がして」
何気なく、そう言葉をくれました。
長い友人でもある相川さんは、私から見ると淡々とした人物です。
4月の配信のときから千田さん法月くんの芝居をまっすぐ見てくれて、浅井さんの音楽に感銘を受けて、私の本をしっかり読んで写真を撮影し、言葉と歌に乗せてくれた。
物語以外のことを私があれこれ考えている間、物語だけは一つの方向から決して動くことはなかった。
物語は動かない。
今は、ポジティブじゃない時間かもしれません。
けれど一人一人の普段とは違う仕事が、一つの物語を作った。
それはどんな時間でも同じだと、完成した朗読動画が教えてくれました。
千田阿紗子、法月康平、浅井さやか、はんだすなお、相川博昭、菅野彰、一人一人の仕事が一つの物語を紡いだ『舞台裏』がこのパンフレットです。
一つの物語を楽しんでいただけたことを、心から願って。(文責・菅野彰)
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