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【18歳のころ②】ハシゴの上の『YES』
あなたと共に成長したい。
元高校教師(国語)の
たこせん枝瀬です🐙
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教育は
自分が変わらないと
他人を変えることなんてできない。
=「主体変容」
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【たこせん枝瀬の発信の足】
![](https://assets.st-note.com/img/1722439223112-e0RsvHTGCu.png?width=1200)
【今回は主に「国語・文学」編】
※仲川光さん×三鶴さんの共作
『白い春~君に贈る歌~』に触れてます。
(ネタバレも含むので要注意!)
なんとなく、ユーウツ
18歳。
高校3年生の僕は、
成績もそこそこだし、
友人がいないわけでもないし、
学校にいけば
楽しくて、よく笑っていた。
特段の悩みなんてなかった、
と思う。。
でも、
根っこが内省的な性格だからか、
『白い春』の主人公
三浦蓮と同じように、
その頃、
内に内にこもって抜け出せず、
周りとの違和感もぬぐえず、
胸に、
ずっと
言葉にならない
重苦しい感じがあった。
単に受験勉強が
憂鬱だったのかな、
とも思うけど(苦笑)
とにかく。
友人と談笑してても
心にジャストフィットするものを
感じられなかった。
自分を
パズルのピースとするなら、
ピタリとハマる何かがなかった。
ジョン・レノン
そんな言葉にならない
憂鬱な僕の気持ちを代弁して
歌ってくれるのは、
ビートルズの、
特に
ジョン・レノンだった。
彼の初期中期の作品は、
ポール・マッカートニーや
バンドメンバーとの調和が心地よい。
それは、そのまま
バンドの一体感を感じさせるものだ。
ところが、
ビートルズの後期にさしかかると、
バンド内の亀裂が顕在化し、
特にジョンレノンが、
不協和音を奏で始める。
そんな雰囲気は
楽曲からもよく伝わってくるもので、
『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』
ぐらいから、少しずつ始まり
『ヤー・ブルース』
『ハッピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン』
あたりになると
今までの美しい調和は
なりをひそめ、
ジョンの、
前衛的でありながら
ロックなシャウトが際立つようになる。
バンドと言うよりも
ジョンが「一人で叫んでいる」のに
メンバーが付き合っている。
そんな雰囲気が伝わってきて、
(浮いてる!?)
18歳の僕と同じように、
ジョンもまた、
誰にもなじめず、
自分のパズルのピースに合う
何かがなかったのだろう。
そんな風に想像することで、
寂しさが、
少しだけ埋められる気がした。
オノ・ヨーコとの出会い
そんな
ジョン・レノンの転機が
オノ・ヨーコとの出会いである。
『白い春』のヒロイン・上野紗良が、
三浦蓮のエッセイを盗み読みし、
どっぷりと感情移入するように、
僕もまた
ジョン・レノンがインタビューで答えたという
オノ・ヨーコとの出会いの場面を
むさぼるように
何度も何度も繰り返し
読んだものだ。
未だ家宝にしているのが、
この雑誌である(笑)
![](https://assets.st-note.com/img/1722511005432-FS6Ka5zQ3z.jpg?width=1200)
1966年、
ロンドンのインディカ・ギャラリーで
開かれていたヨーコの個展の様子を、
ジョンは以下のように振り返る。
当時、
僕はレコーディングの合間の
オフの日に画廊巡りをしててさ。
無名のアーティストや
アンダーグラウンドのアーティストの
展示をやってる画廊にも足を運んでたんだ。
ある日、来週、
驚くべき女性の展示があるって聞いた。
人間が袋、
つまり黒い袋に入ったりする展覧会で、
すごい話題になってる、とかね。
で、僕はそのプレヴューの夜に
出かけてったんだ。
ジョンが語る
「驚くべき女性」とは、
言うまでもなく
当時、前衛芸術家として活動していた
オノ・ヨーコ。
ジョンは、
彼女の作品の一つ一つに感激する。
リンゴが一個あって、
二百ポンドって値がついてるんだ。
これはすばらしいと思ったね。
作品に込められた作者のユーモアに
ピンときてさ。
台の上に
新鮮なリンゴが一つ置いてある。
リンゴが腐っていく過程を見るのが
二百ポンドってことなんだ。
余談だけど、
ジョンの芸術作品を見る目は
相当なものだったらしい。
ハシゴの上の「YES」
のちの妻となる人の作品を
これだけ
純粋に感動し、
素直に言葉にできるジョンが、
僕は好きだった。
その中でも、ひときわ、
ジョンが絶賛する作品があった。
もっとも、
このアーティストには共感できるって
心底思わされたのは別の作品でね。
天井に絵が一枚かけてあって、
その絵を見るために梯子が用意されてたんだ。
この絵というのが
真っ黒なキャンヴァスで、
端に鎖が一本下がってて、
その鎖のさきに双眼鏡がくくりつけてあった。
梯子を上って
双眼鏡を覗いてみたら、
小さい文字で
『YES』とあった。
これで、
僕の心は固まった。
この人には共感できる、とね。
救われたような思いでさ。
梯子を上って双眼鏡を覗き込むと
『NO』だの『FUCK YOU』じゃなくて、
『YES』なんだ。
えらく救われた気分になるだろ?
すごく感銘を受けてさ。
たこせん18歳、
12月の寒い時期だったのを
よく覚えている。
(模試の判定も寒かった 笑)
布団の中で、
この場面を読み、
感激して
時間が止まったようにさえ感じた。
音も
匂いも
ない。
静かで
澄み切った空気。
ただ、
僕は、
気づけば
ジョンに
なりきっていて、
ドキドキしながら
ハシゴの上をのぼり、
ゆっくりと
両手を添えて、
双眼鏡を覗いていた。
そこに
書かれていたのは
「YES」
だった。
Ceiling Painting (Yes Painting) Yoko Ono 1966 #FontSunday #microtomassive @DesignMuseum pic.twitter.com/CV49DnW1Pn
— Lorena Massacane (@lorenamassacane) June 3, 2018
僕は、
(僕の主観的世界の中で)
ジョンと同じくらいに感激したはずだ。
ずっとずっと
周囲となじめないものを感じ、
違和感を覚え続けていた僕は、
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ずっと探していた
パズルのピースが見つかったんだ!
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そう叫びたい気分だった。
それは、
「YES」
だったんだと。
【続く】
たこせんを紹介くださり感謝!!
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
嬉しくてタコ吹いちゃいます(˶˙๏˙˶)♡
【追記1】
共同運営マガジンはじめました。
ぜひご参加ください!
【追記2】
ついでにkindle本出版してます!
こちらも是非、お読みいただけたら嬉しいです。