フィジー体験記番外編~懸念と後悔と学び(後編)~
後編では今私が思うことをまとめてみます。
繰り返しになりますが、
これはあくまで私個人の考えで、
『同じ時期にフィジーに来ていた人たち、現在フィジーにいる人たちの総意』ではありません
ということをご理解の上、読んでいただきたいです。
フィジーでのアジア人差別について
『フィジーにアジア人差別があるか』という問いに対して、色んな考えを持っている人がいます。
全く無いと言っている人もいれば、実際に差別を受けたと言う人もいます。
ここでは、
■フィジー国内の『アジア人』とは
■フィジーでのアジア人の立ち位置
■フィジー人から見たアジア人のイメージ
■なぜ差別されるか
■差別を受けたときにどうしたらいいか
これらを焦点として、今までに出会った人たちや、フィジーのテレビやラジオで見聞きしたことから、私なりに考察してみます。
挙げてみると少し多いですね。
今回も長くなると思いますが、ぜひ最後までお付き合いください。
フィジー国内の『アジア人』とは
フィジーで見られる『アジア人』の多くは中国人と日本人です。韓国人もいます。今回は中国人とそれ以外の人を比較したいのと、私がフィジーで韓国人と接する機会がなかったため、韓国人は【日本人】に含めるとします。
【中国人】
●コロナウイルスが中国で発生した後、フィジー政府はすぐに中国からの入国を禁止しましたので、現在はフィジー国内の中国人観光客は少ないはず
●今フィジーにいる中国人留学生はコロナの発生前から滞在している人たち
●フィジーに移住してきた中国人、フィジーで生まれ育った中国人もいるそうで、その人たちは、今もフィジー国内で暮らしている
【日本人】
●ほぼ観光客や留学生
●コロナ発生後も入国に規制がなかった(韓国の一部地域の滞在歴がある人は除く)
●入国時に体温の測定と健康状態の申告(カード記入)
フィジーにおけるアジア人の立ち位置
(フィジー人談)
【中国人】
●観光等でお金を使う人もいれば、フィジーで起業したり、飲食店の経営をしている人もいる
●観光客としてフィジーを訪れる人も、フィジー商品(特にフィジーの水や化粧品、石鹸等が人気らしい)を爆買いして、中国で転売することがあり、それをよく思わないフィジー人もいる
●フィジーで生まれ育った中国人は英語も上手なので、フィジー人の雇用を奪うのではと危惧している人もいる
●近年はフィジー国内で中国人の経営する店が増加、さらに中国の建設会社が大規模な施設を建設中
👇車内から撮った建設現場
【日本人】
●フィジー人よりもたくさんお金を使う
●タクシーにも頻繁に乗る
●お土産、自分用として商品を買うことが多く、転売目的の買い物は滅多にない
●英語は上手ではないが、英語の勉強のために来ている人も多いので、フィジー人とのコミュニケーションは活発
フィジーの人たちがもつアジア人のイメージ
(とりあえず聞いたことあるものを全部並べます)
【共通】
・見るからに金持ち
・フィジー人からしたらわけのわからない言葉で話す
【中国人】
・今フィジーにいるのは、移住してきた人たちか長期滞在の留学生(大学生)
・観光客は日本人より英語が喋れない
・フィジーの教育受けて育った中国人は日本人より英語上手
・肌の露出が多い(タクシーのドライバーさん談)
・フィジーの産業、雇用を奪うかもしれない
・コロナを発生させた
【日本人】
・観光客か留学生(年齢は割と幅広い)
・お金を『稼ぐ』ことはせず『使う』ために来る
・複数人でワイワイしながら歩く
・歩きスマホ
・道端で写真をとる(映えを探す)
・潔癖(いい意味でも悪い意味でも)
・こだわりが強い
・すぐに謝る(Sorryって何回も言う)
なぜ差別されるのか
フィジー人にとって、中国人と日本人を見分けることはほぼ不可能です。そのため、フィジー人と初めて会ったときには "Are you Japanese? " と必ず聞かれます。
コロナが発生してしまった今でも、日本人に親切にしてくれるフィジー人はたくさんいます。
その人たちは、フィジーにコロナを持ち込んだのが日本人でないこともわかってくれています。
そしてその人たちが言うには、日本よりもヘイトが向いているのは中国、そしてアメリカ(フィジー国内で最初に感染が確認された患者がアメリカに滞在歴のあったフィジー人で、その後もアメリカに滞在歴のある人の感染が確認されているため)だそうです。
しかし今フィジー国内にいるアメリカ人は少なく、ぱっと見てアメリカ人だとはわからないため、見た目ですぐにアジア人とわかる中国人が圧倒的に悪者扱いされており、同じアジア人で見た目も似ている日本人が巻き込まれているというのが現状です。
また、日本人とフィジー人では肌の色も、文化や習慣も違うので、コロナの発生で気持ちがピリピリしてるときにその『違い』を見るとどうしてもイライラする、ということはあるそうです。
『アジア人である』ために差別されることはありませんが、「日本人?中国人と見た目似てるし一緒でしょ?」と思っているフィジー人はいます。これが、日本人がいわゆる『差別』の対象になってしまう理由です。
しかしフィジーはフィジアンとインディアンの2つの民族が共存している国ですので、フィジーのラジオ、テレビ、ネット記事などのメディアを見聞きすると、民族による差別そのものに強く反対する人も多くいるようです(それでも2つの民族間で確執がないとは言えませんが)。
中国人や日本人に対しても、「相手の民族によって接し方を変えてはいけない」と考えるフィジー人は少なからずいます。
また、そもそも中国人に対しても、「現在フィジーにいる中国人はコロナ発生前からいた人たちで、コロナ発生とは無関係だ」と冷静に考える人も増えてきているようです。
差別を受けたときにどうすればいいか
(留学生の場合)
フィジーでも、日本人が "Chinese! Corona!" とか "oh, Coronavirus." とか言われたり、石やものを投げられたりすることがあったようです。また、他にも実際にあったこと、これから起こると危惧されることとしては、
▲タクシーやバスへの乗車を断られる
▲店への入店を拒否される
▲ホームステイ先と折り合いが悪くなったり、滞在を拒否される
▲店で触った商品を強制的に買わされる
▲物乞いにたかられたり追いかけられたりする(ただしこれはコロナ発生前からある)
聞いたこと、今ぱっと思いつくだけでもこれだけあります。
他にもあるはずなのでご意見ください。
こういうことがあったときにどうするか、周りの大人の意見も借りてまとめてみます。
【我慢しようと思えばできるとき】
★スルーする、我慢する
フィジーの人たちも不安なんです。
大きな心でスルー。
私たちが悪いんだと落ち込む必要もないのでスルー。
★嫌なことをひたすら紙に書く
日本語と英語両方で書くといいですよ。
まずは日本語でありのままの気持ちをばーっと書いて、次に英語で書く。
英語の練習にもなるし、英語で書こうとするとなぜかやたら丁寧な言葉になったり結局何が書きたかったか忘れちゃったりします(いい意味で)。
【誰かに聞いてほしいとき】
★どこかに吐き出す
相手は誰でもいいです。
ホストファミリーなり、学校の友達なり、日本にいる家族なり。
誰にも言えない、相手に気を使わせたくないときは、私はホームステイ先の家にいる犬に話してたりします。
無理に溜め込むより多少やばいやつになる方が楽。
SNSを使ってもいいですし、何ならこの記事にコメントという形で吐き出してもらっても全然いいです。
【怪我をしたとき】
★ホストファミリーに伝える
ホームステイの場合はホストファミリーに伝えるといいです。
いつ、どこで、誰が(どんな人が)、何をしてきて、どうなったか伝えましょう。
ホストファミリーと良好な関係を築けていれば、怪我をした留学生をホストファミリーが放っておくことは絶対にありません。話はちゃんと聞いてくれますし、大した怪我でなければ家で手当てもできます。すぐに学校に連絡して病院に連れて行ってくれたり、留学生が伝えた情報を、次の日マーケットに行ったときに拡散してくれたりします。
伝えるほどの怪我でないと思っても、次に同じ場所で別の日本人が被害に遭う可能性もあるので、怪我をした、嫌な目にあったことは家族に伝えたほうがいいと思います。
★留学の会社、学校に言う
ドミトリー滞在、今ホテルに滞在している人は、電話で学校の運営会社のサポートオフィスを利用しましょう。
怪我をするレベルは我慢しないでください。
前述の通り、次の被害者を生まないために、あったことをそのまま、できるだけ早く周りの大人に伝えることが大切です。
場合によっては警察にも対応してもらいましょう。
【物が盗まれたとき】
★すぐに警察に通報
まず警察に通報しましょう。
あとからでは対応してもらえないことがあります。
警察に通報したあとすぐに留学の会社への連絡もしましょう。
コロナの発生により治安は悪化していますので、普段以上に防犯意識を持って行動しましょう。
単独行動は避けたほうがいいですが、集団でいると日本人でなくても通報されてますので、2人行動くらいがいいと思います。
長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
私自身、フィジーに来たことを後悔したことはありますし、私の他にも来なければ良かったと感じた人はきっといるでしょう。
しかし今、フィジーにいる日本人は、この国で多くのことを学んでいます。
今でなければ学べなかったこともたくさんあります。
今の私たちにできることは、国籍も民族も今いる場所も関係なく、
一人ひとりがコロナの予防に努めること
それだけだと思います。
あなたの明日が健康で充実した一日となりますように。
(終)
追記
私ひとりでは集められる情報も限られていますので、皆様のご意見、感想がございましたらコメントください。
また、ここまでも、そしてこれからも、至らない点がたくさんあると思いますが、今後もお付き合いいただけると嬉しいです。
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