結婚と緩慢な死

つまり俺はあいつにゆっくりと殺されているんだ。

そうわかったのは最近、というかずっとわかっていたはずたがピタリとハマる言葉が見つからなかっただけだ。

そうか、俺はゆっくりと殺されていたんだ…と口に出してみてからひとりで笑ってしまった。
重たく湿った悪寒を感じながらだ。

おそらく配偶者には故意も悪意もないのだろう。だがそれだけに始末が悪い。

ごくナチュラルにひとの命を食って行き続けるモンスター。

おそらく俺じゃなければ死んていた。

尿管結石の痛みに耐えながら1時間車を運転し続けられるような俺だからこそ、なんとか生きて来られたのだ。

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