見出し画像

今は辛い思いをしているインテリアコーディネーターに知っておいて欲しいこと

仕事でミスをした、怒られた。
こういう時は辛いですよね。
頭が真っ白になってしまい、自信も失い、ひたすらおろおろ。
人によっては辛くて泣いてしまう人もいると思います。

そんな時、最悪だ・・辞めてしまいたい・・って思いますよね。
人生で一番最悪な出来事のように思えるでしょう。

わたしにも、仕事で思い出したくもない辛い過去は色々あります。

新米インテリアコーディネーター時代、あまりに仕事ができなくて「あなたには無理」と担当を降ろされたこと。
「あなたにはこの仕事向いてない」と社長から言われたこと。
打ち合わせの時間を間違えてお客様を待たせてしまい、激怒されたこと。
お飾りのインテリアコーディネーターなんていらない、と現場監督に言われたことなどなど・・
自慢じゃないけれどわたしも挫折の嵐なんです。落ちこぼれが、よくまあここまで来たもんです。

あなたはどうでしょうか。
♪似たようなこと、誰でもしているのよ〜
・・と、中森明菜も歌っております。ええ。

好きな仕事だからこそ、受けるダメージはでかい

自分の辛かったことを振り返ってみると「相手から自分の存在価値を否定された」ことがわたしの場合は特に辛く感じるようです。
今までにもたとえば壁紙クロス品番の書き間違いで間違った壁の色を施行してしまい怒られたことは何度か経験していますが、仕事のミスによって人の命を失うような決定的な罪に問われるようなことはあまりなく、むしろ仕事のミスはその後の対応で挽回できることもあるので、うっかりミスではそこまで落ち込みません。

でも「好きな仕事で一生懸命頑張ったのに、力が及ばず、自分自身を認めてもらえない」ということは、自分自身のアイデンティティーにもかかわる深刻な喪失感を味わいます。

頭ごなしに存在価値を否定された時、全身から血の気が引くような思いです。
今でこそパワハラ認定が出そうですが、存在価値を否定されるようなことを言われると言下に「あなたは要らない。仕事、辞めたら?」という圧を感じて、「自分はなんてダメな人間なのだ」とすっかり絶望し萎縮してしまいます。

謝って、反省の弁を口にしている時、何度心で泣いたことか。
わたしの場合は、毎日のように存在価値を否定されてきたこともあり、常にビクビクと怯えるようになりました。
自分の存在価値や自信を失うと、人間はろくなことがありません。頑張って挽回しようにも、焦ってミスを上塗りしてしまいます・・。

わたしが人生でもっとも辛かった新米インテリアコーディネーター時代

お恥ずかしながら、わたしの辛かった経験をご紹介します。
わたしがインテリアコーディネーターに転職したのは30代前半。未経験で知識もなかったことから、まずはアルバイトからのスタートとなりました。
社長から言われたのが「インテリアの仕事は、知識や経験が重要。資格試験に合格したら知識を身につけたということで正社員に昇格できるから、まずは資格試験に合格しなさい」ということで、はじめて勉強を開始。

しかし、毎日終電まで残業しながらの勉強は、なかなか身に付かず、必死にくらいついたものの直前で十二指腸潰瘍にかかってしまい・・年に一度のインテリアコーディネーター試験に落ちてしまいます。

「自分はなんて出来が悪いんだ」と落ち込み、必死に挽回しようにも空をもがくように努力は空回り。集中力もなく、失敗しては毎日オドオドと不安で泣きだしそうな毎日でした・・。次第に低体温症になり、うつ病一歩手前まで精神的に追い詰められました。

今ならわかります。
なんでそこまで追い詰められてしまったのか。

それは、
「好きでチャレンジした仕事だったのに、自分の力不足で仕事を認めてもらうことができなかった」から自信を喪失してしまったからだと言えます。
言ってみれば「できない」大きなレッテルが自分に貼られてしまったことで、できない呪いにかかってしまったんです。

「今の自分に足りないのはなにか?」を徹底的に探る

そんなひどい状態の中で、どうやって立ち直れたのか。
よく聞かれます。

わたしの場合は「こうなるに至るまで、何が足りなかったのだろう」「なんでわたしはできないのだろう」と自問自答したこと。

今のわたしは、それまでのわたしに比べて毎日オドオドビクビクして泣き出しそう。
何が足りなくてこうなってしまったのだろう?

パッと思いついたのが、足りないのは「知識」と「経験」でした。
よく考えたら、転職するまでずっとインテリアとは無関係の事務作業しかしたことがないのです。そりゃ知識も経験も不足しているわけです。
知識も経験も不足してるから、自信もない。だからうまくいかないのだ、と。

じゃあ、どうしたら「知識」と「経験」は増えるだろう?
今わたしが喉から手が出るほど欲しい「知識」と「経験」はどうしたら早く手に入れられる?

わたしがその時に出した答えは、手っ取り早いのは「知識」の方だということ。経験は時間も内容も必要です。しかも経験は時間をかけたからといって増えたかどうかはよくわからないけれど、知識であれば、比較的短期間で詰め込める・・・!

そこから猛然と「知識」を手に入れるために勉強を開始しました。
教科書の知識だけでなく、メーカーに見学に行ったり、インテリアの専門学校に行ってCADを習ったり。

自分は人よりレベルが低くてできないのだから、できるようになるまで知識を強化して工夫してみよう。
人より劣っているのだから、人の3倍吸収しなくっちゃ。

しばらくは、知識を手に入れた実感はあまりありませんでしたが、インテリアの専門学校に行った時に気づいたことがあります。
それは、専門学校に通っている大半の生徒は、インテリア業界で働いたことがない人たちで、わたしは今現在働いているという違い。少しずつ、仕事でやったことある!というまだら模様だった知識が線と線で結ばれてきたことを感じるようになったのですが、他の人たちよりもそれが早かったように思います。

翌年のインテリアコーディネーター試験会場から出た瞬間、張り詰めていた気持ちが解けてわあっと号泣したことを今でも覚えています。合格発表通知も怖くて数日間は開くことができなかった。
でも、合格の二文字をみた瞬間、やっとスタートラインに立てたとなんとも言えない感動を味わいました。

今は辛い思いをしている新米インテリアコーディネーターに伝えたいこと

そんな落ちこぼれだったわたしでも、今では新米インテリアコーディネーターに知識や技術を教える仕事をしています。
わたしは今までに沢山失敗をして「できなかった」自分を知っています。だからこそ、伝えられることも沢山あると信じています。
そんなわたしが、今は辛い思いをしている新米インテリアコーディネーターに伝えたいことは2つあります。

「できない」はいつか「できる」に変えることができる

「できない」を少しずつ「できる」に変えていった実体験があるわたしだから確信を持って言えます。
「できない」は永久に「できない」ではないのです。「できない」はすぐに「できる」にはならないかもしれないけど、勇気を出して、少しずつ「できる」に変化していきましょう。

今の苦しい気持ちは、いつか必ず役に立つ

新米だからこそ、味わえる今の気持ちなんです。できない、悔しい、苦しい、辛い、ぜひ、今の気持ちや感情をメモやブログに残しておいてください。
後で見たらすごい黒歴史かもしれない。挫折かもしれない。でもね、それもまたあなたの貴重な経験値なんです。うまくいったこともいかなかったことも、すべてあなたが経験してきた経験値。

そして「できる」ようになると、その「できなかった」ことを忘れてつい「できる」人のレベルで物事を見がちなんです。そうなると、新しい「できない」人の気持ちを理解できなかったり、必要以上に追い詰めてしまう言葉を放ってしまう可能性があります。

苦しい悔しい今の気持ちを記録に残しておけば、あなたの後輩をうまく導いていけるかもしれないし、誰かの役に立つこともきっとあります。業務改善を指示された時にも役立つかもしれない。だから、今の思いを記憶に残さなくてもいいけど記録に残しておくことであなたの宝物はいつかきっと誰かの何かの役に立つ、ということを覚えておいてくださいね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?