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「あなたのための政治」を取り戻す。 枝野幸男 代表質問 10/28 《質問全文》 #自己責任から支え合いへ

10月28日、衆議院の本会議にて菅総理の所信表明に対する代表質問に立たせていただきました。以下で、質問の全文を公開します。

※代表質問の様子は、下の画像をクリックしてご覧いただけます。

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学生からの問いかけ

「政治に私たちは見えていますか?」
 緊急事態宣言の下、on-lineヒアリングで投げかけられた言葉です。親からの支援を受けずに、自力で頑張っていた大学生。新型コロナウイルス感染症の影響で、収入源だった派遣の仕事を失い、明日の暮らしも、人生の展望も見えなくなってしまった。そんな若者からの問いかけでした。
 これは、この学生だけの問題ではありません。コロナによる雇用や経済への影響は、ますます深刻化しており、今は何とか持ちこたえている方でも、年末年始にかけて、耐え切れなくなる方が大きく増えると心配されます。
 政治に、国民一人ひとりの現実は見えているのか?政治は本当に見ようとしているのか?この問いかけは、この議場にいるすべての国会議員が、真剣に受け止めるべきものです。

政治に国民の現実が見えているのか

 この国会は、文字どおり、コロナ禍から、国民の命と暮らしを守る国会にしなければなりません。特に深刻なのは、この夏以降、女性や若者を中心に、みずから命を絶つ方が増えつつあることです。
 「あなただけがしんどいんじゃない。そう言われるのが一番しんどかった。」食べる物にも困ったシングルマザーの言葉が報道されました。
決して特殊なケースではありません。支援団体の調査では、児童扶養手当を受け取っている一人親家庭の6割で収入が減少し、1割は収入自体が途絶えています。「1日の食事は1回だけ」「残っているお金は数千円」。そんな声が多数届いているそうです。
 これまでは何とか自活できていた方々の生活が、ギリギリまで追い込まれ限界を超えています。その上、自助努力を迫る自己責任論が強まる中、追い込まれても、公的な支援を受けることに強い抵抗感を抱き、頼ることをためらう風潮が広がっています。
 今ほど政治の力が必要とされる時はありません。政治に、こうした現実が見えているのかが問われています。ことさら「自助」を口にする総理に、声をあげようにもあげられない、こうした実態が見えているのでしょうか?
 受け止めきれていない暮らしの実態に、しっかりと目を向け、政治に反映させなければならない。国民生活には一刻の余裕もない。そのために、より多くの力を結集しなければならない。9月15日、私たちは、そんな思いから、新しい立憲民主党を結成しました。
 結党から1ヶ月あまり。全国各地を訪れ、現場を見て、現場の声をお聞きしました。私は、受け止めてきた何人もの「あなた」の声と現実を踏まえ、私たちが目指す社会像を示しながら、立憲民主党を代表して質問します。

日本社会の疲弊

 先日、合同葬が行われた中曽根元総理は、国鉄や電電公社などの民営化を進めました。それから30年あまり。ある時期までの私自身を含め、政治は、競争と効率、そして民営化を掲げ、小さな政府を追い続けてきました。
 しかし、コロナの影響を受け、こうした新自由主義的な社会のあり方が、今も、そしてこれからも、本当に正しいのかが突き付けられています。
 目先の効率性を追い求めるあまり、海外生産に依存しきっていたマスクの不足が、大きな混乱をもたらしました。保健所は、30年間で45%も減り、感染が疑われても電話がつながらず、いくら旗を振っても検査は増えませんでした。ベッド数の削減などが進められてきた結果、感染の広がりで医療現場はひっ迫し、医療従事者は疲れ果て、国民にも大きな不安を与えました。

命とくらしを守る共生社会

 そんな中で問われているのは、これからの日本をどうするのか。その大局的なビジョンです。
 立憲民主党は、一人ひとりの「命とくらしを守る」ために、目先の効率性だけにとらわれず、「人を幸せにする経済」を目指します。新自由主義にかわる新しい選択肢として、政治が責任をもって支え合いの役割を果たす「共生社会」の実現を掲げます。
 競争や効率を否定するのではありません。しかしそれは、命と暮らしを守ること、そして、人を幸せにするためのものであることが前提のはずです。
 中曽根行革が進められた昭和の時代から30年あまり。社会は劇的に変化しました。人口減少、高齢化、一人暮らし世帯の増加、地域の疲弊。高齢者やシングルマザーなど、自分の努力だけ=自助だけでは生きていくことが難しい皆さん。身近な助け合い=共助が困難な地域や人々。これまでとは比べものにならないくらい増えています。
 どんな人にも、自分の力だけではどうにもならない、困難や危機に直面することがあります。今、コロナ禍によって、多くの皆さんが、その深刻な困難と危機に直面しています。
 だから私は、日本全体で=つまり、政治と行政の力で、お互いさまに支え合う仕組みを作ります。思いもよらない病気やケガ、失業などに直面しても生活が成り立つ。年老いても安心して生活できる。家庭を持ちたい、子どもを産み育てたいと願う方が、その望みを心配することなく叶えることができる。そして、何よりも命を守る。そのために、政治と行政による支え合いの仕組みを充実させます。

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ベーシックサービスの充実

 第一に急ぐのは、命と暮らしを守る上で欠かせない基礎的なサービス=ベーシックサービスを、すべての皆さんに保障することです。
 医療や介護、子育て支援や教育。必要なサービスを、必要に応じて提供することは、政治の最大の役割です。それなのに、競争や目先の効率性ばかりを追い求め続けてきた結果、こうしたサービスは、質量ともに大きく不足しています。その上、コロナ禍で危機的な状況に追いやられました。
 良質なサービスを十分に提供するため、質の高い人材の確保を進めます。コロナ禍で不足が明らかになった保健所や、長く人手不足が指摘されてきた児童相談所や労働基準監督署などについても、国民の命と暮らしを守るため、大胆に増員・増強します。
 国の予算配分を変えて、こうした仕事にたずさわる皆さんの賃金を底上げし、待遇を改善しましょう。少なくとも、希望する人が安心して子どもを産み育てることができるだけの賃金を確保し、原則として正規雇用にするべきです。
 また、これらのサービスは、目先の効率性という観点から、100%近い稼働率であることが求められ、ギリギリの運営をしてきました。これでは、今回のようなイザという時に、命や暮らしを守ることができません。稼働率に余裕を持たせた、ゆとりある運営へと転換します。

暮らしを支える地域政策

 二つ目に、公共事業などのハード面や、従来型の開発という視点を軸としてきた地域政策を、「暮らし」に重点を置いたものへと変えていきます。これまでのやり方では、一極集中は止まりませんでした。多くの地域で、疲弊と衰退がさらに深刻になり、この国から本当に地方がなくなりかねません。
 生まれ育った地域で一生を終えたいと望む人。自然豊かな地域で暮らしたいという人。誰もが、全国どこでも、安心して暮らせる環境をつくることこそ最優先です。ITなどが発達した今、情報や買い物などでは、都市と地域の差が縮小しています。問われているのは、この点でも、教育や医療などのベーシックサービスであり、働く場の確保です。
 こうした地域づくりのためには、縦割りの代表である分野ごとの補助金ではなく、自治体が使い道を自由に決められる一括交付金が欠かせません。私たちは、縦割り打破の一丁目一番地として、一括交付金の実現に取り組みます。

暮らしとしての農業

 地域の基幹産業である農業でも、輸出を増やすなどとして、効率と競争が重視されてきました。私は、むしろ、家族で経営し、地域に密着した「暮らしとしての農業」を支えることこそ、中心に置くべきだと考えます。
 中山間地をはじめ、多くの地域では、国際競争を求められても限界があります。しかし、不利な地域でも営まれてきた農業は、豊かな自然環境を守り、きれいな水や空気を作り、そして災害を防ぐ機能を果たしてきました。何よりも食料自給の下支えとなっています。
 先月22日、佐賀県小城市江里山地区の棚田を見てきました。先人たちが作り、守ってきた棚田は、地域の財産であり、文化的価値があると言っても言い過ぎではありません。地域の皆さんも、誇りを持っていると話してくれました。
 国際競争に挑む農家だけでなく、このような、暮らしや地域と一体となっている農家を支え、地域社会と自然環境を守ります。戸別所得補償制度を復活させ、家族と共に、そして地域と共に、代々引き継いできた営みを、今後も安心して続けられるよう下支えします。
 多面的な機能を果たし、地域の暮らしを守るという意味では、酪農、畜産や林業、漁業も同様です。それぞれの特性にあわせた所得安定のための政策を実現します。

分散型の自然エネルギー立国

 地域に大きな可能性のある分野が、自然エネルギーです。小水力、風力、地熱、小型バイオマスなど。地域にこそ大きな潜在力があります。
 去る10日、鳥取県米子市で、エネルギーの地産地消に取り組む企業から話を聞きました。鳥取では、年間約1千億円の電気代を県外に払っており、これを地域に還元していくことの重要性を熱く語られました。創業5年で地域シェアが10%を超え、電気代が地域で循環することに加えて、温室効果ガスの削減や雇用創出などでも地域に貢献しています。
 自然エネルギーへの需要は、地球規模でますます大きくなります。日本には、あらゆる種類の自然エネルギーについて経験と技術があり、蓄電や断熱、そしてシステムの構築や管理という点でも高い水準にあります。
 私は、これからの日本経済のけん引役として、世界に貢献していく分野として、何よりも、地域の潜在力を活かす柱として、自然エネルギー立国を推進します。

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本質的な経済政策

 バブル崩壊から30年近く。経済の成長を妨げてきた主な要因は、国内消費の低迷です。この間、輸出の成長率は実質で4.1%であったのに対し、消費の伸びは1.0%にとどまります。
 消費が広がらないのは、一つには将来の不安が大きいために財布の紐が固く締められていること。そして、格差と貧困の拡大で、消費したくてもお金がなくて使えない人を、増やしてしまったことが原因です。
 支え合いによって将来の不安を小さくし、格差を縮小して貧困を減らすことは、消費を拡大させる本質的で最も重要な経済政策です。
 OECD=経済協力開発機構は、すでに2014年、「所得格差が拡大すると、経済成長は低下する」との調査結果を発表しています。この調査結果に対する総理の見解を伺います。
 イザというときにも支えがあるという安心感。それが、新たな挑戦への意欲を生み出します。失敗したら自己責任というのでは、チャレンジする意欲も削がれがちです。支え合う「共生社会」は、新しい価値の創造を育むための基盤ともなります。

すべての医療機関への経営支援

 こうしたビジョンの下、国民の命と暮らしを守るため、今、急がなければならないのは、医療機関への支援です。政府は、9月15日、予備費の閣議決定で、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた医療機関などに絞って支援などを決めました。しかし、医療機関全体が厳しい経営状況にあることを踏まえた支援は、盛り込まれていません。
 病院は、これまでも利益率が低く、厳しい運営を強いられてきました。多くの医療機関で経営は逼迫しており、すべての医療機関に対する経営支援を速やかに実施すべきです。総理の見解を伺います。

疲弊する現場

 命と暮らしを支えるのに欠かせない、介護や障がい福祉、保育や放課後児童クラブなどの現場も、厳しい状況です。
 長時間の重労働にもかかわらず低賃金。不安定な非正規雇用が多く、人手不足が慢性化しています。濃厚接触が避けられず、感染防止に強い緊張を強いられ、現場はさらに疲弊しています。「もう仕事を辞めたい」という声を、様々な場面で聞いてきました。
 待遇改善を急ぎ、賃金を大幅に底上げするべきと考えますが、総理、いかがでしょうか? 

保育の充実

 中でも保育士について、私たちは既に、賃金を月額5万円引き上げる法案を提出しています。総理、これに協力いただき、成立させませんか?
待機児童は今年4月時点で1万2,439人に上っています。本年度末までに待機児童を解消するという目標は諦めたのですか?総理の答弁を求めます。

介護報酬改定に向けて

 介護分野での8月の有効求人倍率は3.86倍。全職業の1.04倍を大きく上回っています。今年、9月までの介護事業所の倒産件数は94件。過去最多を更新しました。
 私たちは、介護従事者の賃金を月額1万円引き上げる法案を提出しています。安定的な運営や人手不足解消のため、来年度の介護報酬改定で、どんな対策を講じるのか、総理の方針を伺います。

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大学授業料の引き下げ

 冒頭で紹介した方をはじめ、多くの学生にとって生活はなお厳しい状況にあります。遠隔で、授業の満足度が大きく下がっているにもかかわらず、授業料は変わらず高額のまま。休学するにも費用がかさみ、退学を考えている若者が増えています。
 4月からの修学支援新制度の対象からは、授業料減免の対象だった中間層の一部が外されており、自立する学生を対象とした学生支援緊急給付金も、このままでは追加が必要です。
 こうした皆さんをもれなく支援するため、学費減額に踏み込み、授業料を半額にすべきと考えます。総理、いかがでしょうか?

新卒者の就職困難

 コロナの影響で、来年春の新卒採用が大きな影響を受けています。
 厚生労働大臣は、「卒業後3年以内は新卒扱い」という指針の徹底を要請すると言っていますが、この指針は、この10年来、必ずしも守られておらず、要請するだけで効果があるとは思えません。
 政府を挙げた、より実効性のある対応が必要です。総理の認識を伺います。

少人数学級の推進

 子どもたちは、慣れない「新しい生活様式」の下、一斉休校による授業の遅れを取り戻すことに追われています。楽しみにしていた行事の中止などもあって、疲れきった子どもたちが増えており、一人ひとりに対応した、きめ細かい教育が、これまで以上に必要です。
 学校現場や教職員も、本来業務ではない消毒などの感染防止対策に追われ、多様な教育環境への対応などで負担が増加しています。
 教室の密を避けるためにも、また、教職員の負担を減らし、多様化する子どもたち一人ひとりに寄り添った教育を可能にするためにも、必要な法改正を行い、少人数学級と教職員の増員を、計画的かつ強力に進めるべきと考えます。総理の見解をお聞かせください。

夜間中学の充実

 今月3日、金沢市で、夜間中学に関係する皆さんの話を伺いました。戦後の混乱で学ぶ機会を失った方々にとどまらず、外国籍の子どもや貧困による影響、いじめや不登校など、社会の変化にともない、夜間中学を必要とする状況は強まっています。コロナ禍で、必要性が高まる可能性もあります。
 教育を受ける権利を保障する最後の砦が夜間中学です。政府として、都道府県などを通じた夜間中学への支援を強めるべきですが、総理、いかがでしょうか?

雇用調整助成金の特例措置延長

 雇用調整助成金の特例措置は、野党の要求も踏まえ12月末まで延長となりました。
 しかし、解雇・雇い止めになった人は10月16日現在、見込みも含めて6万6,593人。就業者数と雇用者数は、4月から8月まで5ヶ月連続で前年同月と比べ減少しています。このままでは、年明けに解雇が続出し、多くの方が収入を失って路頭に迷いかねません。
 特例措置は、縮小することなく、少なくとも今年度末まで延長すべきです。総理の決断と答弁を求めます。

休業支援金・給付金の適正運用

 感染症対応の休業支援金・給付金は、5,400億円ほどの予算額に対し、290億円程度しか支給決定されていません。事業主の協力などが条件になっていること。学生に多いシフト制のアルバイトなどで、実質的には休業なのに受給できていないケースが多いこと。支援の対象から大企業が外れていることなどが原因です。
 改善の方向と報じられていますが、具体的にどう改善するのか?厚生労働大臣にお聞きします。

大胆な経済対策と与野党協議

 経済を立ち直らせるには、感染拡大防止策を進めながら、消費を回復させることが必要です。Go Toキャンペーンのような、分野ごとに、それこそ打破すべき縦割りの需要喚起策では、効果も限定的で限界があります。
 戦後最大の危機に対処するには、広く影響を与える思い切った政策が必要です。年収一千万円以下の方々への所得税の時限的な免除、その効果の及ばない困窮者の皆さんへの現金給付、そして消費税の時限的な減免に踏み切るなど、聖域を設けることなく、あらゆる政策をハイブリッドに組み合わせて実行することを提案します。総理の見解を伺います。
 私は、こうした大胆な政策を速やかに実現するのであるならば、野党の立場からも、その政治責任を共有する覚悟です。総理、政府と与野党での真摯な協議の場を設けませんか?答弁を求めます。

中小企業への認識

 中小企業の多くが、コロナ禍によって、ますます苦しんでいます。
 国内企業の99.7%を占め、全従業者の約7割が働く中小企業は、地域社会を支える上で欠かせない存在です。必要なのは、総理の言う統合・再編でなく、地域政策や雇用政策と一体となった支援策の充実です。総理の認識を伺います。

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任命しなかった経緯と理由

 学術会議法7条2項は、「推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。」と明記しており、推薦された方を任命しないことは、条文上、明らかに違法です。1983年の、中曽根総理による「政府が行うのは形式的任命」にすぎないという国会答弁とも矛盾します。
 総理は、提出された105人の名簿を見ていないと発言していますが、6人を任命しなかったのは総理ご自身の判断ではないのですか?誰が、どんな資料や基準をもとに判断したのですか?任命しなかった理由は何なのですか?明確にお答えください。

憲法6条との整合性

 憲法6条1項は、「天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。」と規定しています。「基づいて任命する」という法的な構造はまったく同じです。
 学術会議の任命に、総理による実質判断の余地を認めたら、内閣総理大臣の任命についても、陛下による実質判断の余地が生じてしまいます。一刻も早く6名を任命して、違法状態を解消する以外、この問題の解決はあり得ません。総理に反論があればお答えください。

基本方針に記載しなかった姿勢

 9月16日の初閣議で決定した基本方針には、東日本大震災からの復興と原発事故についての言及がなく、所信でも、具体策は示されませんでした。この姿勢はたいへん残念です。
 立憲民主党は、震災の記憶と教訓を風化させることなく、復興への歩みを速め、一日も早い被災地と被災者の再生を実現するために、全力を尽くします。

ALPS処理水の扱い

 ALPS処理水については、今月中の決定こそ否定されましたが、海洋放出する方針との報道がなされ、関係者の不安は高まっています。
 国民に対する説明と、国民的な議論はまったく不十分で、現状での決定は拙速です。当面は地上保管を継続し、福島のみに負担を強いることのない処分方法など、具体的な代案の検討を進めるべきです。総理の見解を伺います。

脱炭素社会と原子力発電

 総理が、2050年までの脱炭素社会実現を打ち出したことは歓迎します。
 しかし、そのために、原子力発電への依存を強めることがあってはなりません。2050年の脱炭素社会において、発電における原子力の依存度をどのように見込んでいるのか、総理の認識を明確にお答えください。
 再生可能エネルギーの導入を進めるには、送電網を、出来るだけ安く、かつ幅広く開放することが欠かせません。具体策を経済産業大臣にお尋ねします。

個人単位への転換

 一人10万円の特別定額給付金は、世帯主が受給権者とされ、混乱を招きました。
 結婚している世帯の98%以上で、世帯主は男性です。DV被害者の一部などでは対応策が取られたものの、女性を中心に、10万円が手元に届かなかった方が少なくありません。
 家族のあり方が多様化している中で、時代遅れになった世帯単位の支援にこだわるのですか?様々な制度を、世帯単位から個人単位へと転換すべきです。総理の答弁を求めます。

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選択的夫婦別姓の実現

 私は、初当選以来、選択的夫婦別姓の実現に取り組み、4回の筆頭提案者を含め7回にわたって法案を提出し続けてきました。政府・与党の中に前向きの動きがあることを歓迎します。
 日本で、最も強く大きな障壁となっている規制は、結婚する時に、一方が必ず氏を変えなければならないという規制です。規制改革を言うのなら、この最大の規制からなくすべきです。同姓を望む方には何の影響もなく、また、若干の事務経費以外一銭もかかりません。
 野党による議員提出法案が継続審議になっています。賛同いただければ、今国会でも実現できます。総理と橋本国務大臣の決意を伺います。

生殖補助医療への支援

 私も当事者であり、1月の代表質問でも取り上げた生殖補助医療について、前進のきざしが出てきたことを歓迎します。
 希望しながら子どもを授からない原因には、様々なものがあります。新たな分断を生まないような配慮が必要であり、男性不妊や不育症などが助成や保険適用の対象になるのかを含め、総理の認識をお尋ねします。
 所信で「所得制限を撤廃」と述べられましたが、保険なら当然のことですから、助成措置についてと受け止めて良いですね。この点も確認します。

女子差別撤廃条約選択議定書の批准

 女子差別撤廃条約の選択議定書について、20年経っても、114ヶ国が締結する国際的な枠組みにすら参加しないのでは、「女性が輝く」と言っても説得力がありません。
 批准に向けて急ぐべきです。なぜためらっているのか?総理にお尋ねします。

辺野古新基地建設問題

 立憲民主党は、健全な日米同盟を軸として、現実的な安全保障、外交政策を推進します。
 辺野古新基地問題では、沖縄の皆さんが繰り返し示してきた反対の民意に加え、軟弱地盤の影響でいつ完成するかも見通せず、建設費も膨らむ一方です。
 健全な日米同盟を維持・発展させるためにも、埋め立てを中止し、沖縄の民意をはじめとした実情を、米国に対し率直に説明して理解を求め、別の道を協議すべきです。総理の認識を伺います。

日米地位協定の改定

 日米地位協定は、日本の主権が、事実上、大幅に制約されており、特異なものです。
 健全な二国間関係であるなら、米国に対し、地位協定の改定を明確かつ粘り強く求めるのが当然です。総理の見解を伺います。

私自身の経験から

 私は、中学生の時に、父親の勤め先の倒産を経験しました。1年ほど、失業保険と母のパートで育ててもらいました。父は、その後、小さな町工場を開き、バブルに向かう流れの中で、私は大学まで進学することができました。まだ、国立大学なら圧倒的に学費が安い時代でした。支え合いの仕組みと、時代の恩恵の上に、私は今、この議場に立っています。
 しかし、時代は変わりました。今の日本は、多くの人々が、時代の恩恵を受けるどころか、厳しい時代の変化に翻弄されています。

総理の時代認識とビジョン

 総理のいう自助と共助と公助を順番に並べる考えは、端的に言って昭和の成功体験にとらわれた、時代遅れのものではないでしょうか。
 最後に改めて総理にお尋ねします。日本をどんな未来へと導こうとしていますか? あなたはどこを見て、誰の声を聞いて政治をしていますか?苦しんでいる国民の声は届いていますか?「政治に私たちは見えていますか?」という声に、あなたはどう答えますか?

立憲民主党の決意

 人口が大きく増えてきた時代から、高齢化の中で人口が急激に減っていく時代へ。社会そのものが大きく変わり、政治も変わらざるを得ません。
 今日、私が取り上げた問題は、経済や雇用環境の変化、価値観やライフスタイルの多様化などがもたらした、時代の最先端の課題です。そこにいるのは、新自由主義の下で、光の当たってこなかった皆さんです。そんな「あなたのための政治」を、立憲民主党が取り戻します。
 誰もが安心できる支え合いの仕組みと、その仕組みを担う機能する政府を作り、命と暮らしを守ります。多様な個人と地域が、互いに認め合い、それぞれにその力を最大限に発揮できる「共生社会」を実現します。立憲主義に基づく透明でまっとうな政治を取り戻します。
 「あなたのための政治」へ、右でも左でもなく前へ。それは、この国に暮らす一人ひとりを主役とする政治です。「あなたのための政治」に向けて、私たちとともに進みましょう。あなたの暮らしの現実を聞かせてください。私にはあなたの力が必要です。


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