むつだの「チャイナマガジン」⑧
不定期配信・むつだの「チャイナマガジン」
~上海ロックフェスいってきましたよ~
2011年5月17日
みなさま、ごぶさたしております。
いや、すっかり熱くなってきましたね。
上海も1週間くらい前、最高気温が34度を超えたらしいです。5月なのに。
そういえば、この前ローカルスタッフからこんな話を聞きました。
「上海の天気予報は40度を越えない。」
なぜかというと、
「超えると企業は労働時間を短縮するなど予防的措置を取らなければならないので」
だそうですよ。労働局からのお達しとのことです。
工場系の企業側からの過重労働押し付け防止でしょうが
それにしても、みんな温度計なんか直ぐ手に入るから、ばれちゃうでしょうに。
それでワーカーたちが「40度超えてるじゃねえか、休ませろや!」とか言って、ボイコットとかストとか起こったらどうするんでしょうかねぇ。
ローカルスタッフから聞いたので、普通に周知されていることで、もう政府からのメディア操作なんて慣れっこなんでしょうが。
まあ、そんな相変わらずのチャイナですが、若者たちはやはりふつふつと燃え上がる、内に秘める反骨精神をどこにぶつけようと悶々としているわけですよ。(たぶん)
そこで登場するのが、ロックフェスです。
やはり今も昔も、反骨→ロック→自由ってやつですかね。
というわけで、上海の若者たちの反骨精神がどれほどのものかをロックフェスで体感にいってきました。
と、入り口で度肝を抜かれることになります。
もう会場はしていたのですが、なぜか入り口で人だかり。
掻き分けるように前に行ってみると、そこでは羊肉串の業者とスタッフがもめてました。話に耳を傾けてみると、概要はこうです。
・業者用の搬入口がある
・ここは一般オーディエンス用の入り口である
・搬入口から搬入しないのは何事か
で、スタッフが業者に対してとった行動は
大声で怒鳴りつけた上、
いきなり大量の羊串が入ったボックスを蹴り飛ばし
上からガスガスとストンピング。
いやぁ、ロックです。
入る前からこの粋な演出。いやがうえにも高まる期待。
今日は上海の人民たち、不満爆発ですよ!
↑この人だかりの前でガスガスしてます
ここで、先にロックフェスの概要をお伝えしておきましょう。
<2011上海迷笛音乐节(Shang hai Midi Festival 2011)>
上海の世紀公園という上海一大きな公園で行われました。
フライヤーには熊さんがスタンハンセンばりのウィーのポーズをとってます。ロックですね!
もう少し細かい部分をチェックしてみると、「ツキノワグマを保護しよう」と書いてあります。どうやら、動物保護キャンペーンの一環ですね。
「反骨」とは若干切り口が違いますが、うーん、まあ・・・いいでしょう!
そして気になるのは、海外からのゲストミュージシャンですね。
今年は凄い大物がくるよ!と聞いていましたが、なんとあの方々がやってきます。私も聞いたときはまさか!とびっくりしました。そのアーティストとは・・・
・・・!! MR.BIG!!?
すごい。色々な意味で度肝を抜くチョイス。
ちなみに、中国では「大先生」と呼ばれてます。
自慢のドリルで、腐った社会に風穴を開けていただきましょう。
で、中国のバンドは全然知りませんでしたが、国内で活躍するミュージシャンたちが、北京だとか広州だとかからやってくると。
中国のバンドをあまり知りませんでしたがわるくないですよ。 この渡辺ラオウみたいな世紀末的なデス声で
「ジェージェー(謝謝と言っていると思われる)」
と発した発音で、若干ふいた以外は、まあ、楽しめた。
そして、一番熱かったのはこのバンドですね。
西洋人のトリオバンドで、ノリノリファンキーないい感じ。
で、
「ウィーアー・●●(バンド名)・フロム
シャンハーイっ!」
って、地元バンドやん。
あとはめっちゃ流暢な中国語で、がんがん客を沸かせてました。外人が海外で活躍するって意味では、メガデスのマーティ・フリードマンみたいなもんなのでしょうかね。
さて、お待ちかね、彼らの登場です。
大先生!大先生!
もう、人民総立ちですよ。
会場の熱気が、上海の街を多い、この日上海は初の50度を超えることになり
政府のメディア操作も限界に。
Yes、ロック!Yes、反骨!
内田裕也が、元浮気相手の50代のOLに復縁を迫ることなんか
ニュースの端に追いやるくらいの熱い魂が上海から発信される!
・・・はずでしたが
驚愕の結末が待っていました。
大先生、ビザの関係で入国できず。
90年代のロックシーンを支えただけに
その名に恥じぬ、偉大さでした。ありがとう、大先生。
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