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実機リバーブ『OTO MACHINES BAM』使ってみた
OTO MACINES BAM とは
おフランスのメーカー「OTO MACHINES」社が製造・販売している実機リバーブ「BAM」。日本の販売代理店サイトによれば「BAMは1970年代後期~1980年初期のデジタル・リバーブ・ユニット(EMT250やLexicon 224など)の持つ、太くて派手なサウンドを再現した個性的なリバーブ・エフェクト・プロセッサーです!」とのこと。
自分は EMT250 とか Lexicon 224 はなんとなく名前聞いたことあるかも、程度で詳しくは知らない。しかし音楽歴の浅い自分ですら聞いたことがあるくらいなのでたぶんかなりの名機なのだろう。
BAMはその再現を目指したものらしい。ふむふむ。
なぜ実機リバーブ?
以前より複数の方から「リバーブはプラグインより実機の方が断然いい」という話を聞いてはいたものの、お金も置く場所もないし……という分かりやすい理由で購入検討もしていなかった。
ただ最近、とある事情で実機リバーブ(Lexicon PCM96 や Lexicon 300L)の音を聴く機会があった。それがまさに衝撃的。ぜんぜん音が違う。今まで聴いてきたプラグインのリバーブ音は何だったのだ、というくらい。
これはなんとかしなければと思い、いろいろと調べてたどり着いたのがBAM。価格もギリギリ手を出せるくらい(僕は33,000円で購入)で、しかもデスクに置けるコンパクトサイズ。高い!と思うかもしれないが、実機なのでもし気に入らなければ売ってしまえばいい。それがプラグインとの違いでもある。
![](https://assets.st-note.com/img/1679705557782-2VYo3eQBsq.jpg?width=1200)
聴き比べ
文字であれこれ書くより実際に聴いたほうが早いと思うので、以下にサンプル音源を掲載。自作曲『ギフト』の1番目のボーカルパートに BAM でリバーブをかけたものたち。歌っているのは Synthesizer V の夏色花梨。
まずは原音がこちら。
以下がBAMでリバーブをかけたものとなる。
BAM の設定は TYPE として選択できる中から「Room」「Hall」「Plate」「Ambient」「Chorus」を試してみた。ツマミで調整する SIZE や REVERB TIME は適当に。
なお、今回は聴き比べ用にやりすぎなくらい効かせているが、実際は楽曲に合わせて調整をかけると思う。あくまで参考として考えていただきたい。
BAM Room設定
BAM Hall設定
BAM Plate設定
BAM Ambient設定
BAM Chorus設定
そして以下は比較用にプラグインのリバーブをかけたもの。
iZotope の Neoverb、Native Instruments の RC24 と RC48、Waves の RVerbを使って、同じ音源にリバーブをかけた。プリセットは個人的によく使うものを適当に選んだ。
Neoverb プリセット:Large Vocal Chamber + XLHall
RC24 プリセット:Large Hall Bright
RC48 プリセット:Large Hall
RVerb プリセット:Plate1
感想
原音を揃えて並べてみると違いがはっきりと分かると思う。当然BAMとプラグイン系でも違うし、プラグインもそれぞれでかかり方が異なる。ここから先は好みの問題かもしれないが、BAMの特徴としてはやはり「情報量の多さ」が挙げられると思う。プラグインで同じ程度の音量にしてみても、その差は明らかだ。そのためか、BAMのリバーブはそれほど音量を上げなくてもしっかりと原音を包み込むように奥行きのある音になる。これは少なくとも今のところはプラグインではたどり着けない境地であると思う。
意外に面白いなと思ったのはRC24。プラグイン系にしてはキャラクターが濃くて、設定を詰めていけば意外に使える場面が出てくるかもしれない。逆にほかのプラグイン系はどれもあっさりしている。
なお個人的にこれまでの楽曲制作でもっとも使用頻度が高かったのがNeoverbなのだが、並べてみるとよく言えば無難、悪く言えばあっさりし過ぎていてキャラクター性に欠けるといったところ。
さて話をBAMに戻すが、ここで挙げたのは設定のほんの一例に過ぎないので使い込んでいけばさらなる発見があると期待している。当面、売ることはなさそうだ。
ひとつだけ気になったのが、BAM本体そのものの発熱。電源スイッチを入れていなくても、ACアダプタを繋いでいるだけでけっこう熱くなる。なので、使っていないときはアダプタを抜いている。
楽曲紹介
聴き比べで使用した拙作『ギフト feat.夏色花梨』です。
聴いてくれたら嬉しいな。
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