【コラム】社会人から始めるポケカ生活【備忘録】
はじめに
こんにちは、くるっぽです。
引っ越しが無事に終わり、前後のドタバタが落ち着いたのでようやくポケカに触り始めました。
すでに結構浦島太郎状態なので徐々にリハビリしていこうと思いますが、前より触る頻度は下がると思うので折り合いをつけてやっていこうと考えています。
(とか書いてる間にシティBest4なりました、練習とは…….)
というわけで、一区切りが付いたためお世話になった方々への感謝も兼ねて今までのポケカ生活の振り返りをしてみたいと思います。
具体的には今までの経緯と社会人になってからポケカを始めて良かったこと、良くなかったことを纏めてみます。
また、ポケカという商品に対しての感想も述べていきます。プレイヤーごとに「ポケカはどういう存在か」という解釈は異なりますが、自分のスタンスを言語化しておくことで今後のnoteに対しての説得力みたいなのを持たせられたらなと思っています。
完全に日記みたいな内容ですが、これから社会人になる人やポケカを始めてみたいなと思う人にも参考にしていただけると幸いです。それでは。
経緯
私がプレイし始めたのは2021年の夏頃、ちょうど緊急事態宣言が出たり引っ込んだりして微妙にやることが無くなっていた辺りでした。その頃の私は就職した直後に初期配置で飛ばされた地方の監獄から念願叶って脱獄するも、今度は緊急事態宣言が続き元々やっていたボードゲームも出来ない上に知り合いも増えず延々時間を持て余していました。
そんな中で会社の後輩から「ポケカが買えない」という相談を受けました。その頃のポケカといえばあの「イーブイヒーローズ」が最新弾の第2期バブル直後です。メーカーも小売も対応が整っておらず入手困難な状況で私はこう思いました。
「買えないのかぁ……じゃあ買いたいなぁ……。」
こいつはバカなんでしょうか?
まぁカードゲーム自体の経験はあり、幼少期の旧裏ポケカやベイブレードTCGやデュエマ、会社でもe-sports施策でシャドウバースをやっていた時期もあります。それに、万が一買ってみて乗れなくても最悪そのまま売れば損はしないか等と考えていました。しかし、売るとなると商品の価値をちゃんと知っておかなければならないので一先ず遊ぶことにしました。
初手から同一構築複数買いです。あまりにも転売ヤーに向いていません。
丁度この時期に出た新パックがあのずんぐりツヤツヤボディのジュラルドンに褐色タレ目八重歯の夢女子量産機キバナの入った「摩天パーフェクト」、始めるにはドンピシャのタイミングでした。蒼空ストリーム?要らんが?
そうして最初に握ったデッキが鋼軸ジュラルドンでした。
スターター買ってるのに初っ端からデッキ組んでます。もう止まりません。
そこから暫くは会社の友人に布教しつつ遊んで3か月後にはシティリーグに出たりしておりましたが、緊急事態宣言の解除による活動範囲の拡大や業務内容の変化などで予定が合わせづらくなり、1年経たずに飽きられてきてしまったため対戦相手に困り始めました。
対戦するためにジムバトルに出ようと思ったのですが、休日は対人の予定が多いためなるべく平日に参加しようと考えました。しかし、最大のネックは在宅勤務という外出へのハードルの高さです。店舗の営業時間の関係で18~19時開始が多くその時間までに定時退勤→着替え→電車という3段コストが圧し掛かります。これがしばらく解消できなかったため予定が空いた休日だけ参加するといった形で細々と続けておりました。
転機となったのは自転車圏内でジムバトルが開催されるようになった時です。丁度「ロストアビス」発売の辺りからTSUTAYA西五反田店様に通うようになりました。
そこからというものは平日週2~3のペースでポケカが出来るようになり、ジムバ優勝やシティ入賞など徐々に成果も出てきました。店舗で名前を覚えていただけるようにもなり、ポケカ以外でも関われる友人も増え交流機会にも大分恵まれました。
そこから1年半ほど過ごさせていただき今に至ります。通ってる間は本当に色んな方にお世話になりました。ありがとうございました。
ポケカ生活の良かったところ
一言で言うと「QOLの向上」でしたね…。
①友人が増えた
まず間違いなくここですね。社会人になってから新しく交友関係作るのって本当に難しいんですよ。職場だと年齢差やライフワークの線引きもあり率先して関わるとコケた時の悪影響がモロに出ます。
趣味でもオンラインは野良マッチからだと中々発展しない割に、Discordサーバーやチーム等との相性の良し悪しって入ってみないと分からなかったりします。
ならばリアルはどうかというと、団体スポーツや音楽はコミュニティに入らないとまず出来ないものが多いため相性ガチャ度が更に上がります。
それと比較すると、ポケカはコミュニティに入らなくても店に行けば対面で遊べるという特大メリットがあります。合わないと思った店なら変えればいいですし、遊んでく内に知り合いを増やしていけばいいので下手に緊張することも無いんですよね。
交友関係を作る目的ならコミュニティに入ったほうが早いのですが、逆にコミュニティに縛られやすくなる側面もあるのでここは人によると思います。
一回で覚えてもらうのは難しいと思いますが、何度も通っていくうちに知り合いが増えていく楽しみもあるので個人的にはモチベにもなりました。
あと、強くなれば勝手に覚えられますね。これもモチベです。
②仕事とプライベートのメリハリが付いた
店によってジムバトルの曜日や時間は大体固定だと思うのですが、「今日は19時までに仕事終わらせてジムバ出て~」という週のスケジュールがある程度定まると無駄な残業の減少や仕事自体のモチベ向上に繋がりました。
家庭があればそちらとの兼ね合いでスケジュールが出来ると思いますが、単身だとこの点が結構助かります。生活リズムが勝手に整うんですよね。間違っても深夜3時にデッキ構築しないで下さい。朝起きたら紙束だった可能性が高いです。
また、終業後に人と会話できるのが精神衛生上かなり良かったです。仕事でモヤッたまま終わるということも防げましたし、日によっては一日発声しないこともありえる状況で、「会話をする」という行為が精神を保つのに一役買ってくれました。
③在宅勤務でも外出する理由が出来た
在宅勤務、楽ですよね~。早起きも急いで朝食済ませる必要もなく、着替えもメイクしなくていいし好きなタイミングで通販の受け取りも家事も出来ます。
ただ、これを繰り返してると本当に家から出なくなるんですよね。そうすると、人と会話しないわ体は動かさないわで心身ともに不調になることがままあります。舐めてると平日どころか休日まで動けなくなって本当に天井のシミを数えるだけのスライムになりかねません。
そのため、ジムバ通いで外出することで人間の形を保つことが出来ました。電車まで使うと交通費が勿体なかったりするので、自転車で通える範囲だったのが幸いでした。
また、日によっては出社や取引先訪問→そのままジムバで効率よく移動することも出来ました。荷物が増えるところだけネックですが……。
また、シティリーグや自主大会もあるので、引きこもってPCとゲームだけポチポチするような日も減りました。引きこもり生活は楽ではあるんですけど長すぎると毒になるので、いいメリハリが付いたと思います。
生活の良くなかった所
①出費
1Q毎に通常拡張+強化拡張、セット販売も含めると新商品だけで1~2諭吉ぐらいは持っていかれます。そこに既存パーツの買い足し、サプライやスリーブ等の消耗品、交通費、参加費等を含めると結構な金額になります。
TCGの中では安い部類のポケカですら諸々含めるとちゃんと持っていかれるのでちゃんと収支計算はしましょう。
特にポケカにおいてですが、スタン制のプールは長く所有するほど資産価値が下がりやすいので、使わないパーツはさっさと売ったほうがコスパが良かったです。特にインフレに飲まれやすいポケモンは顕著です。
シングルで買うときに値段で迷ったり、使わないカードを持ち続けるなら減価償却出来るか(出来てるか)しっかり計算しましょう。ちなみに「もしかしたら後で使うかもしれない….」というカード、8割使いませんでした。
例外としては汎用トレーナーズの高レアですね。スタン落ちまで使い続ける上に高レアの再録は無いので、基本的に購入時より資産価値が上がりやすい傾向があります。レアリティ上げをしてみたい方は気に入ったカードか汎用から始めると後々後悔しにくいと思います。
また、ファンデッキレベルのパーツは使われてないので買うときは安価ですが、売却時にほぼ値が付かないことを考えると環境だけ触ってるほうが売却時のロスが少ないですね。2万円したけど1万円で売れるデッキと、5千円したけど500円にもならないデッキだと使うのは頻度によっても検討するべきです。前者も1万失ってますけどね。格安デッキはサブとしては良いですが人に勧めるときは留意しておくべきです。
②コミュニティ内の偏り
良くも悪くもカードオタクが大半なので、価値観が偏る可能性があります。
特に服装と金銭感覚には気を付けましょう。
始めたころはボスの指令に500円払うかどうかで滅茶苦茶に躊躇してたはずでしたが、気づいたら1枚1000円ぐらいならしょうがないかぁ…….ぐらいの感覚になりました。かがやくとかエーススペック枠は未だにキツイですしレアリティ上げは殆どしませんが。
ちなみに普通の人間は紙一枚に諭吉を払うなら服を買ったりコスメ買ったりそこそこのランチ行くなり映画見たりします。観劇は値上げが酷いので諭吉じゃ足りません。
私は紙をしばいた後にそのまま観劇→ディナーの予定を組んだことがありますが、どっちかに服装合わせるとどっちかで浮きます。みんなバツローグさんぐらいオシャレになってくれ。頼むぞ。
ポケカについての印象
とにかく「簡単」というところが一番の強みなのかなと感じました。
①ルールが単純なため最も取っ付きやすい
全TCGで一番単純だと思います。対象年齢が一番低いだけのことはあります。
ドローソースやサーチが豊富でデザイナーズコンボもしっかりしているのでメインアタッカーと汎用パーツだけでデッキが形になります。エネ貼り・サポート・ワザはターン1制限付いてますしループ証明も相手ターン中の処理もありません。スタン制でプールも少なく、テキストも短く難しい効果も無いので、裁定でそこまで迷うこともありません。
極端な話、強いポケモンを用意してぶん殴ってれば大体勝てます。
②難しいところは”簡単なところ”
じゃあ練度の差は無いのかというとそんなことは無いのですが、練習で一番難しいと思ったところは「デッキを回すのが簡単なところ」でした。
デザインとしてドローとサーチが甘めの調整なので理解度が低くても手なりで回りますし、オリジナルデッキ組もうとしても極論どのデッキも博士の研究を突っ込んで撃ってるだけもある程度回っちゃうんですよね。
そうなると、回らなかったときが単なる割り切るべき事故なのか構築上の問題なのかの判別が困難です。この部分を厳密に計算し、かつどこまで割り切ってデッキパワーに振るかといった調整部分は本当に難しいなと感じました。
メタカードもサーチが優秀なのでピン採用が可能です。そうなるとメタに枠を割いてないのが敗因というのが当然になりますが、その枠を取るかどうかも安定性との兼ね合いが必要になり、構築や環境読みとの勝負となります。
また、プレイングの練度もデッキ回りの良さに起因していると考えています。最近話題のロストのネスト/アクロマどっち先使う問題もそうですが、正直山めくった結果次第でどっちも回っちゃうじゃないですか。
で、負けた時にどこが駄目だったのかを振り返って初めてここの問題に戻ってくるんですよ。勝ったときに反省する人間ってそんなに多くないので。
それが「あそこで先に山見てロスト送りを選ぶべきだった」なのか「めくってからネストボールで持ってきたほうが良かった」「めくれたけどネストボールというリソースを残して中盤以降に切るべきだった」なのかって試合によって違いますし、経験したプレイヤーごとにも違います。
こういったミスについては下記のnoteが非常に参考になりました。
ポケカは取っ付きやすく強いデッキリストもすぐに出回るのである程度戦えるところまでは誰でも追いつけますが、そこからのレベルアップに必要な経験値テーブルが滅茶苦茶キツイ印象です。シティ予選ならコピペデッキでも勝ち越しぐらいなら全然出来ると思いますが、安定してトナメ抜けとなった瞬間に膨大な経験値を要します。
なので、安定して勝てている=強い人は1レベル上げるのに凄まじい労力と時間を費やしていると感じます。
③競技シーンへの距離は近すぎる
ポケカは比較的簡単でスタン制でプールも狭く安価、強いデッキリストをコピペすればある程度は戦えるとなると、初心者でも結構気軽にシティリーグレベルの大会にも参加できます。
門戸が広いことに関しては大変良いことなのですが、カジュアルとガチの距離が近すぎるというのも問題ではないかと考えています。
一つはデッキ構築の選択肢を奪いかねないという点です。
スターターデッキが見るも無惨なレベルで貧弱という点もありますが、シングルが安価すぎてTier1ですら1万円かからなかったりするため、始める時点で環境デッキを揃える事が可能です。子供でも平気で環境デッキを2,3個持っていることはザラです。
そうなるとジムバレベルのカジュアルな大会でもTier1級がゴロゴロいます。ただでさえカードパワーに悲しいほど差があるファンデッキの活躍の余地がありません。
もう一つは競技シーン参加への同調圧力です。
Twitterやってるポケカプレイヤーは大半参加しているであろうシティリーグやCLについて、
「大型大会に抽選落ちし続けてやってる意味がない」
「シティリーグでトナメ抜けしたことがなくて恥ずかしい」
みたいな声をTLでも店舗でも聞いたことがあるのですが、
別にそれでも良くないですか?
大会で成果残さないとやってる意味がないんですか?
競技シーンに参加しやすいが故に、競技シーンに参加してないとプレイヤーとして認められないといった考えの方が結構いる印象がありました。
全員が殺意バリバリ競技ポケカバーサーカーという世紀末環境なら理解はしますが、別に競技シーンだけがポケカじゃないんですよ。友達と時間が合った時だけやってもいいし、家族と休日にやるだけでも立派なプレイヤーです。
また逆に、先日の猫ミーム炎上動画でも大袈裟に描かれてはいましたが、競技シーンの重要性を軽視して参加する初心者もいます。
「ルールを聞いておらずサイド差だと思っていた」
「時間切れしてから投了しようとする」
「残り時間僅かで99%詰んでいるのに謎に長考して両負けする」
みたいなことは参加したシティリーグでの付近の卓でもよく見られました。また、ルール自体の問題ではありませんが対戦相手がピジョットexの「マッハサーチ」を知らなかった時は流石に驚きました。ガチ大会出るのにそれ勉強してこないことある?
じゃあなんで参加したのかと聞いてみると、「みんな参加しているから試しに」といった動機の方々が殆どでした。JCSもCSPも関係なく、ジムバトルの延長ぐらいの感覚で出ている方も大勢いらっしゃいます。
誰でも初めて参加することはあると思いますが、競技シーン特有の真剣さを理解しないまま周囲に合わせて出てるプレイヤーが世界と人生をかけたプレイヤーと同卓になるのはあまりにも危ういと感じました。
最近話題のコントロールデッキに対しての両負け自爆特攻思考も、競技勢からするとありえない話だと思いますがカジュアル思考だとしてもおかしくありません。棲み分けが上手く出来ていれば余計なトラブルも起きづらいと思うので、公式には頑張ってほしいです。
先日行われたスクランブルバトルみたいな公式カジュアルバトルがもう少し増えれば差別化出来そうなんですけどね……..。
そもそもCSPの順位ボーダーも事前に出ず、予選の試合数もコロコロ変わってIDが発生したりしなかったりする競技自体が微妙ですが…….。
④開発能力は疑問符がつく
今までも散々書きましたが、バニラみたいなカードが多いわFレギュの大インフレからのGHの失速だわで正直魅力的なカードが少なすぎます。
今までのボロクソ具合は過去noteを参照ください。
今日出たイルカマンexは少し面白そうでしたが、おまつりおんどの裁定ミスで台無しになりました。3枚も刷ってる時点で広報の勘違いってことは無いと考えているのですが、開発はルールを知らないのでしょうか?
レガシーエネルギーもVSTARはマーカーで使用確認が出来るのに急にマーカー無しでゲーム1回制限が出てきて統一性がなく感じます。頼むからルール整備をしっかりしてくれ。
最後に
いつもの通り文句は多少書きましたが、カジュアルに楽しむ分には非常に楽しかったコンテンツだと思います。子供からベテランまで幅広く遊ぶという点では一番いいTCGでしょう。
一方で競技シーンはまだまだ整備が必要だと思うので、今後の人気維持のためにも公式には試合時間なり対戦方式なりのルール整備をしっかり行ってほしいと思います。
これからも競技シーンには片足突っ込む程度ではありますが程々に遊んでいこうと思います。
最後に、お世話になった五反田のプレイヤーの方々に厚く御礼申し上げます。特に、ジム場に通う一番のモチベになったわふさん(@waffle3315)とけんちさん(@poke_oken)には心から感謝しております。他の皆様にも大変お世話になりました。
これからもお誘いいただけますと幸いです。(酒も)
それでは、次回「カビゴンLOは規制すべきか」でお会いしましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。