インテリアコーディネーターが企業にとって必要な人材でいられる為の秘訣
インテリアコーディネーターは人気の職業の一つで、企業の採用募集には応募が殺到します。
しかし今、みなさんが思っている以上に従来のインテリアコーディネーターの活躍の場が失われてきています。インテリアコーディネーターの代わりになるツールの台頭や、設計士や営業マンがその仕事を担っているケースが増えているのです。
インテリアコーディネーターの役割、もっとシビアに言うと存在価値が薄れてきているのには以下の理由があります。
インテリアコーディネーター以外の人間やツールがインテリアコーディネーターの職域を担うケース
家づくりの業界において、インテリアコーディネーターは内装の仕様(床・壁・天井など)について打ち合わせをすることがメインでしたが、設計士や営業マンがインテリアコーディネーターの仕事をしている企業は多いです。
間取りの打ち合わせの延長で設計士が室内の色決めまで行うケースは結構増えてきており、家具の提案や照明プランも設計士が担当したりします。
特に、ローコスト住宅会社を中心に、あらかじめカラーコーディネートのラインナップがわかる仕様カタログを用意して、打ち合わせ時間の短縮やコストカットをはかるケースが多いです。
これは、あらかじめ仕様がわかっている商品をお客様に選定していただくことで、施工の手間やトラブルを軽減させるといった意味もあります。
「内装仕様はこのカタログの中から選んできてください」といった具合に、お客様にカタログを渡して事前に選んできてもらうということができるので、インテリアコーディネーターがいなくても内装仕様が決められるんですね。
また、大手家具メーカーのショールームでは無料のインテリアコーディネートを行っているところもあります。
家具の利益の中にコーディネートフィーが含まれていたり、内装イメージパースが簡単に作れるソフトやアプリを使って「無料」のコーディネートサービスが実現できています。
粗利を稼げるインテリアコーディネーターが少ない
あらかじめ決められた仕様の中から好きなものを選んでいただく、という打ち合わせが主流となっている今、インテリアコーディネーターがいなくても内装打ち合わせが滞りなく進んでいけます。
これには、上記のようにあらかじめ仕様が決められているという理由もありますが、もう一つは、粗利を意識して稼げるインテリアコーディネーターが現状少ないということもあります。
何回か書いていますが、インテリアコーディネーターの仕事の本質は「提案販売」です。つまり営業力が問われます。プロとして目指すべきは「インテリアコーディネーターが提案して受注額が増えた」という結果です。
しかし、提案は好きだけど販売や営業が苦手というインテリアコーディネーターや、売上につながらないコーディネート提案を延々とやってしまうインテリアコーディネーターや、売上や粗利率を言及されると数字の苦手意識から反発してしまうインテリアコーディネーターを沢山見てきました。
わたしは営業じゃない。
わたしはカラーコーディネート、インテリアコーディネートだけやりたい。
こうなってしまうと、企業にとってはインテリアコーディネーターの存在は正直お荷物になってしまうのです。
企業としては「インテリアコーディネーター業務の代わりを設計士や営業マンにやってもらおう」とコストカットの対象になってしまいます。
プロこそ売り上げてナンボ!価値のあるインテリアコーディネーターを目指そう
「提案が好き」「コーディネートが好き」でインテリアの業界に入った人は、まず、売り上げてこそプロであることを肝に銘じてみましょう。
提案が好きならば、プラスの付加価値で売り上げが上がる提案ができるようになるにはどうしたらいいか?を考えてみるべきです。
コーディネートに自信があるならば、売上アップを意識したコーディネートを心がけるべきです。
それにはまず、自分が担当する建築資材や家具照明などの下代や粗利を、きちんと把握してみましょう。
売り上げ数字を意識できるインテリアコーディネーターこそ、自分の提案でプラスアルファの利益が出せるインテリアコーディネーターこそ、企業に求められるインテリアコーディネーターです。
提案が素敵なのは当たり前です、プロであるからにはその提案で受注額があがるインテリアコーディネーターを目指していきましょう。
いかがでしたでしょうか。
ショックを受けられた方も多いかもしれませんが、現状の業界の現実です。
我々インテリアコーディネーターが考えるべきは、インテリアコーディネーターとしての存在価値をどのように発揮することが「この仕事にはインテリアコーディネーターが必要だ」となるかということです。
今インテリアコーディネーターとして働いている方、これから働こうという方は、インテリアコーディネーターの存在価値を意識してみましょう。業界全体でインテリアコーディネーターの質の向上が求められています。
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